
ネット拾いの画像で申し訳ない。
(いつもの事ですがw)
画像は言わずと知れた名車 R35GT-R のマフラーである。
どうしても過去にスポーツマフラーの製造・開発にかかわった事があるもんで
車を見ると純正・社外問わずにマフラーを覗き込むクセがあるw
純正マフラーの完成度から言えば BMW>ポルシェ>日産=ホンダ なのだろうか。
他のメーカーは実用レベルのものであって、マフラー(エグゾースト)を
内燃機としての位置づけをしていないので却下した。
よって量産メーカーとしてはこの4社しか評価対象にできない。
よくスポーツマフラーのタコ足(ヘッダー)で4気筒車だと
「4-1が高回転 4-2-1がトルク重視」だと言われるが
んなこたぁ無い。
エンジンにガッツリ手を入れていない限りこの都市伝説は通用しない。
ノーマルエンジンのままだと4-1だってブランチ長を考慮すりゃトルク出せるし
4-2-1でもヘタな4-1よりもキレイな高出力を出せる。
正直なところ 高性能マフラーなんてシャシーダイナモやエンジンベンチで
試行錯誤しなきゃわからんもんだ。
最低でもシャシダイのグラフ提示ぐらいしてなきゃ「高性能」の売り文句を
削除してほしいもんです。
あと「ショップオリジナル」なるマフラー。
ワンオフでバカ高い料金貰うくせに、「この排気量だとこのパイプ径」←テキトー
「NAだからこのタイコ(サイレンサー)」←テキトー といった切った張ったの
テキトー物でノーマル・装着後の比較データも付けずに納車するのは
ある意味サギに近い。
極端なパイプ径を用いたマフラーで「レーシング専用、フルチューン向き」
といったマフラーは、そのフルチューンの詳細までちゃんと提示してほしい。
排気量・カムといったもので全然変わってくるからね。
パイプ径だけアップして「フルチューン用」を唱うのは筋が違うってもんだ。
あと国内においてマフラーを製造できる会社ってのは両手で数えられるほどしかない。
だからショップブランドのマフラーってのはその内のどこかのメーカーが製造してる
ものであり、そのショップ自体が開発したのもでもないのが現状。
いわゆる「ウチの看板つけりゃ売れるでしょ ウハウハウハ」の商売品。
それどころか、すでに中国産が市場に多く出回る始末。
格安のターボ用タコ足なんぞ中国製がとんでもない事になってるしね。
(割れるわ歪んでるわの信じられない品)
商売目的とはいえ ショップの看板つけてこんなモノ売るようじゃ自社ブランドの
信用性を自分で落としてるようなもの。
(この中国メーカー サイト上で売り込みしてるから根気よく探せば見つかりますよ。
商品画像見れば、どこのショップが扱っているかがすぐ解る。
形状も特徴があるし、ネットオークションで¥5万ぐらいで売ってるステンレスの
ターボタコ足なんてほぼ中国品確定)
マフラーの素材はどれがいい?
近年ステン(SUS304)が主流となり、チタンがちらほらと見られ鉄(アルスターを含む)
がだんだんと見られなくなりました。
本音で言えば ステンがちょっと優秀ではあるけど皆 一長一短。どんぐりのナントカ。
素材といえばすぐチタン・カーボンと言う輩がいるが、車は車であって宇宙航空機で
はない。まぁ空も飛べる車なら文句は言わないが。
特性も知らずして口にするのは恥ずかしい。
タコ足にしてみりゃ鉄にこだわる職人だって数多くいるんだし、チタン=高性能の図
式は絶対ではないのだ。
構造としては集合部の作り。
一時期集合部をスパイラル形状にしたり、ボール状にしたりとあったけど
意味無い。 運が良ければ出力がちょっと上がるだろうが逆に下がることもある。
この無意味な構造が影響するのはほんの数%程度。しかも上下するのだから
博打みたいなものだねぇ。
F1のタコ足に採用されるステップ(集合部までにパイプ径を段階的に拡大する)
は超高回転ユニットほど効果的であり、市販車じゃ・・・・・プッ。
ヌケ過ぎの定理。
ヌケ過ぎ。パイプ径が必要以上に太いことで言われる言葉だけど、トルクの体感的
な状況から発せられるのが普通であるけどコレはある意味あいでは半分正しくも
あり、半分間違いでもある。
確かにマフラーを交換後においてアクセルを踏み込んだ時に感じる「軽さ」というのが
トルクの細さを連想させがちだが、実測においてはそれほどトルクが落ちたわけでは
なくてアクセルレスポンスが良くなったというものだ。
じゃあホントのヌケ過ぎとは?というのは、高回転域でのパワーラインで見えるもの。
パワー測定してみてピークパワーを過ぎたあたりから逆への字で鋭角にパワーが
落ち込むのがホントの意味でのヌケ過ぎ。
高回転領域において燃焼室での混合気の貯め込みが上手く作用出来ていないから。
ヌケ過ぎと同様に扱われやすいのが社外ECU交換でのレスポンスアップ。
点火時期の適正化が施されたECUデータは低回転域からのレスポンスアップがある。
「マフラー交換したらヌケ過ぎてさぁ、燃費悪いんだよねぇ~」
「ECU交換したらさぁ、ツキが良くてパワー上がった分燃費悪いんだよねぇ~」
と愚痴る前に自分の右足制御を疑うのが正しいとも言えます。
サーモバンテージ。
なんでも巻けばいいってもんじゃない。本来の目的は「熱害の抑止」
おバカな雑誌が「バンテージを巻いて熱をとどめる事により排気効率をあげ・・・」
ハイ、ありえません。
ぎちぎちに詰め込まれたエンジンルーム内において排気管が発する熱が周囲の
配管・配線に熱害をおこすを抑止するだけです。
だからサーモバンテージはその熱害のもととなる排気管を直接的に抑えようってだけです。
それと、端から端までキッチリと巻くのも間違い。
特にチタン・ステンでは絶対にダメ。
溶接部分は巻いてはいけない場所。理由はチタン・ステンは熱に弱く熱をとどめる
ほどに酸化し劣化が激しくなる。んで溶接部が割れやすくなるのだ。
巻いていれば割れやすくなる上、割れても見えないからやっかいなのだ。
割れてから排気漏れなぞしようものなら、排気漏れによる出力低下がー10%とか
簡単におこりえるのです。
形状やレイアウト上 遮熱板を設けることができないときだけ最低限のサーモ巻き
にしましょう。
レース車両なら排気管ではなく周囲の配管・配線に遮熱処理するのですがねぇ。
本来ならそっちのほうが合理的で正しいのです。
機械曲げと手曲げ。
どちらが・・・と言ってもどちらも優越つけがたい。
真円度を保ちながら曲げる機械曲げ。曲げ角を自在に可能とする手曲げ。
機械曲げとはパイプベンダーによって曲げるのだが、曲げのRは装着されたロール
によって決定されるので常に一定であり角度を変えるしか方法がない。
手曲げは職人の手によりRを自在に操れるからレイアウトの自由度が高いのだが
いくらぎゅうぎゅうに砂を詰めても楕円つぶれや内径変化は避けられない。
若干機械曲げのほうが有利かな?程度ですがね。
手曲げ品を買うのであれば、性能よりも製作した職人への対価としての価値と言った
ほうがしっくりくる。
手曲げと機械曲げの両方の利点を兼ね合わせた「3Dベンダー」なる機械もあるけど
機械の価格がハンパじゃないから普及に至っていない。
触媒
排ガス規制の問題からメタルキャタライザーの純正採用が目立ってきた。
メタルの触媒作用の高さからであるが、問題とするのはその取り付け位置。
メタルの場合反応温度を上げる必要があるのでどうしてもエンジンに近づけなければ
ならなくなる。
今までなら触媒というと車体中心を下から覗き込んで確認したものだが
いまじゃエンジンルームから見下ろして確認するようになった。
それぐらいエンジンに近づけて 排ガス浄化作用を狙う「始動直後」での
作用熱の確保を必要としてるから。
でもこの距離ってのが難問で、性能アップへの排気構造に支障がでる。
ここで感服したのがBMW。 6気筒車で見られたのだが6-2-1構造で
3-1となる部分を出来る限り等長としてメタル触媒を設け、後部の2-1
へ流している。メタルの位置を確保しつつ等長構造も可能な限り犠牲にしない
というのはBMWの執念さえ感じる。Mシリーズを見てもエグゾーストにかける
コストはBMWが桁外れであるというのがわかる。
逆にガッカリさせられたのがポルシェ。 RR構造から至難なレイアウトを強いられる
ので毎回新車発表時に排気設計者の気苦労が見られたのだが、MR構造となり
自由度のとれたはずのケイマンで、完全な手抜きとなったのが惜しい。
最後に画像の解説。
上2枚はR35GT-Rの純正。下はR35GT-R用NISMO製品。
クオリティの高さに脱帽。
最近流行としてスポーツ性をアピールする為に左右4本出しのテールエンド。
まぁ流行だからしょうがないんだけど・・・。
見て頂きたいのがセンターから分岐後。
分岐してからテールエンドまで等長にしようとした苦労が一目でわかる。
そして曲げの部分に注目。
機械曲げでなくプレス成形。コレは大変なコストがかかる。
機械曲げであれば曲げればいいだけなので簡単であるが、あえてプレス成形としたのは
機械曲げで生じるRの自由度の低さ・真円度・量産での曲げ皺の回避という点。
曲げでなくプレス成形としたこだわりが意気込みでもある。
そしてアップにしたエンド付近。 ここをちゃんと見て欲しい。
この部分もプレス成形なのだがツチノコ状に成型された形状に脱帽なのだ。
デザイン上4本出しと決定していたためにこの形状にしている。
これは吐出圧を平均化させる為のもの。
4本出しとなると1本あたりの吐出圧が極端に下がる。 しかも排気温度が高めの
ユニットなので吐出圧が下がるとバンパー焼けするからだ。
特に4本出しともなると外側と内側の吐出圧にバラつきがでる。そこで設計上
4本ともほぼ同じ吐出圧とすることでバンパー焼けを防いでいるのだ。
このツチノコ形状はニスモ製のマフラーも同様として採用している。
また、ニスモマフラーでは特殊チタン素材の採用となっているが、この特殊チタン
従来のチタンよりもエグゾースト向きになるように耐熱性や粘性を持たせた
ほんとに特殊なチタンになっている。
しかしチタンそのものの特性は極端に変えられないので、耐久性を得る為に
熱がかかりやすい曲げのキツイ部分や曲げの外側、分岐部分といった高熱になりやすい
部分に冷却フィンまでつけられている。
チタン製エグゾーストに実用的な耐久性を持たせた努力に驚く。
まぁ値段を見たらもっと驚いたんだけどねw
社外マフラーを製造する各社からR35用が一通り揃ったみたいだけど
どのメーカー品を見てもその完成度はノーマルを上回ったと言えない。
排気温度・吐出圧・バンパー焼け といった+αの部分が欠落している。
なのに値段だけは30万前後と超一流である。
粗悪品などは製造コストを見積もっても5~6万程度のステン製で
分岐後が等長ともならず、不必要なほどのパイプ径になっていて
尚かつ価格が25万を超えていたりして・・・ ボッタクリも甚だしい。
しかもこれほど高額なのに各社ほとんどがパワーチェックシートの
公表さえもしていないのが疑問だ。
いままでのスポーツグレードとしてのGT-Rからスーパースポーツとして
変貌を遂げたGT-R。
純正の完成度が全てにおいて別格であることから アフターパーツへの
ハードルは非常に高いものとなっている。
純正を超えているのか?という疑問は今までのように「レース専用ですから」
といった逃げ口上では済まされない。
マフラーひとつとっても社外メーカーのレベルが見て取れるのだから。。。