メメント・モリ

―メメント・モリ―
ラテン語で「己がいつか死を迎えることを忘れるな」の意。
日本では、しばしば「死を思え」と意訳される。
・・・などと、大仰な書き出しで始まりましたが
ブログの本筋とは一切関係ございません。

さて、時を遡ること８年。大学生当時
四六時中、常につるんでいた友人(♂)がいた。
一説によると、あまりにつるみすぎて
ホモ疑惑がささやかれていたらしいのだが
まぁ、それはそれとして。

ある日、そんな彼含め、友人数人でカラオケに行くことになった。
はじめは各々好きな歌を唄っていたのであるが
ひとりがミスチルの歌を入れたことから、なぜかミスチル歌合戦の様相を呈することに。

ひとりが“イノセントワールド”を唄えば、ひとりは“Tomorrow never knows”を唄い
また別のひとりが“名もなき詩”を唄い、またまた別のひとりが“CROSS ROAD”をかぶせてくる。
そんな中、例のホモ 彼が“花 -Mémento-Mori-”を入れ、そしてこう言ったのだ。
　　「オレこの歌一番好きなんだよね。花、モモント・メリ」

友人たちは誰一人気付かなかったが、私は聞き逃さなかった。
彼がメメント・モリを“モモント・メリ”と言い間違えたことを。
その刹那、私の中でひとつの決意が生まれる。
よし、今日からこいつのアダ名は
“モモント＝メリ”だ　と。


明けて翌日。例によって大学のキャンパスで再会するわけであるが
　　メリ　「おーす　おつかれー」
　　ナベ　「おう　モモント・メリー　おつかれー」
はぁ？　と、怪訝な顔をするモモント氏。
その顔はまるで「それを言うならメメント・モリだろ」とでも言いたげだったが
折角だから教えてやろう。それは昨晩、他ならぬおまえが口走った単語なんだぜ。

それから数日間は
　　ナベ　「おーい、モモントー」　(CV：佐藤聡美)
　　メリ　「モモントって言うな！」　(CV：日笠陽子)
　　友人ズ　｢モモントって何？｣　(CV：豊崎愛生・寿美菜子)
　　メリ　｢知らなくて良い！｣　(CV：日笠陽子)
友人たちの輪の中でこんなやり取りが続くわけであるが
あまりに私がしつこかったせいで、モモントは激怒した。
必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した　・・・かどうかは知らん。

それにもかかわらず、モモントと呼び続ける私。
ついに返事をよこさなくなるモモント氏。
へんじがない、ただのモモントのようだ。


まぁ、その後の彼は私がモモントと呼び続けたことが功を奏し(？)
可愛い後輩(♀)から｢モモントせんぱぁーい｣　(CV：竹達彩奈)　と呼ばれるなど
何気にリア充への階段を着実にのぼり始め、ついには大学を卒業したのちすぐに後輩と結婚し
いまは警察官として愛媛県松山市のどこかで今日も街の平和を守っている。

かたや私。
お客にペコペコし、上司に叱咤され、後輩君にはdisられ、家に帰ればただのオタク。
モモントと鍋本舗、何処で差がついたのか(ry

おい、モモント＝メリよ。
ちっとは名付け親の俺にも
幸せを分けてくれてもいいじゃないか。

などと　久しぶりにミスチルのCDを聴きながら、思うのである。