つわものどもが夢のあと

兵庫県を走っているとこの看板を度々見かけます。

80年代後半、小生がまだ中学生だった頃、アメリカの大学の日本校が次々と設立され、ＣＭが何度も流れていました。しかしＣＭもいつしか見かけなくなり、存在も忘れかけていました。

だがこの看板を見て思い出しました。当時、日本はバブル経済絶頂期、有り余る金にものを言わせて世界中のものを買い漁り、我が世の春を謳歌していた時代で誰もが宴に狂乱していました。

しかしどんな宴にも必ず終わりはやってくる。狂乱から目の醒めた日本人は何もなかったかのように普通の生活に戻り、そして宴の残骸だけがこうして、名もない民家の壁の片隅に残されたのである。まるで宴に参加したすべての人を皮肉るかのように、今もこうしてひっそりと佇んでいる。

小生が廃墟に魅力を感じるのはそこである。廃墟は決して死んでいるのではない。人の業の深さを教えるために生き続けているのである。