
今手持ちのマフラーはどちらも中間及びメインサイレンサー部分にパイプを突っ込んでフルストレート加工しています。
写真下:HKS スーパーターボマフラー BNR34用ベース
写真上:柿本改 Kakimoto-R ベース
つまりどちらも直管マフラーです。
なのに体感する音はかなり違う。
HKS:低周波が抑えられて軽い感じ(良く言えば高音質 悪く言えば細い音)
柿本:低周波がしっかりしてて重い感じ(良く言えば迫力がある。 悪く言えばごく一般的な社外マフラーって感じ)
ちなみにHKS スーパーターボマフラーのうたい文句は
「車内・車外共に徹底した音量・周波数分析を実施。車内は会話を妨げない音量、車外では近隣にも配慮した音量とし、さらに、低周波を重点的に消音する事により、車内のコモリ音と車外への音の響きを抑えました。」
だそうで、じゃあこの違いは数値的にも本当にそうなのかををマフラー音を録音し自分も周波数分析(FFT)を実施しデータ取りしてみた。
どちらも6000rpmでサンプリングしました。
6000rpm 4サイクルエンジンの6気筒の場合、エンジンの起爆回数は300回/s(6000/2*6/60)
であるから300Hzが起爆1次成分であり、600Hz 900Hz 1200Hz 1500Hz とその2次、3次、4次・・・と倍音成分が現れる。
音階的にはレ(D)に近い音の5オクターブ上成分くらいまでがきれいに出ている感じ。
(この辺は等長マニ効果かな?)
いざしかし、柿本とHKSで大きく違うのは、柿本は全体の中で1次成分が一番大きいのに対し、HKSは2次成分が大きい。
※録音するときの音量設定を変えてしまっているため、db値は単純に比較できなく、1次成分自体のdb値がどちらが大きいのかは不明だが、HKSが言う低周波を重点的に消音というのはあながち間違ってなさそう。
ではこの違いは何に起因しているかを考察してみる。
仕事でも、機械メーカーの開発部門内で応力解析や油や空気の流れをコンピューターシミュレーションする部署で仕事してるのでその辺の経験も活かしながら。
とりあえずマフラー本体の固有値の違いを考えてみる
マフラー材質はどちらもSUS304で同じ。
パイプ仕様
HKS:外径85mm 内径82mm 板厚1.5mm
柿本:外径80mm 内径77mm 板厚1.5mm
車体レイアウトに制限があるため配管レイアウトはどちらもほぼ一緒である。
固有値は1/2π√(k/m)で求められるが、質量も剛性もほとんど変わらないため固有値もほとんど変わらないと考えられる。
ためしに配管レイアウトは一緒とし、パイプ径の違いによる固有値の相対的変化を解析で求めてみたがやはり3%も変わらない。
(SUS304 質量密度:ρ=7.93e-6kg/mm^3 縦弾性係数:E=193GPa ポアゾン比:0.3 触媒後面を完全固定。マフラーハンガーとメインタイコ重量は同じと仮定し簡略化のため無視。純粋にパイプ径の違いのみを相対比較。)
としたときにHKSにあって柿本に無い物が一つある。
それが、スリッドテールでHKS曰く、「テールに設けたインナースリット形状により消音効果があり、その形状はフクロウの羽からヒントを得ています。羽音を立てず飛行する事ができるフクロウの羽は他の鳥類の羽とは違い羽の先がノコギリのようにギザギザとした形状をしており、そこから適度な空気を逃がすことにより空気の摩擦振動を抑え消音しています。それと同様にマフラーテール内部にスリットを設ける事により約2dBの消音効果を得ています。」
だそうで、自分の検証の結果は、低周波を消音したければHKS スーパーターボマフラーのスリッドテールが効果的であるという結論に達したわけでございます。
結局自分は、柿本の音と見た目が好きでHKSは2軍選手になってるけど、低周波をメインに消音して軽い音を出したい方には HKS スーパーターボマフラーがとてもオススメ。
Posted at 2016/04/17 20:51:27 | |
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