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イイね!
2014年11月08日

ニコン D800についての所感

以下、カメラの話が長々と続くのでご注意ください。(笑)


今、自分が持っているニコンのデジイチD800について、つらつらと書いてみたいと思います。
もし、購入を検討している人がいましたら参考までに・・・。


D800は後継のD810が出て型落ちではありますが、ニコンのラインナップの中ではD一桁機に次ぐ位置付けの機種でした。
ローパスフィルター(以下LPF)付きのD800と同機能をキャンセルしている(無いわけでない)D800Eが同時にラインナップされていました。


以下脱線ですが、
自分が思うに、これは「LPFを無くしても商品として成り立つか?」という、ニコンの市場実験だったんでしょうね。
もちろん開発段階の色々な検証の中で「いけそうだ」という判断はあったのでしょうが、時間も場所も予算も限られた中で、市場のあらゆるシチュエーションを検証するのは無理です。
「じゃあユーザーに検証してもらえばいいじゃない!」と、手堅いD800とチャレンジングなD800Eを用意して、Eを買ったユーザーから非難の声が多く上がったら、「あ、やっぱりLPFは必要なのね〜。ユーザーさん貴重なご意見ありがとっ♪」ってなったと思います。

結果的にはそうならず、少なくともフルサイズ3600万画素の画素ピッチがあればLPF無しでも行ける、という確信を得て、APS-C2400万画素のD7100を皮切りに、D5300、D3300を全てLPFレスで発売し、フルサイズのD810もLPFレスのみになりました。

ちなみに、画質を向上させる為にLPFを無くしたわけではありません。
必要無くなったので無くしただけで、コンデジは昔からLPFは付いていません。
「レンズの解像度>受光センサの解像度」の場合、モアレや偽色等の問題が発生するので、LPFを使って光の解像度をセンサの解像度に合うように落として(ぼかして)から、センサに受光させていました。
それがセンサの画素数が増えてきて「レンズの解像度<センサの解像度」となったため(画像処理エンジンの進歩もあるでしょうが)、LPFが無くてもモアレや偽色が発生しにくくなったです。
なので、フルサイズ1600万画素のD4sや2400万画素のD610、D750は画素ピッチがそこまで密ではないのでPLFが付いています。

先ほどコンデジにはLPFが無いと書きましたが、35mmやAPS−Cの受光センサに比べ圧倒的に小さい面積の受光センサに1000万画素超の画素を詰め込んでいるので、画素ピッチはデジイチの比ではないくらい密で、レンズの解像度を上回っているからです。

脱線終わり。



自分が買ったのはLPF有りのD800でして、理由はこっちの方が安かったからです。(笑)

自分が重視している被写体は新幹線や飛行機といった動体で、しかも夜間撮影もしたいという、なかなか難儀なもので、「これらを満足に行うには?」という問いの答えは一つしか無く、D一桁機を買う以外にありません。
ですが、あまりに高額なので貧乏リーマンには簡単に手を出せるものではなく、それに次ぐ動体追尾性能を持ったAFユニットを搭載したカメラはD800しか選択肢がなかったのです。

これは巷の評判とは異なる自分だけの認識とお断りしておきますが、ニコンのラインナップの中で、D800はD一桁機に次ぐ動体撮影機ということ。
たとえ8コマ/秒の連写ができても、AFの追尾性能が悪く歩留まりが50%しかなかったら、4コマ/秒で100%撮れる機種と結果的には変わりません。
もちろん、8コマ/秒で100%撮れる方が良いに決まっているので、4コマ/秒のD800の不満点の一つですけどね。
4コマ/秒と5コマ/秒は体感的にかなり違うので、D810が羨ましく感じるところです。


高感度性能でいえば、DfやD610の方が綺麗に撮れるのですが、これらはD7000と同じAFユニットを使用していて、そのD7000では暗所で動体にピントが合わないという不満からの買い換え検討でしたので、選択肢としては上がりませんでした。
そもそもピントが合わなければ高感度性能も連写性能も生かされません。

そうは言っても高感度が弱いのは事実でして、フルサイズならではの高感度性能はD800には無いです。
それまで使っていたD5100やD7000よりは少し良好ですけどね。
特に、高感度でもディティールがしっかり残っているのが違います。
また、3600万画素もあるので鑑賞時はかなり縮小表示させる事になり、それがノイズ軽減に繋がるので、等倍で見た時のノイズ評価だけでは測れない部分もあります。


ちなみに、D5100とD7000に積まれていたAPS-C1600万画素センサと、フルサイズであるD800の3600万画素センサには面白い関係性がありまして、APS−C1600万画素の画素ピッチを保ったままフルサイズまで面積を大きくすると、だいたい3600万画素になるんです。
逆に、D800で撮った写真をAPS-Cまでトリミングしてやると、D7000やD5100で撮った写真とほぼ同じ画素数になります。

ここが高画素機であるD800の良いところでして、望遠に強いAPS-C機を用意しなくても、APS-Cサイズにトリミングしてやれば(DXクロップという機能)、それと同じことになるんですよね。
もちろん、最近の2400万画素機の高精細には負けるんでしょうが、1600万画素でも不満はありませんでしたので。

さらに、APS-C的使用方法について書けば、連写性能が4コマ/秒と遅いD800ですが、x1.2クロップかDXクロップすると5コマ/秒、DXクロップした上でバッテリーグリップを付けると6コマ/秒まで連写速度が上がって、これはD7000やD7100の6コマ/秒に肉薄ないし同等となります。
バッファ容量はD800の方が大きいので、バッファ・フルになって涙をのむ事は少なくなり、これらの事もD800を動体撮影機とする理由です。

つまり何を言いたいのかと言いますと、広角や中望遠〜望遠は高精細なフルサイズ機として使え、APS-C機の方が有利となってくる超望遠域でも、DXクロップ機能によってAPS-C1600万画素機の代用が効く、とても便利なカメラということです。
ただ、高感度だけはごめんなさいね…と。


焦点距離の話が出ましたので少しその話をしますと、よく35mm相当で○○mmという書き方がされます。
これは35mmフィルムカメラを基準にしてレンズの焦点距離が設定されているためで、あるレンズを使用した場合、フルサイズならそのまま、APS-Cは1.5倍(キャノンは1.6倍)の焦点距離に読み替えてやる必要があり(望遠側にシフトする)、APS-Cが望遠に強いと言われるのもこのためです。
正確には、より安価に焦点距離を稼げるということでしょうかね。

ただ注意が必要なのが、あえて「相当」と書かせて頂いたように、「そのもの」ではないことです。
たしかに写る範囲は同じになるのですが、被写界深度はセンササイズが大きい程薄くなります。(=ボケ易い)
これは単に、フルサイズとAPS-Cで同じ画角の写真を撮ろうとすると、フルサイズは長焦点距離のレンズを使うか、被写体に近づく必要がある為で(相対的に背景までの距離が遠くなる)、どちらにせよピントが合っている部分以外のボケが助長されます。
自分の撮影シーンのなかで話をすれば、青空バックの飛行機撮影では、背景のボケなどは関係ありませんので、まさにAPS-C機が有利と言えます。
鉄道撮影では、奥行きが出てきますので、一概にAPS-Cが有利とは言えないですね。
編成の後ろをぼかす撮り方をする場合ではフルサイズの方が適しています。

また、暗い所でシャッタースピードを稼ぎたい場合、通常はf値の小さいレンズを使って絞りを開けて撮るわけですが、フルサイズは極端に被写界深度が薄くなるので、パンフォーカスしたくても不可能です。
世間では「ボケる方が良い」傾向にありますが、広い範囲にピントを合わせたい場合はセンササイズの小さいカメラの方が適しているでしょうね。



最後にD800の仕様で一番目を引く3600万画素についてですが、自分の用途では確かにここまでの画素数は必要ありません。
上で書いたようにAFユニット目当てでD800を買ったので、結果的に3600万画素になってしまったという感じです。
ただ、風景等を撮ると、遠景の葉っぱ1枚1枚まで写っていたりするので、さすが3600万画素は凄いな〜と思います。
また、飛んでる飛行機を撮とると、ビスやリベット一つ、機体に書かれている注意事項まで読めちゃうので、拡大して見るのは楽しいですね。


データサイズは予想通り大きく、ニコン純正のView NXやCapture NX-Dといった画像処理ソフトは、自分が使っているMac book airでは重くて使い勝手は悪いです。(特にCapture NX-Dは重過ぎて使えません)
Light room5を導入してからは不満が無い程度に軽快に動きますので、今では特にネガにとは感じていませんけどね。

ただ、SDカードは転送速度が速くないと厳しいです。
D800はCFカードとSDカードのダブルスロットで、自分は安価なSDカードしか使っていないのですが、それまでD7000等で使っていた転送速度30MB/sのSDカードでは、速度が遅過ぎて書き込み待ちでイライラします。
45MB/sの物にしたらかなり軽快になりましたので、今ではそれをメインで使っています。(自分は12bit ロスレス圧縮RAWを常用しています)
本当は90MB/sくらいのを使うといいのかもしれませんが、いかんせん高価ですので・・・。


あと、巷には「D800は高画素故にブレやすい、スナップには使えない、三脚必須」などと触れ回っている人も居ますが、鵜呑みにしないで下さい。(笑)
例えば、2つの同じカメラボディーを用意して、一方に1600万画素、もう一方に3600万画素のセンサを積んで、同じレンズを使って、同じ被写体を同じ距離から撮って、ブレ具合が変わると思いますか?
そんなのは画素数とは全く無関係な話です。
高画素故に、等倍まで拡大してみた時にブレが目立ち易いというだけです。
同じサイズにプリントして見たら、ブレ具合は変わりません。
自分は海外旅行に持って行ってスナップ写真撮りましたし、500mmの超望遠レンズを手持ちで使っています。
高画素だから気軽に使えない、なんて事は決してありませんのでご安心を。


というわけで、だらだらと長文失礼致しました。
最後までお付き合い頂いた方、ありがとうございました。
D800の良いところ、悪いところを書きましたが、総じて良いカメラだと思っています。
ただ、「高価で良いカメラを使っても、良い写真が撮れるわけではない」事は、私自身が体現していますので、なかなか難しいところですね。(涙)
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Posted at 2014/11/08 14:09:58

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この記事へのコメント

2014年11月8日 17:45
こんばんは。

自分には難しいながらも、勉強になる楽しい内容です!
コメントへの返答
2014年11月8日 19:46
ありがとうございます♪

理系人間ですので、どうしても理屈っぽくなってしまいます。(笑)

プロフィール

生まれも育ちも愛知ですが、今は勤務先の静岡に住んでます。 フォレスターを2台 8年乗った後、憧れだった3シリーズ ツーリングのオーナーになりました。 ...
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