
以前
空力プロジェクトのブログで、ドラッグを測定したいと書いたが、今日簡単に測定してみた。測定方法は速度v1でクラッチを切って、速度v2にまで落ちるのに要する時間をストップウォッチで測定するという、至って簡単な方法。(v1とv2での平均的な)抵抗力xストップウォッチで測定した時間の積(力積)が運動量変化になるので
F⊿t = m(v1-v2) = m⊿v
よって抵抗力Fは
F = m⊿v/⊿t・・・(1)
となる。つまり運動方程式そのものですね。⊿tが長い(ゆっくり減速)するほど抵抗が小さいことになる。逆に抵抗が大きいほど⊿tは小さい(すぐに減速)することになる。
ところでFは、空気抵抗のほかに、タイヤの転がり摩擦、クラッチ以降の軸の抵抗などが含まれる。空気抵抗Dは、ウィキペディアによれば
D = Cd*ρ*v^2*S・・・(2)
と表される。ここでCdは抗力係数(俗にCd値、drag coefficient)、ρは流体の密度で海抜0mで25℃での大気密度は1.2250 kg/m3、Sは代表面積である。Cd*Sが、各車の形状による空気抵抗を示す。ρは一定と見なせば、速度依存性がv^2として出てくる。
一方タイヤの転がり摩擦や軸抵抗は、ざっくり速度に比例する(様な気がする。単位時間に転がるタイヤ距離=転がった回転数は速度に比例だから)とすれば、3点くらいの速度でのFを測定すれば、Cd*S値が算出できると思う。非線形成分が空気抵抗分であろう。
ところで、3点もの速度区間を測定するのは結構大変なので、まずは測定しやすい50km/h→40km/hの速度変化に掛かる時間をストップウォッチで測定してみた。ちなみに私のロドはNA6CEにも関わらず、最近は205/45R16なる、とんでもないタイヤ(新ネオバ)を履いているので、転がり抵抗は結構大きいと思われる。また、某ショップ製フロントアンダーパネルと自作リヤアンダーパネル(自称リアディフューザー)が装備されているが、リアスポイラーは外されている状態である。
パラメーターはロドらしく幌開閉、および幌閉で窓を開閉したもの、さらにリトラ開閉を調べた。さらに(1)式から抵抗力を計算した。ここでは車重=1000kgとした。
(計算ミスをしていたので修正しました)
①幌:open、リトラ:open、窓:close
3回の減速時間平均=12.2秒、抵抗力=228N (=23.2kg重)
②幌:close、リトラ:open、窓:close
3回の減速時間平均=14.4秒、抵抗力=193N (=19.7kg重)
③幌:close、リトラ:close、窓:close
3回の減速時間平均=14.7秒、抵抗力=189N (=19.3kg重)
④幌:close、リトラ:open、窓:open
3回の減速時間平均=11.4秒、抵抗力=244N (=24.9kg重)
上記のグラフに示すように、基準となる全部close(③)での空気抵抗は189Nであったのに対し、リトラを上げる(②)と193N(+2%)でしかない。意外と小さい。なぜだろう?バンパーで跳ね上げた空気の流れがあるから意外と抵抗にならないのか?ところが更に幌をあける(①)と+20%の228Nで、幌を開けることによる空気抵抗増大は一般に言われる通り大きいことが分かった。
次の結果は驚きである。幌は閉めて窓を開ける(④)と、幌を開けた(窓は閉めた)状態よりも大きい抵抗力=244N(+29%)が測定された。つまりセダンであろうとプリウスであろうとミニバンであろうと、窓を開けてしまえば空気抵抗が増大してしまい、燃費の悪化を招くということである。元々空気抵抗の比較的大きなロードスターで、さらに無駄に極太なタイヤでの測定結果が窓の開閉で26%もの抵抗力増加であったことは驚きである。Cd値が異様に小さい最新のプリウスやインサイトでは50%近い抵抗力の増加があるんでないかい?誰か測定してくださいな!
おおむね以下のゴルフカブリオレの測定結果と似たような傾向になった。
http://autospeed.com/cms/A_109741/article.html
オープンで窓開けが最悪らしい。エアロボードとかも実は効きそうな気がする。
いずれ試してみます。
今後暇を見て、より高速/低速での測定もするつもりである。乞うご期待!
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ロードスター | 日記
Posted at
2009/06/25 23:21:19