私は、早く今の仕事を辞めて、流しのピアノ語りとライター(ノンフィクション作家)
で生計を建てる予定である。
突然ではあるが、今日は、私の面白い友達の話を書こうと思う。書こうと思った。
ちなみにノンフィクション、事実の話で。
この友達は、O竹(おータケ(仮名)といって、中学校から私が地元を離れ
出稼ぎに出る、21歳ころまで、よく連れションしたやつである。
O竹は、やっぱし教科書的なお勉強はぜんぜんだめで、高校受験に失敗し、
合格発表で落ちたのが解ったやいなや、みょーに
ハイテンションになり、「俺はアメリカに行く!」と豪語したまではよかったが、
結局、行き方が解らず、イトーヨーカドーで星条旗の入ったTシャツをかっぱらった
後、木工職人へなった。
職人になってからは、塗装やら艶出しやらで有機溶剤に無理やりさらされる日常
のため、かなり脳ミソがとろけているのだった。
O竹は、まじな話、右と左の区別がよく解らないらしく、二人で車に乗って
助手席で道案内をしてて、「次の交差点右に曲がって~」って言おうものなら、
口が半開きになって、「あ゛・・・」と言いながら、真っ直ぐつっきってしまう、
おちゃめさんなやつだ。
かれこれ、10数年前のことであるが、
O竹は、車の免許を奇跡的に取ることができ、俺達は夜な夜な埠頭の広場で車を
振り回して、ド0フトの真似事をしていた。その埠頭は、北海道の貿易港でかなり大きく、
ロシアやらマレーシアやらの貨物船が停泊していた。
深夜に船の横で、夜な夜な車が爆音たてるもんだから、船で寝泊りする船員が、
怒りだして、車を襲撃する事件があったと、噂には聞いていたのだった。
その夜も岸壁にロシア船が停泊していた。
俺達はいつものように、埠頭でキーキー振り回して、ブリジストンは
スキール音がいまいちだね~とか、遊んでいたら、ハイビームの中に
突っ込んでくる、大男が突然現れたのだった。
やばい・・・
かんぜんにびびっちまったO竹が車を止めた瞬間、身の丈2m 重量120kg
位の酒瓶を持ったロシア人が、俺達の車に通せんぼをしたのである。
通せんぼをしたのである。
あまりにもおっかない、おっさんの出現に、俺達は凍りついてしまって・・・
次の瞬間、ロシアのおっさんは、運転席のドアを外から開けようとしたのさ・・
俺 :「ドアローックしろ~!!」
O竹:「あ゛・・・」
そして、ドアが開けられてしまった。
酒瓶片手に、怒り狂ったロシアのおっさんは、怒鳴りちらしはじめ、
パニクったO竹は、腹の底から声を絞り出して・・・
「ソーリー」って。
「ソーリー」って言ったのさ。
ああ、死んだ。俺達死んだ。
ロシアの血走ったおっさんに向かって、ソーリーって・・・
長年の付き合いで、O竹の扱いに長けている私は、彼が主語と動詞から成る
日本語が苦手なことを重々承知していた。つまり、「右に曲がれって」言うと、
彼は混乱する。
「右っ!」って言うと、得意げな顔で交差点を曲がるのさ。
おちゃめさん。
O竹がロシアに胸倉捕まれた瞬間、私は助手席から、
「アクセルっ!!!」
って叫んで、ミッションを1速に叩き込んだ。そう、ガリガリ言うミッション
を叩き込んだのさ。
次の瞬間、
O竹の180SXは、レブリミット叩きながら、白煙を上げて、
ロシアのスペズナツから逃げ切ったのだ・・・・
わっひゃひゃひゃ!
英語知らんO竹が、ロシアのおっさんに「ソーリー」って。
ソーリー って。
O竹、このブログを見ていたら、連絡よこせ。
山盛りピロシキを食わせちゃる。笑。
なんだかんだで、人生、OK牧場だな。
さて、鼻毛切って、寝るか・・・
Posted at 2010/06/03 22:32:22 | |
トラックバック(0) |
ノンフィクション小説 | 日記