クルマで送ってもらうことがあっても、触れるのは指先まで。
時にはハプニングも楽しいけれど、常にオトナであってほしい。
口下手なんて、オトコの言い訳。
上質な会話を楽しむ姿勢に、品格って漂うものよ。
デートなのに、お手軽なホテルか自分の部屋へと誘うひと。
ふたりでの食事を、喫茶かファーストフードで済まそうとするひと。
その手のひとが、このクルマを選ぶことはないと思う。
見栄を張るだけなら、お似合いのクルマが他にあるでしょ。
速さや高級感だけなら、国産車でもじゅうぶんなはず。
私も自分で運転するまで、その違いを知らなかった。
見た目は普通のBMW、でも、似て非なるもの、M。
私のM3は、V8、4リッター。
中身も走りも、まるで別モノ。
このシフトレバーを握らなければ、知らずに済んだかもしれない世界。
落ち着きのある普通のクーペボディで、派手さも控えめ。
限られたドライバーだけが味わえる喜び、M。
時間と本質を大切にしてきたから、今の自分がある。
このクルマとの特別なひとときを、真剣に楽しみたいと感じた。
そう自覚しているから、こだわってでも所有したいと思った。
走ることがルーティンなんて、思いもしないはず。
トラブルにもタフに対処できる余裕と自信。
仕事でも常に冷静でいられるところが、私に似ている気がする。
ステアリングを握った瞬間から、湧きあがってくる高揚感。
高速をドライブする、それだけでいい。
たったそれだけのことだけれど、真剣に向き合いたいと思わせるクルマ。
恋より仕事が好きな私、このクルマを選んだことは惜しくない。
素敵な一瞬を共有できる喜びは、費やす時間を有意義なものにしてくれる。
確信できる価値の為に、時間とお金を使いたい。
ステアリングを両手でそっと握り、アクセルを踏む。
エンジンは、途中から唸るようにレッドの8000回転近くまで噴け上がる。
ハンドリングはイメージ通りの動きを伝え、敏感にレスポンスする。
任された仕事に似た緊張感と、冷めた頭とは対照的な高揚感。
カッコだけの安っぽいオトコなんていらない。
革靴のかかとを踏んで履くようなヤツは論外。
正直、乗りこなすなんてとうてい無理。
従わせるんじゃなく、優しく包んでもらうイメージ。
背が高く控えめで、能力の高いパートナーって感じ。
こんなMみたいなオトコ、いないかしら。
このままMと仕事が恋人でもいいかもって思えるのよね。
それ、ちょっと寂しいかも。
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Posted at
2011/06/21 13:12:59