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初盆の法事すませた午後のひととき。


森の中の小さなお店。





玄関の土間からひときわ高い座敷に上がりこむ。


開け放たれた縁側の向こう側には深い緑色の森が広がっている。

木々の間を通り抜けてきた風は

昼寝をしている猫のひげを揺らすと

蚊取り線香のほのかな香りをまとって通り抜けていった。


お盆ということもあるのだろうか？

その空間はなんだかとても懐かしく

畳の上でおもわず横になって背伸びをしてしまいそうになる。


お店の方としばしお話をしたあと

妻は冷たい珈琲を、私は熱い珈琲をいただくことに。





キンキンに凍った竹のカップとストロー。

それにこれまた竹の中で凍らせた氷を入れて冷たい珈琲が注がれる。

一口いただいてみた。

アイスであるにもかかわらずコクがあり、甘みさえも感じられる

のどを通り過ぎたあとにはほのかな酸味と苦味がやさしく残り

さわやかな若竹の香りが鼻から抜けていった。


ひとのものばかりいただいていてはいけない、

さて、自分の熱い珈琲はというと

奥のほうからなにやら音が聞こえてきた。





覗かせてもらうと、竹のカップを切り出し中。

小刀で飲み口を整えると完成のようだ。

しばらく待っていると先程の出来たてのカップに注がれて珈琲が出てきた。





唇にあたる竹の感覚がなんともいえない。

竹の香りが強すぎるのでは？という思いが頭をよぎったが、その不安は一瞬で払拭されてしまった。

いただいた珈琲はお店の商品の中では深煎りの部類にはいるものようだが、竹の香りも手伝ってか一般的な深煎りとは似ても似つかないさわやかささえ感じられる。

のど越しはさらりとしていてその苦味、酸味も共に吸い込まれるようにのどに流れ込んでいく。

これはいくらでも飲めてしまいそうだ。

久しぶりに美味いかもと思える珈琲に出会えた気がした。

そしてこの竹のカップ。

見た目、香りにばかりめがいくが

断熱性が高く、もっても熱くないのに中身は冷えにくいと機能的にも優れているように感じた。

それからまたお店の方と珈琲の話、竹の話、たくさんの熱い話を聞かせていただき、気づけばだいぶ時間が過ぎてしまっていた。

竹製のカップとストローをお土産にいただき、珈琲もいくつか分けていただいてお店をあとに。



そういえば、お店の中の色の使い方、わがロードスターとどこか似ていた。。。。





特に予定はなかったのでそのままあてもなく車を走らせる。






とある学校跡のかつては校庭であったろう場所で車を停めた。





gallery 野月舎


廃校というにはその建物はまだまだ新しい感じがした。



管理の方であろうか？芝生に水をまいている。

夕方だったためか、お盆だったためか、扉は閉まったままであった。


陽もだいぶ傾いてきたのでそろそろ帰路に


いくらか走った頃

助手席の妻がカメラを手に

「ここ、いいんじゃない？」




畑の中の直線

目の前には遠く青い野間岳が




そうだね、

車を停めカメラを手にすると

ダッシュ！





３０ｍも走っていないのに息があがる。

汗だくになりなが車にもどるとクーラー全開でまた走り出した。








そして






海。


うだるような暑さの中

寝不足にもかかわらず

一日付き合ってくれた妻に


ありがとう。



※ご主人に許可をいただきましたのでお店の紹介です
竹の専門店　bamboo
熱い情熱があなたの心の奥に眠っている何かに火をつけてくれるかもしれません。