前回の
ハイグリップラジアルタイヤの真実がmyブログのトータルPVレポート第7位に君臨する人気の(?)ブログなので、続編です。(笑)
「真実」というタイトルの割には大した内容ではありません事を予め断っておきます。
東京オートサロン2014で仕入れた、ハイグリップタイヤのメーカー側のお話しです。
今回は主に3つの事を重視して質問しました。
・進化するたびに耐えられる横Gは大きくなるのか?
・皮むきは本当に必要なの?
・溝が減るとグリップは本当に落ちるのか?
Q&Aは記憶を頼りに再現しているので、一字一句正確ではありませんが、そんな内容の事を言っていたと捉えて下さい。
まずはネオバでおなじみYOKOHAMAさんへ!
自分 : タイヤの事についてお伺いしたいのですが、AD08から08Rになって摩擦係数はどのくらい上がっているのでしょうか?
YHの方: えーーー 設計の者に変わりますのでしばしお待ちください…
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!!!(・∀・)!!!
※横浜ゴム株式会社の方ではなく、ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル株式会社の開発部の方に代わっていただきました。
Q タイヤはモデルチェンジするたびに、許容できる横Gというのは大きくなっているのでしょうか?
A 「G」という考え方はしていないですね。タイヤの摩擦円が元々ひし形っぽいので、それをだ円に広げるような設計をしています。具体的には、コンパウンドや内部構造をいじってます。
Q というとターンインなどでより速くなると?
A はい。
Q ちなみに、スポーツラジアルの皮むきって正直意味あるんでしょうか?正直一般人の普段の運転が「慣らし走行」と変わらないですよね?
A (後ろに置いてあるGT500マシンを指さして)こーゆーのでなければ正直あまり変わらないですね。
Q え?Sタイヤもですか?
A ええ。
Q さすがに0.5秒くらいは変わりますよね?
A それくらいは変わるかも知れません。
Q 先人の言い伝えで、「タイヤは本気で走る前に一旦熱を入れて、冷やしておいてから使った方がいい」と聞いたのですが…
A 新品タイヤは発熱しにくいので、もしかしたらそのことを言っているのかもしれませんね。一回熱が入ったタイヤは発熱しやすいので、すぐにタイムは出しやすくなると思います。
Q 溝が減るとグリップは落ちますか?
A 落ちません。ワンメイクのレース屋さんはドライ用にわざわざトレッド削って浅くしていますから。トレッドの厚みが薄い方が、物理的によれの時間が少ないのでその分クイックに感じます。ただウェットに関しては、縦溝、もしくはタイヤ中心から両端に向かう斜め溝の排水性が重要なので、それがないタイヤはハイドロが起きやすくなりますね。
Q トレッドのゴム質が途中で変わる事はないですか?
A ありません。
Q というと、新品から使っていて溝が減ってグリップが落ちたと一般人が感じるのは、単にゴムの経年劣化であると?
A はい。
Q ちなみにSタイヤは古くなるとタイムは出にくいんですか?例えば5年とか…
A 全然出ません。むしろ2年で落ちます。熱が入れば多少イケますが。
Q 理想の空気圧ってあるんでしょうか?
A 車によって変わると思いますが、大体2.1にしたときのタイヤの断面形状を基準に設計していますよ。
Q 設計上の「剛性値」と、実際の「剛性感」はやはり違うんでしょうか?
A 違いますね。これはタイヤのばねの静的特性と動的特性が違ったりするんですよ。ノーマルタイヤでは回転運動のシミュレーションをやっているんですが、Sタイヤは正直そんな事やってる暇がないので、とにかく作って試す、作って試すの繰り返しです(笑)
!!!
A ラジアルは両立が難しいんですよね。ちなみにグリップしても減らないタイヤもあります。むしろグリップしない→すべる→よけ擦れて減る、の悪循環なんですよね。
その他、就活に参考になる会社内の日常等をお伺いして終了となりました。
今回お話ししたのはSタイヤ屋さんでしたが、スポーツラジアルでも鮮度が大切なようです。
さらにタイムを出すなら新鮮なタイヤの溝を減らしてから走らせた方が良さそうです。
自分は今までも、これからも「安く手に入れたタイヤ」でどこまでタイムを出せるか頑張りますw
(単に金がないだけという)
(って、何年か前にヴィッツワンメイクで浅溝、深溝…って話を聞いたぐらいだから、溝が減ってもグリップが落ちないのはもっと早く気付くべきでした…)
アクセス数が多いようなので、追記します。
「溝が減ってもグリップは落ちない」という事でしたが、自分自身の経験で
同じ銘柄のタイヤにおいて
・製造から2年経過した、残り溝1.8mm程度での耐えうる横G⇒0.7G程度
・製造から3年経過した、残り溝3mm程度での耐えうる横G⇒1.0G程度
という経験がありました。
この経験に対し、東洋ゴム工業の方から「ゴム自体の摩擦係数は一定でも、トレッド部の変形具合が変化し、CP等が落ちる事はある」
というご指摘を受けましたので、必ずしも「溝が減ってもグリップは落ちない」事はなさそうです。
また、タイヤの熱入れに関しては化学的根拠がまだ集められていないので、何が真実かよくわからない、というのが現状です。
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続いてお隣りにあったトーヨータイヤさん。
設計、開発、実験部門の方がつかまらなかったのですが
Q 通常のタイヤで皮むきというのは必要なのでしょうか?
A 必要です。タイヤを成形するときに窯で焼くのですが、その窯からはがすための「離形剤」が残っている事がありますので、これを削るために慣らし走行は必要になります。
とのことでした。
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続いてZ2が早くもスタースペックに進化し、セカンドグレードのDZ101も102にMCしたダンロップさん。
営業の方にお伺いしました。
Q 通常のタイヤで皮むきというのは必要なのでしょうか?
A 必要です。「離形剤」が残っている事がありますので、これを削るために慣らし走行は必要になります。
Q 先人の言い伝えで、「タイヤは本気で走る前に一旦熱を入れて、例えば一晩冷やしておいてから使った方がいい」と聞いたのですが…
A そんな肉じゃがやカレーみたいなことはないですよ(笑)
Q Z2からZ2☆へは何が変わっているのですか?
A ワイヤー等はそのままに、コンパウンドのみを変えています。
Q タイヤはモデルチェンジするたびに、許容できる横Gというのは大きくなっているのでしょうか?
A 難しい質問ですねぇ…
Q ちなみにヨコハマさんでは同じ銘柄でもサイズによってコンパウンドを変えているらしいんですが、ダンロップさんもそうなんですか?
A いや、そんな事はないです。同じ銘柄なら同じコンパウンドです(え?ヨコハマ変えてるの?!みたいな反応)
Q ちなみにトレッドのコンパウンドは均一ですか?溝が減ったら違うゴム質になることはありますか?
A トレッドとベルトの間に一層ゴムの層(名前忘れましたcrz)があるのですが、そこまでは変わりません。
Q というと、新品から使っていて溝が減ってグリップが落ちたと一般人が感じるのは、単にゴムの経年劣化であると?
A はい。
その他、就活に参考になる会社内の日常等をお伺いして終了となりました。
次回はグッドイヤーと天下のブリヂストン編です。
GYは技術にもかなりお詳しい商品企画部の方、BSは技術サービスの方にお話しを伺いました。
そこでちょっと衝撃の事実を知りました。
次回もお楽しみに(・・・ってしてる人いるのかな?笑)