真冬の冷たい風を吸い込み、
水平対向のボクサー4はいつにも増して調子は良好。
真っ暗闇の中、急斜面をものともせず
耳慣れたボクサーサウンドを響かせて頂を上へ。
しばらくすると曲がり角の隙間から、
半導体のパネルの様にキラキラと輝く
チップの集まりのようなそんな夜景が見えます。
11月27日午前5時55分
徐々に雲が青みがかってきた早朝の頃
私と共に愛車のレガシィは伊豆スカイラインに
辿り着きました。
片道分だけのガソリンを入れて出発した私たちは
景色のいい休憩所での日の出を見るため、
限られた燃料の中ベストな場所を探してまだ暗い
スカイラインを北へ南へ走ります。
雲掛かった富士は西方に、朝日は東方から登ります。
ここはやはり東側を向いた場所、伊豆半島は熱海の海上に見える
初島の方向を見て三脚を立てて待ちます。
風は冷たく、高原を抜ける勢いで髪は乱れて肌は乾燥します。
一方の空はもうすでに青く、今日が晴れだということを
地上にいる誰もが認識できる時間帯になってきました。
久々に上から見る海と列島のあまりの大きさに、
笑っても泣いても祈っても、
これが本当のラストドライブだということを
すっかり忘れてしまいそうなくらいのワクワクと緊張でした。
挙句、私の願いは叶わずに
まんまるな日の出は私の前には現れず、
富士は雲を被ったままでした。
そして私は最後の目的地に向かって、
徐々にクルマの増えてきた伊豆を後にしました。
どんなに先だと思っていても、現実はあたり前にやってきて
その現実は個人が特別な感情を抱いていたとしても
いつもと同じスピードで淡々と1秒は進んでいきます。
でも何か、いつもと違った1秒1秒を大切に感じることができた
そんな横浜までのラストドライブでした。
<フォトギャラあっぷ>
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Posted at
2010/11/30 21:03:00