2011年12月18日
円高なのに…高級外車が値下がりしないわけは?
2008年のリーマン・ショック前に169円台まで値上がりした1ユーロの価格は、歴史的な円高で100円程度にまで値下がりしているが、欧州勢を中心とした外国製高級乗用車の国内販売価格はなかなか下がらない。既存の外車愛好家が、為替の動きに合わせた急激な価格変動を嫌がることが背景にあるが、「外車デビュー」を考える新規ユーザーには値下げ待ちの姿勢がみられる。販売店側からも「そろそろ…」との声が聞かれるが、「いつ、どの時点で値下げされる」かは、欧州債務危機との兼ね合いもあり、見通すことは難しそうだ。
百貨店やスーパーで買い求めるワインなどの食料品は「円高還元セール」などに沸くが、外車の販売価格は一向に下がらない。実際、BMWやフォルクスワーゲン、アウディの日本法人などでは、現時点で円高による価格改定はしていない。
日本自動車輸入組合(JAIA)によると、国内に販売拠点を持つ外車メーカーは、一般的に、為替変動の影響を最小限に抑えるため、長期的な輸出計画を立てて価格を変動させない仕組みを採用している。為替変動の影響を受けない円建てで輸入するケースもあり、車体価格を変更するのは、モデルチェンジなどを機にした改定だけだ。
「すぐに消費される食料品と違い、耐久性のある自動車は為替変動で価格を変動しない」(BMWジャパン広報)という原則があるためだが、既存ユーザーへの配慮という側面も色濃いようだ。
為替変動のたびに新車価格を値下げすると、同じ車種の中古車の価格も下げざるを得なくなり、中古車市場にも影響する。「結果的に、今のユーザーに乗ってもらっている車の価値も下げてしまう」(関係者)ことにつながってしまうという事情がある。
しかし、ここまで円高が長期化すると、外車の価格が下がらないことにいらだつ新規顧客が少なくない。大阪市内の男性会社員は「円高はもはや一時的なものとはいえず、価格下落のタイミングを見極める」と、値下げ待ちの姿勢を貫く。
実際、フォルクスワーゲングループジャパンは「円高傾向が強まれば価格を下げることも検討する」と話す。ただ、価格を維持している現段階では「新規の顧客から不満の声が上がらないよう、カスタマーサービスを強化させる」(広報担当者)方針で、お得意さまのフォローも忘れない。
第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは「購入者の不満が高まるリスクがあるだけに、外車メーカーにとって値下げは勇気のいる決断になる」と指摘している。
で、結局値下げはいつ?価格は半額?
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Posted at
2011/12/18 19:19:21
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