
タイヤの選択の仕方や、タイヤの記号の読み方に付いては、数々のサイトや読み物で紹介されていると思われますが、その中でも「空気圧」については、正直まったくもって正確なアドバイスを与えてくれるモノが無い事に私は大きな矛盾を感じています。
クルマからはみ出さない、外径を合わせる・・といった、クルマの運動性や安全の面から大切な事を連呼する事も大事だろうが、実はもっと「空気圧」という重要なファクターがある事を重視している人などが少ないと感じているのは私だけでしょうか?
「空気圧」の管理こそ、簡単で確実で効果的なメンテは無いと思います。
そこで皆さんに、自分や家族と言った大事な同乗者の命を守る為にも「空気圧」に関してチョットコメントしてみたいと思います。
自分のクルマ(エブリイ等)のタイヤを知ろう!
自分のクルマに装着されているタイヤに関しては、フロントドア部などに、サイズと空気圧が書かれた一覧表がある事はご存知だと思います。
ここに記載されているサイズのタイヤを大人しく装着して乗っている場合には何ら問題は無いのですが…。
インチアップなどをして、この表にないサイズを選択した場合に、皆さんは空気圧の管理をどうしていますか??
そんなインチアップなどで、サイズを変更したユーザーの数名にハナシを聞くと、一番多かった答えが標準と同じ「空気圧」にする…。というものが多かったです。
果してそれは正解なのでしょうか?
ここで大きな「落とし穴」があります。
「LI」こと「ロードインデックス」の存在です。
多くのドライバーが、空気圧の管理をしていると胸を張って言うが、「ロードインデックス」まで気遣って「空気圧」を管理している事は殆ど無いのが実情です。
それでは「ロードインデックス」とは何か?と言えば…。
タイヤのサイズを眺めた時、先頭の幅を示す「165」とか「155」と言った数字や、次の扁平率を示す「60」や「50」などと言った数字は注目される事が多いが、末尾の「75」とか「74」と言った数字に着目するユーザーは正直少ないと思います。
それでは「ロードインデックス」とは何かと言うと…、
簡単に言えば、
タイヤ一本で支える最大の荷重の事…。
無論自動車メーカーは、そのクルマごとにタイヤに掛かる荷重を計算して、タイヤを選定しているのだが、それを無視してユーザーがタイヤを選定したらどうなると思いますか?
タイヤを代えて「ロードインデックス」が増える分には問題は無いですが、減ってしまっては最悪タイヤが荷重に耐える事ができず、破損してしまう危険性があります。
特に「インチアップ」という手法を行った際に、その傾向が顕著になるので注意が必要なのです…。
ここで私のエブエボ号で検証してみます。
私の場合は、標準は「165/60R14 75H」だったのを、「165/45R16XL 74V」にインチアップしましたが、「ロードインデックス」に注目して欲しいです。
「75」から「74」に低下してしまっています。

※見易い表は
コチラ
通常は上の表(メーカーにより若干違いはありますが…。)の通り、「タイヤの外径」もほぼ同じ、これでOKとする向きが多いのだが、実は「ロードインデックス」が低下しているので厳密に言うとNGです。※車検に関しても本当はNGです。
これを多くのユーザーは、まったく意に介せず「カッコ良いだろう!」と無知を丸出しに乗っています。
さらに問題なのは、インチアップした販売店も、下手をすると「ロードインデックス」なんて無視して、「空気圧」の事をドライバーに言わない!!いや販売店も実は知らなくて言えない…、という実態があります。
それでは、もう「ロードインデックス」が下がったら、憧れの「インチアップ」は無理なのか?
と言うと、ちゃんとできる魔法の原理があります^^v
それが
「本当の空気圧管理」という手法です。
上の表を見て欲しいのですが、実は世の中にはこんな便利な表が存在致します。
それなのに、この表を初めて見た!というドライバーも多く居るのではないのでしょうか?
単位はSI単位への移行で「kPa」になっているが、厳密には違うのだが、「100」で割れば…つまり、二桁目と三桁目に「点」を打てば、昔ながらの「kg/cm2」に置き換える事が出来ます。
それでは、またエブエボ号で正しい「空気圧」の選定を行ってみましょう。
標準は「165/60R14 75H」でSUZUKIの指定空気圧は「前2.2」、「後2.4」です。
それを、この表で見ると「LI値75」で、「空気圧220(2.2kg/cm2)」の値は前「370kg」。後「387kg」。一方、インチアップした方はと言えば、「165/45R16XL 74V」なので「空気圧220(2.2kg/cm2)」のままだと・・荷重能力は前「355kg」後「375kg」・・・タイヤ一本でフロント「15kg」リヤ「12kg」も耐えられる荷重が減ります。
タイヤ四本で「54kg」!これは結構大きな数字だと思いませんか??
「ロードインデックス74」で心配無くカーライフを楽しむには・・・「LI値74」の荷重を辿ってみましょう。
すると「荷重能力」が「375kg」の所が有ります^^v
その時の「空気圧」は「空気圧240(2.4kg/cm2)」、つまり「ロードインデクス」が「74」のタイヤでも「空気圧」を「20(0.2kg/cm2)」上げれば問題なく使えると言う事なのです!
※リヤタイヤも同様です。
※この事項を車検時検査官に伝える事で、基本車検もOKです。
また「ロードインデックス」には「リインフォースド規格タイヤ(エクストラロード規格タイヤ)」という通常の空気圧より「高い空気圧」を要求するものがあるので、注意して下さいね。
「ロードインデックス」と「空気圧」の関係は、簡易の方式では
、「ロードインデックス」が1下がると「空気圧は10(0.1kg/cm2)」上げないといけない・・という方式も、以前から言われています。
セダンより車重が重く、積載する機会の多いワゴンなどは特に「ロードインデックス」には注意して欲しいと切に思います。
最近は高速での「バースト」が多いのでは・・とも囁かれています。これは、勿論荷重的に厳しいワゴン系のドライバーが空気圧の管理を怠って・・というパターンも多い様なのですが、「ロードインデクス」の事を知らないでタイヤを交換して、過荷重に耐えれなくなってバースト・・という悲劇も多いのではとも…。
日本のドライバーは、タイヤに関して余りにも「無知」というのは、悲しい現実なのですが、一人でも多くのドライバーが、タイヤ無知という汚名を返上してくれると幸いであります。
最後に
「タイヤは命を載せて走っている」
この事を肝に銘じてクルマに乗って欲しいと願って止みません。
皆さんも月に一度はタイヤ空気圧点検を!!
因みに、私は窒素にて前後共3.2kg/cm2入れています(爆;)
車○カMAXです!!彡(-ω-;)彡ヒューヒュー