
一昨日、品川八つ山の住宅街を歩いていた。
車の通りの少ない道の坂になったT字交差点を
5歳くらいの男の子とお母さんが歩いてきた。
男の子は脇に本を抱えていたが、何かに気が付いたらしく
幼い子供が良くやるように急に駆けだした。
そして、躓いてしまった。
本が道路に投げ出されて
ついでに、膝小僧も擦りむいてしまったようだ。
男の子は泣き出すようなことはなかったが、膝の痛みと
自分の前方に飛んだ本の両方の緊急事態にパニックなっている。
ここらの住宅街にいる若いおかあさんだから、取り合えず
外国のおばはんがするみたいな、
ほらぁ たかしくーん オーケー?
的な、冷静でゆっくりしたリアクションを期待した自分であったが
案に反して、彼女が発したのは
「駄目じゃない!だから、言ったでしょ!」
だった。男の子は、慌てておろおろするだけだ。
本を取り戻したり、膝が痛いとうめいたりして大変な状況。
母親は、手を貸すでもなく、もういちど
「だから、言ったでしょ!」
と叫んだ。
そんな状況を可哀想にと思いながら、慌てて混乱する少年のことを固唾を呑んで
おもわず、遠くから見守ってしまった。
そして、ふと、自分もあの少年と同じではないか?と思い、遠くの空を見た。
天気予報は大切だ。
平日も外を歩く機会が多い自分は、明日の天気には
毎日、多少なりとも、神経質にならざるをえない。
NHK夜のニュース7で、つまらない政治や海外のニュースを我慢してやり過ごしながら
半井小絵が出てくるのを、じっと、期待度を上げて待っている。
明日のこまかい天気情報を聞き漏らすまいと身構える私に、何も気付かないように
液晶画面の向こうで、半井小絵が比較的タイトな服装でお天気の解説を始める。
体を少し前に傾けたり、上体を右や左によじりながらだ。
わたしの視線は、天気図の高気圧、低気圧、移動してくる前線などに
合わせられているのだが、しかし、問題なことに、半井の解説と自分の視線の先が
徐々にシンクロしなくなってくるのだ。
普段から比較的淡々と解説する半井が、これから、影響を及ぼすであろう雲の様子などを
強調して話しているのだが、私の視線は、すでに、その解説されている雲にはなく
右に左に揺れる半井の上半身に隆起している二つの山脈に釘付けなのだ。
「前線が広くおおって、明日は、関東から東北にかけて・・・・・」
東北って・・・・・・ん? かなり締め付けている服なのに、ずいぶんたわわだぞ
「午前中は、一部雷、関東南部でも、午後には・・・・・」
午後って明日の午後・・・・・・・・・うん?やっぱり大きいよなぁ?
「雷雲が発生しやすく、一部では、突風にも注意・・・・・」
突風に注意って?・・・・・・・・・・・・あのふるふるってふるえてる頂上の
突起みたいに見えるのは・・・まさか・・・ww
「今週から、来週にかけては、湿った空気が・・・・・」
湿った空気がって・・・・・・・・・・・・いや?、太って見えるだけか?
いやいやウエストとかは、あれで、結構細いよなぁ?
真ん中に、寄せてるのか? かなり、締め上がってるよなぁ?
「以上、気象情報でしたw」
Σ(゚ロ゚;) ん?
明日、関東南部は?雨?
傘必要なの? え? 何? !!( ; ロ)゚ ゚
あれぇ、どうなんのよ!? ... Σ(゚ω゚)明日の雨は? おい! ゴルァ!
えええぇ、聞き逃したぜぇい。どうすんのよ!?
工工エエェェ(´Д`)ェェエエ工工
というわけで、次の首都圏ニュース8:45まで、また天気予報を待たなくては
ならなくなり、せっかく天気予報を待っていたあの時間は何だったのだぁ?
と、激しく動揺せざるをえない。
この慌てた感じ・取り返しのつかない動揺に
あの少年が被っていた悲劇を重ねてしまったのだ。
彼は、だんだんと学習して、そんな間違いも減っていくだろう。
それに較べて、自分のこの失敗はかなりしばしば起こり、改善が難しいかもしれない。
子供を叱る時には、決して、本人が動揺し混乱をきたすような
叱り方は、いけないのだろう。それは、なんのプラスにもならないと思う。
叱られた子供が、自分でも、その原因をよく納得するように
諄々と諭さなければいけないのだろうなぁ。
Posted at 2009/08/08 18:12:06 | |
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