
昨日、ブータンのワンチュク国王夫妻が帰国しました。
熱烈な親日ぶりと大変美しい王妃と、
ずいぶん熱心にあちこち周っていたなあと
感心したのですが、肝心のブータンという国について
僕は何も知らないことに気付き、今更ながら
ウィキやら立ち読みやらで調べてみました。
すると色んな事情が段々見えてきました。
まず、ブータンという国、世界地図をいきなり見ても
探すのに一苦労です。
中国とインドにはさまれたヒマラヤ山脈の南側にある
人口わずか70万人ほどの小さな国です。
チベット無き今、世界で唯一ラマ教を信仰しており、
2008年にようやく憲法を制定して近代的な
立憲君主制となりました。
切手マニアの皆さんには昔から珍しい記念切手を
よく発行する国として知られていたみたいです。
中国とインドという、大国にはさまれてよくもまあ
今まで独立を保ってこられたと思ったのですが、
不仲の両大国の間で、緩衝地帯とみなされていた
のが結果として幸いしたわけですね。
一応、一万人程度の軍隊は持っているのですが、
警察に毛の生えた程度の装備しかなく、
中国とインドから見れば全く脅威でないことも
容易に想像がつきます。
さて、そんなブータンですが国民の幸福度が
世界一高いという興味深いデータがあります。
かの国の皆さんには失礼ですが
気候は厳しく、ろくな農作物も採れず、
大した産業もなく当然お金もないブータン国民は
どうして自分は幸せだと考えているのでしょう?
一つは宗教でしょうか。
ラマ教は秘密が多いのですが、ごくごく
大雑把に言って、この世は死後、極楽浄土に行くための
修行の場と考えます。
そう思えば身に降りかかる艱難辛苦も、
有難くて涙が出てくるのでしょう。
先ほどろくな産業が無いと言いましたが
最大の産業はヒマラヤの雪解け水を利用した水力発電です。
これは国内需要では有り余るほど豊富な発電力で、
経済発展著しいお隣インドへの電力輸出が
一番の収入源となっています。
歴史を見ればかつてのお隣チベットは中国に蹂躙されたのに
自分達は状況に恵まれて生き延びている・・・
そうした状況を見ていると、なんだか「幸福」の理由も段々
納得できてきました。
そして日本との関係、
震災直後、ブータンから我が国へ100万ドル、つまり約1億円の義援金が
送られました。報道ではそれがやたら強調されてますが・・・
昨年までの累計で、日本はブータンに300億円の無償援助、
134億円相当の技術協力を行っているのです!
中国やインドのように軍事的な圧力もなく、ちょっと頼めば
ジャンジャンお金をくれて道路でも橋でも学校でも病院でも
作ってくれる国・・・
これじゃあニッポン大好きニッポンバンザイ!
僕が王様だっていくらでも愛想ふりまきに行きますよそりゃあ。
そして毎度のことながら呆れるマスコミ共のブータン礼賛・・・
みんなが幸せ、日本とは大違い。
水力発電だけのエコな国、日本も見習わなきゃ云々。
その他もろもろetc・・・
北朝鮮だって、マイク向けりゃあ幸せだって答えますよ。
人口70万人、痩せた畑耕してお祈りして暮らして
製鉄所も自動車工場も通勤電車も無けりゃ
余裕で賄えますってえの。
いや、別に僕はブータンの悪口言ってるんじゃないんです。
要するに、ブータンと日本では置かれてる状況が違いすぎるんです。
だから、お手本にはとうていならないんですよ。
じゃあ欧米諸国はお手本になるか・・・
かつて日本は明治時代、法律や行政システムをドイツ、
産業や交通システムをイギリスをお手本として取り入れました。
自動車の左側通行などはその名残です。
しかし今、欧米諸国はどうでしょう?
アメリカでは反政府デモが叫ばれ、
ヨーロッパでは経済危機が叫ばれています。
中国や韓国は、論外でしょう。
もはや日本には海外からお手本にされることはあっても
お手本にすべき相手はいないと思います。
だからと言って僕は決して日本が何でも一番、世界一
だなどとは思ってもいません。
お手本がない以上、自分の頭で考え、時には意見を
ぶつけ合い、これでいいのか悩みながらも前進していく
より他ないと思うんです。
いたずらな外国追従はやめましょう。
それからブータンは全国禁煙なので
僕には移住不可能です。
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パパ日記 | 暮らし/家族
Posted at
2011/11/22 00:34:09