井の頭線の3000系を作り終えて・・ところで置き換わった1000系っていったいどんな電車なんだろうか?
そういえば今年の3月から井の頭線では試験編成を使って自動運転の実証実験をはじめているんですよね。
さらに京王本線では笹塚駅~仙川駅間の高架化工事が進んでいたりして京王線にちょっと興味が沸いてしまいました。
ついでにもうひとつ、手持ちが古い型式の車両ばかりで新しい車両ってまったくと言っていいほど無いんですよね~
そこで、ここはひとつ最近の鉄道会社の傾向の勉強も兼ねて京王電鉄1000系を入手してみました。
入手したのはコチラ。
3000系に続いて今回はライトブルー色とオレンジベージュ色の先頭車+中間車を各1箱ずつ新製して4両編成にします。
さらに開封したらビックリです。
こちらの箱には前期形と後期形のボディパーツが両方とも入っているんですね!
とりあえずオレンジベージュ色は前期形のコルゲート付きボディを選択しました。
さらにライトブルー色の編成は後期形を選択して車両のバラエティーを楽しむことにしました。
前期形と後期形と違った前面が入っているのでこれはいろいろと選択出来て楽しいですね。
相変わらずサクっと組立ててしまえばあとはデカールを貼り付けるだけであっという間に完成です。
おぉ!同じ1000系ですがかなり印象が変わりますね。
さらにすでに地方でも引退が進んでいる3000系と並べて往年の井の頭線を思い出しましょう。
今回の制作車両は前期形の13編成(1113+1763)と後期形の21編成(1721+1021)の混結編成にしました。
←吉祥寺 渋谷→
13編成:1713+1013+1063+1113+1763
21編成:1721+1021+1071+1121+1771
それでは現在運行している1000系車両の紹介です。
=京王電鉄(1000系)諸元=
製造所:東急車輛製造・日本車輛製造
製造年:1995年(平成7年)~2010年(平成22年)
製造数:5両編成29本 145両
運用開始:1996年1月(平成8年)
編成:5両編成(2M3T→3M2T)※登場時は2M3Tだったんですね。
軌間:1,067mm(狭軌)
電気方式:直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度:90km/h
設計最高速度:110km/h
起動加速度:2.6km/h/s(1070F以前)、3.3km/h/s(1071F以降)※起動加速度も変更されています。
減速度(常用):3.7km/h/s
減速度(非常):4.0km/h/s
全長:20,000mm
全幅:2,810mm
全高:4,045mm(1次車)、4,056.5mm(2・3次車)
車体:ステンレス鋼
台車:軸梁式ボルスターレス台車(TS-1014・TS-1015)
主電動機:かご形三相誘導電動機
主電動機出力:180kw(4次車以前)、160kw(5次車以降)
駆動方式:WN平行カルダン駆動
歯車比:7.07
制御方式:VVVFインバータ制御
制動装置:回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置:京王形ATS
=車両導入の経緯=
井の頭線の輸送力増強の切り札として今までの18m級車両を置換えて、初の20m級車両として導入しています。
先頭車は3000系の更新車と同じパノラミックウインドウを採用して前面視界が広いんですね。
前面の色分けも引き続きパステルカラー(7色:レインボーカラー)になっているのですっかり井の頭線の伝統になっています。
従来の前面非貫通から一新して助手席側には非常用貫通路を設置しています。
=車両の特徴=
オールステンレス車体を採用した20m級、片側4扉、オールロングシートの通勤型電車です。
3000系同様に裾絞りで外板は1715Fの4次車(15編成)までビードプレス付きになっています。
井の頭線初のワンハンドル式主幹制御器を採用、また京王初の電子警音を装備しています。
1710F(10編成)までは低運転台構造で1711F(11編成)以降は145mm高くなった高運転台構造になっているんですね。
=編成表=
着色された前面FRPのパステルカラー(7色)で分類されています。※数字は編成番号
・ブルーグリーン :01・08・15・22・29
・アイボリーホワイト:02・09・-・23・30
・サーモンピンク :03・10・-・24・31
・ライトグリーン :04・11・-・25・32
・バイオレット :05・12・-・26・33
・オレンジベージュ :06・13・-・27・34
・ライトブルー :07・14・21・28
※第21編成以降はベージュの色が明度不足であることからオレンジベージュに変更されています。
第06・13編成ものちにオレンジベージュに変更されています。
=各編成の経歴=
登場時に最新型の情報装置やIGBTインバータ装置が搭載されています。
*1・2次車
登場時の2M3Tは雨天時の空転・滑走が多発したのでセラジェット噴射装置を搭載して対応していたんですね。
その後、リニューアル時に3M2T化を行って中間車のサハ1500が電装化されてデハ1050に改番されています。
←吉祥寺 渋谷→
・1751+1101+1051+1001+1701:1995年(平成7年)東急車輛製造(東洋電機GTO→IGBT化)
・1752+1102+1052+1002+1702:1995年(平成7年)東急車輛製造(日立IGBT→東洋電機IGBT)
・1753+1103+1053+1003+1703:1996年(平成8年)東急車輛製造(東洋電機GTO→IGBT化)
・1754+1104+1054+1004+1704:1996年(平成8年)東急車輛製造(日立IGBT→東洋電機IGBT)
・1755+1105+1055+1005+1705:1996年(平成8年)日本車輛製造(東洋電機GTO→IGBT化)
・1756+1106+1056+1006+1706:1997年(平成9年)日本車輛製造(日立IGBT→東洋電機IGBT)
・1757+1107+1057+1007+1707:1997年(平成9年)東急車輛製造(東洋電機GTO→IGBT化)
・1758+1108+1058+1008+1708:1998年(平成10年)日本車輛製造(日立IGBT→東洋電機IGBT)
・1759+1109+1059+1009+1709:1998年(平成10年)東急車輛製造(東洋電機GTO→IGBT化)
・1760+1110+1060+1010+1710:1998年(平成10年)東急車輛製造(日立IGBT→東洋電機IGBT)
*3・4次車
制御車には滑空防止装置を装着して車輪のフラット防止と停止距離の短縮を狙っているんですね。
・1761+1111+1061+1011+1711:2003年(平成15年)東急車輛製造(東洋電機IGBTを更新)
・1762+1112+1062+1012+1712:2004年(平成16年)東急車輛製造(東洋電機IGBTを更新)
・1763+1113+1063+1013+1713:2004年(平成16年)東急車輛製造(東洋電機IGBTを更新)
・1764+1114+1064+1014+1714:2004年(平成16年)東急車輛製造(東洋電機IGBTを更新)
・1765+1115+1065+1015+1715:2004年(平成16年)東急車輛製造(東洋電機IGBTを更新)
*5・6次車
日立製作所製の高機能型のATI-M&S装置「車両情報制御装置」を搭載しています。
連結面貫通路を800mmから910mmに拡幅、一部省略していた連結間の扉はすべて設置しました。
先頭車前面の行先表示部分が車体と一体化してフルカラーのLED化され、車体の外板もビードレス化されました。
・1771+1121+1071+1021+1721:2008年(平成20年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1772+1122+1072+1022+1722:2008年(平成20年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1773+1123+1073+1023+1723:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1774+1124+1074+1024+1724:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1775+1125+1075+1025+1725:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1776+1126+1076+1026+1726:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1777+1127+1077+1027+1727:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1778+1128+1078+1028+1728:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1779+1129+1079+1029+1729:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1780+1130+1080+1030+1730:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1781+1131+1081+1031+1731:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1782+1132+1082+1032+1732:2009年(平成21年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1783+1133+1083+1033+1733:2010年(平成22年)東急車輛製造(日立IGBT)
・1784+1134+1084+1034+1734:2010年(平成22年)東急車輛製造(日立IGBT)
=まとめ=
現在、各鉄道会社では支線等を利用した自動運転の実証実験が行われています。
特に京王電鉄では井の頭線の全線で実証実験を行ってデータの蓄積を重ね本線への導入を検討しているようですね。
井の頭線では普通電車の他に急行電車も運転されているので、将来的にかなりの貴重なデータが収集出来ているようです。
ところで世界的な列車の自動運転ですが、すでに2003年(平成15年)シンガポールのMRT北東線(現在では全線)では世界初の無人化運転が行われていますし、現在ではドバイメトロ・クアラルンプール・香港地下鉄・パリのメトロ(一部路線)でも完全無人運転が行われているんですよね。
すでに実証実験が開始されている京王井の頭線では出発制御や駅間走行制御、定位置停止制御(TASC)が備えられてブレーキ制御機能も従来の7段階から28段階に変更されてよりきめ細かいブレーキ操作を実現して停止精度と乗り心地の向上を図っています。
走行制御では先行列車との間隔や曲線、分岐、上り下りの勾配、停車駅などさまざまな条件に適正な速度で走行するようにきめ細かく制御する自動列車制御装置(ATC)を搭載しているんですね。
また緊急時の対応として通過駅強制停止ボタンも備えています。
これは万が一の車内トラブルでも乗務員が操作することで、最寄り駅に自動的に定位置に停車出来るようになっているんですね。本当にこのあたりの対応がきめ細かくてすごいですね。
京王電鉄のニュースリリーフによると井の頭線が2020年代の中頃、本線が2030年代前半には全駅にホームドアを設置する予定との事で、自動運転化工事は井の頭線が2020年代後半、本線が2030年代後半には完了予定となっています。
京王電鉄は大手私鉄の中ではいち早く2012年(平成24年)に全営業車両のVVVF化を達成しているんですよね。
来年の2026年初めには京王本線で新型車両の2000系のデビューも決まっています。
現在、高架化工事が行われている京王線笹塚駅~仙川駅間(7.2km)も2030年度末には完成予定ですから、これからはホームドア設置後の本格的な自動運転が一気に進むことになりそうですね。






