ようやく入手することが出来ました!
国鉄最後の特急形電車として人気があったのが、この直流特急型電車185系ですね。
やっぱり185系と言えば、有名なのは特急の「踊り子」号ですよね。
そもそも東海道本線の153系置換え用として投入された0番台。
また、高崎線の165系置換え用として投入された200番台。
当時はどちらにしても普通か快速レベルの車内装備なのに、なんで特急電車にしちゃったのかな?なんて思っていました。
それでも末期には車内がリニューアルされたり、車体のカラーリングで人気が出たんですよね。
特にあの斜めストライプなカラーのBトレは人気あって、未だに高額なプレミアム価格になっちゃっているんですよ。
まぁ、国鉄型と言えばこの185系と関西地区で活躍した新快速用の117系が並んで人気な車種ですから仕方ないんですけどね。
やはりそこはカラーリングにさえ拘らなければ、そこそこのお買い得な出品があったのでリサーチはしていました。
そして今回ゲット出来た車両は上毛三山仕様(黄・グレー・赤のブロック模様)の185系200番台になります。
もちろんこのカラーリングになったのはリニューアル工事後なんですけどね。
さて、届いた8両の車番はこちらになります。
・クハ185-202、クハ185-302
・サロ185-202、サロ185-213
・モハ185-203+モハ184-203
・モハ185-204+モハ184-204
ちょっと、調べて見たら新前橋電車区にいたS203+S204編成+サロ(185-213)でした。
その後、田町電車区所属のOM02編成になっています。
しかしなんと!パンタグラフがNゲージ仕様に交換されていたのでやはり前オーナーの思い入れを感じますね。
それでは2両ずつ工場に入場してバラしましょう!
作業内容はいつものバリ取りと変形部分の修正です。
車体側面の厚さが薄くなって変形しやすい頃のモデルなんですよね。
しかしまぁ~こう暑い日が続くと自宅で模型弄りするのが一番ですね。
なるほど!ここで新たな発見がありました。
185系のM+M'ユニットってパンタグラフが外向きになっていたんですね。
さらに動力車の車体側面や妻板にも冷却口があっちこっちにあったりして・・
当時は抵抗制御ですから制御装置の冷却にはかなり苦労したのがわかりますね。
貼られていたヘッドマークは「新特急草津」と「新特急谷川」でした。
1985年(昭和60年)に東北・上越新幹線が大宮駅から上野駅まで延伸開業して、新幹線リレー号が廃止となりました。
それと同時に「新特急草津」・「新特急谷川」・「新特急あかぎ」・「新特急なすの」が誕生したんでしたね。
1995年(平成7年)からリニューアル工事が行われて座席が転換するようになってようやく特急電車並みの装備になったんですね。
まぁ~それでも最後まで自分の中では185系=「新幹線リレー号」なんですけどねw
それでは185系の諸元になります。
=185系(直流特急型電車)諸元=
製造所:日本車輛製造・川崎重工業・近畿車輛・東急車輛製造・日立製作所
製造年:1981年(昭和56年)~1982年(昭和57年)
製造数:227両
運用開始:1981年3月(昭和56年)
編成:10両(0番台基本編成)・5両(0番台付属編成)・7両(200番台)・6両(200番台波動用)・4両(0・200番台波動用)
軌間:1,067mm(狭軌)
電気方式:直流1,500V(架空電車線方式)
最高運転速度:110km/h
設計最高速度:160km/h
起動加速度:2.0km/h/s
減速度(常用):3.5km/h/s
全長:20,280mm(先頭車)、20,000mm(中間車)
全幅:2,900mm
全高:4,066mm(パンタ無し)、4,140mm(パンタ車)
車体:普通鋼(耐候性鋼板)
台車:空気ばね台車(DT-32H・TR-69K)
主電動機:直巻整流子電動機(MT54D)
主電動機出力:120kw
駆動方式:中空軸平行カルダン撓み継手方式
歯車比:4.82
制御方式:抵抗制御・直並列組合せ・弱め界磁制御
制御装置:電動カム軸接触器式(CS43A)
補助電源装置:ブラシレス電動発電機190KVA(DM-106)
空気圧縮機:レシプロ式コンプレッサ(三菱電機:C2000M)
集電装置:菱形(PS16形、200番台:PS16J形)
制動装置:応荷重装置付き発電ブレーキ併用電磁直通空気ブレーキ(SELD)・直通予備ブレーキ・手ブレーキ(クハ185)
冷房装置:屋上集中式(普通車、AU75C:42,000kcal/h。グリーン車、AU71C:28,000kcal/h)
※普通車(200番台):AU75G
保安装置:ATS-Sn・ATS-P・D-ATC(B3-B5編成:京浜東北線乗り入れ用)
=編成表=
※2013年3月15日まではこちらになります。
・0番台
A編成(10両編成) 田町電車区
←東京・新宿 熱海・伊豆急下田→
クハ185+モハ185+モハ184+モハ185+モハ184+サロ185+サロ185+モハ185+モハ184+クハ185
A1編成:101+ 1+ 1+ 2+ 2+ 1+ 2+ 3+ 3+ 1 廃車:2023年1月
A2編成:103+ 5+ 5+ 6+ 6+ 3+ 4+ 7+ 7+ 3 廃車:2015年7月
A3編成:105+ 9+ 9+10+10+ 5+ 6+11+11+ 5 廃車:2021年7月
A4編成:107+13+13+14+14+ 7+ 8+15+15+ 7 廃車:2016年10月
A5編成:108+16+16+17+17+ 9+10+18+18+ 8 廃車:2022年5月
A6編成:111+21+21+22+22+11+12+23+23+11 廃車:2021年6月
A7編成:114+26+26+27+27+13+14+28+28+14 廃車:2022年6月
A8編成:115+29+29+30+30+15+16+31+31+15 廃車:2021年7月
C編成(5両編成) 田町電車区
←東京・新宿 熱海・伊豆急下田→
クハ185+モハ185+モハ184+サハ185+クハ185
C1編成:102+ 4+ 4+ 1+ 2 廃車:2022年10月
C2編成:104+ 8+ 8+ 2+ 4 廃車:2022年10月(Tc-104・4、T-2)
C3編成:106+12+12+ 3+ 6 廃車:2021年8月
C4編成:109+19+19+ 4+ 9 廃車:2021年9月
C5編成:110+20+20+ 5+10 廃車:2021年12月
C6編成:112+24+24+ 6+12 廃車:2021年11月
C7編成:113+25+25+ 7+13 廃車:2022年7月(2013年4月:T-7)
C編成の組成変更(6両編成)
←東京・新宿 熱海・伊豆急下田→
クハ185+モハ185+モハ184+モハ185+モハ184+クハ185
C1編成:102+ 4+ 4+ 8+ 8+ 2 組成変更:2022年9月 廃車:2025年6月
・200番台
S編成→OM編成(7両編成) 新前橋電車区→大宮車両センター
S201~S218編成(7両編成×9本:63両、1981年)
S219~S232編成(7両編成×7本:49両、1982年)
←上野 高崎・水上・万座・鹿沢口→
クハ185+モハ185+モハ184+モハ185+モハ184+サロ185+クハ185
S201+S202編成:301+201+201+202+202+201+201 OM01編成
S203+S204編成:302+203+203+204+204+202+202 OM02編成
S205+S206編成:303+205+205+206+206+203+203 1985年3月:田町電車区へ転属
S207+S208編成:304+207+207+208+208+204+204 1985年3月:田町電車区へ転属
S209+S210編成:305+209+209+210+210+205+205 1985年3月:田町電車区へ転属
S211+S212編成:306+211+211+212+212+206+206 OM03編成
S213+S214編成:307+213+213+214+214+207+207 1990年3月:田町電車区へ転属
S215+S216編成:308+215+215+216+216+208+208 OM04編成
S217+S218編成:309+217+217+218+218+209+209 OM05編成
S219+S220編成:310+219+219+220+220+210+210 1988年3月:田町電車区へ転属
S221+S222編成:311+221+221+222+222+211+211 OM06編成
S223+S224編成:312+223+223+224+224+212+212 1990年3月:田町電車区へ転属
S225+S226編成:313+225+225+226+226+213+213 OM07編成
S227+S228編成:314+227+227+228+228+214+214 OM08編成
S229+S230編成:315+229+229+230+230+215+215 OM09編成
S231+S232編成:316+231+231+232+232+216+216 1985年3月:田町電車区へ転属
S編成→B編成(7両編成のまま組成変更)新前橋電車区→田町電車区
←東京・新宿 熱海・伊豆急下田→
クハ185+モハ185+モハ184+サロ185+モハ185+モハ184+クハ185
B1編成:303+205+205+203+206+206+203
B2編成:304+207+207+204+208+208+204
B3編成:305+209+209+205+210+210+205
B4編成:307+213+213+207+214+214+207
B5編成:310+219+219+210+220+220+210
B6編成:312+223+223+212+224+224+212
B7編成:316+231+231+216+232+232+216
※2013年3月16日からはこちらになりました。
OM編成・B編成(7両編成のまま組成変更)新前橋電車区→田町電車区
←東京・松本・万座・鹿沢口 熱海・伊豆急下田・上野→
クハ185+モハ185+モハ184+サロ185+モハ185+モハ184+クハ185
※クハ:Tc、モハ185:M、モハ184:M'、サロ:Ts
OM01編成:301+201+201+201+202+202+201 廃車:2014年6月
OM02編成:302+203+203+202+204+204+202 廃車:2014年5月
B1編成 :303+205+205+203+206+206+203 廃車:2014年5月
B3編成 :305+209+209+205+210+210+205 廃車:2018年8月(2013年7月:Ts-205)
OM03編成:306+211+211+212+212+206+206 廃車:2021年6月(2013年10月:Ts-206)
B4編成 :307+213+213+207+214+214+207 廃車:2018年9月(2013年7月:Ts-207)
OM04編成:308+215+215+216+216+208+208 廃車:2023年1月
OM05編成:309+217+217+218+218+209+209 廃車:2014年5月
B5編成 :310+219+219+210+220+220+210 廃車:2022年4月(2013年10月:Ts-210)
OM06編成:311+221+221+222+222+211+211 廃車:2015年6月(2014年6月:Tc-211・311、M+M'222)
B6編成 :312+223+223+212+224+224+212 廃車:2025年5月(2013年12月:Ts-212)
OM07編成:313+225+225+226+226+213+213 廃車:2015年6月(2015年5月:Tc-213・313、M+M'226)
OM08編成:314+227+227+228+228+214+214 廃車:2023年1月
OM09編成:315+229+229+230+230+215+215 廃車:2021年8月
B7編成 :316+ +216+232+232+216(クロ157-1連結対応) 廃車:2022年4月(2013年7月:Ts-216)
←黒磯 熱海→
クハ185+モハ185+モハ184+モハ185+モハ184+モハ185+モハ184+クハ185
B2編成:304+207+207+208+208+231+231+204 廃車:2018年8月
※2013年6月:B7編成よりM+M'231を組み込み、2013年7月:Ts204が廃車されました。
=導入の経緯=
最期は国鉄最後の特急型電車として注目を集めましたが、そもそもは153系の置換用として登場しています。
運用の効率化が求められて国鉄として初めての「特急用から通勤用まで共用可能な電車」として開発されています。
そもそも国鉄末期に投入された車両なので赤字のくせにと世間から叩かれていた時代ですから苦肉の策だったんですよね。
=運用=
・0番台について
0番台の車両は1981年(昭和56年)1月から東海道線の153系置換え用として田町電車区に新製配置されました。
3月には153系の運用に充当されて153系と混結した急行「伊豆」、また普通列車でも運行されています。
7月までに185系の115両が配備されこれで配置完了となります。
10月のダイヤ改正でエル特急「踊り子」7往復と朝夕の普通列車10往復で運用されています。
しかし、当初の目論見とは異なり、185系の普通列車運用では列車の遅延が続発してしまったんですね。
同時期には153系の普通列車専用運用に113系を82両新造して対応してますから・・
もう当時の東海道本線の輸送量は3扉車でないと対応できない状態になっていたんですね。
・200番台について
200番台の車両も同じく1981年(昭和56年)1月から高崎線の165系置換え用として新前橋電車区に新製配置されました。
こちらは165系と同様に耐寒耐雪工事と横軽対策が施されて63両が製造されました。
まずは1982年(昭和57年)3月から急行「あかぎ」で運用を開始します。
その後は急行「ゆけむり」「草津」「軽井沢」や普通列車にも運用されています。
転換期になったのは1982年(昭和57年)6月に大宮駅まで東北新幹線が開業することでしたね。
なんとか増備の許可を得て49両を追加製造して、上野~大宮間の新幹線接続専用列車「新幹線リレー号」として運用しました。
同年の11月には上越新幹線も開業して、この「新幹線リレー号」は上野~大宮間を28往復まで増発されました。
また、同時に特急「谷川」「白根」「あかぎ」と一部普通列車にも充当されるようになります。
1985年(昭和60年)3月には上越・東北新幹線が上野駅まで延伸開業して「新幹線リレー号」は廃止になりました。
同時に急行列車は特急列車へ格上げされ、実質的には急行列車・夜行列車を廃止して特急列車への一本化が図られたんですね。
そして、新たな特急列車として「新特急谷川」「新特急草津」「新特急あかぎ」「新特急なすの」が誕生します。
さらに柔軟な運用を行うことにより、一部は普通列車にも充当されました。
=リニューアル=
1995年(平成7年)から1998年(平成10年)にかけてまずは新前橋電車区所属の200番台にリニューアル工事が行われます。
このリニューアル工事でようやく特急列車らしい内装になったんですね。
・普通車の座席を回転式リクライニングシートへ交換。
・化粧板の交換、床の加工。
・仕切り扉のフットマットスイッチ式をセンサー式に交換。
・車体カラーリングの変更。
そして1999年(平成11年)にはグリーン車の座席も交換されてようやく特急列車に車内装備になりました。
一方、0番台は1996年(平成8年)に横浜駅から横浜線経由中央東線への直通特急「はまかいじ」に充当するため、
田町電車区所属の3編成に横浜駅での京浜東北線・根岸線ホームへの入線対応でATC装置を取り付けられました。
該当する車両は運転席の後ろにある客室扉の戸袋窓が埋められて座席を撤去しATC装置を設置しました。
これによって当該編成の先頭車は定員が4名減少しています。
1997年(平成9年)9月には信越本線(横川~軽井沢間)が廃止され、碓氷峠を越えた最後の普通列車となりました。
153系・165系との混結運転も無くなり、KE64形ジャンパ連結器は0番台はすべて撤去、200番台は栓受けのみが残っています。
転落防止用外幌は田町電車区が2002年(平成14年)、新前橋電車区が2004年(平成16年)に設置されました。
1996年(平成8年)から1999年(平成11年)にかけて先頭車前面の列車番号表示器がLED化されています。
田町電車区所属の185系は1998年(平成10年)になってようやくグリーン車の座席交換が行われバケットタイプになりました。
また、普通車は1999年(平成11年)から2002年(平成14年)にかけてリニューアル工事が施行されました。
これでようやく200番台の車両と同じ車内リニューアル工事が行われ、湘南ブロックパターンの車体も登場しています。
=リバイバル塗装=
いろいろなリバイバル塗装が施されていたんですね。
・2010年(平成22年)9月「草津50周年」:80系(黄かん色+緑2号)OM03編成 大宮車両センター
・2011年(平成23年)7月「踊り子30周年の斜めストライプ塗装」 A8編成 田町車両センター
・2012年(平成24年)2月「157系塗装」 OM08編成 大宮車両センター
・2012年(平成24年)6月「斜めストライプ塗装」 C1編成 田町車両センター
=運用のその後=
2013年(平成25年)3月にJR東日本は車両の検査体制の大幅な見直しが行われました。
これにより田町車両センターに所属していた185系はすべて大宮総合車両センターへ転属しています。
また、同時にダイヤ改正も行われ、グリーン車の位置を田町車両センター所属車両に合わせて組成変更されました。
・OM編成は方向転換。
・OM03編成:斜めストライプへ塗装変更、グリーン車を抜き取り6両編成化
・B編成:B1編成を除き全編成でグリーン車を抜き取り。
また、B2編成:B7編成よりM+M’ユニットを抜き取り8両編成化。これに伴ってB7編成は4両編成になりました。
・C編成:C7編成がサハを抜き取り4両編成化。
この頃から「ムーンライトながら」に充当されるなど、各種団体列車及び波動用の車両として歩みはじめます。
翌2014年(平成26年)3月のダイヤ改正では高崎線運用での特急・普通列車からも完全に離脱し廃車がはじまります。
2019年(平成31年)1月には「はまかいじ」の発着していた横浜駅の京浜東北・根岸線ホームドア設置に伴って廃止。
唯一、残った定期運用は特急「踊り子」だけとなりました。
また、朝晩のみに運行される「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「おはようライナー小田原」にも充当されています。
2020年(令和2年)3月のダイヤ改正では特急「踊り子」にE257系の投入がはじまります。
翌2021年(令和3年)3月のダイヤ改正で特急「踊り子」はE257系に統一。
また、特急「湘南」新設に伴ってライナー系統が廃止されることとなり、定期運用が終了しました。
その後、0番台のC1編成はT車を抜き取って、C2編成からM+M'を組み込んで6両編成化されてました。
最期の最後まで波動用(イベント用)として残ったのは6両編成2本になります。
・0番台のC1編成
・200番台のB6編成
しかし、どちらも2025年(令和7年)5月にはB6編成、6月にC1編成が廃車解体されました。
これで最後の国鉄型特急電車として活躍した185系は全車両が廃車解体されてその幕を閉じました。
=保存車=
大宮総合車両センター東大宮センター内に0番台のC5編成先頭車だったクハ185-110の前頭部のみ保存されています。
=まとめ=
最期の国鉄型特急電車として活躍した185系。
末期にはカラーリングも含めて多くの鉄道ファンを魅了して華々しく活躍したんですね。
房総地区には波動用としてしか入線してこなかったのでどちらかと言うと183系の方が思い出に残ってます。
183系はあまり騒がれることもなくあっさりと廃車解体されてしまって・・
多くの鉄道ファンの記憶に残る車両ってきっとほんの一部の車両だけなんでしょうね。
ますますレアな車両を探そうと心に誓う管理人でございますwww




