鳥の鳴き声で目覚める朝。
この時期、日の出が午前4時台と知っている人はどれくらいいるだろう。
暁、東雲、曙と、日本語とは何と趣き深く風情豊かな言葉かと思う。
週に一度、土曜もしくは晴れた日曜のこの時間に、私は散歩に出かける。
散歩と言っても、愛車と一緒にドライブに出かけること。
私のクルマ、ポルシェ ケイマンとともに。
ドアを開ける瞬間が好きだ。
このクルマに乗ると、ついグローブをしてしまう。
雰囲気というより、習慣だ。
ガレージのゲートは手動式。
そっと音を立てないように開ける。
ETCカードを確認し、背中で響くアイドリングと同時にそろそろとスタート。
幹線である環状に出て西へ向かい、左車線から名古屋インターに入る。
京都方面、最初のオービスを通過すると同時にアクセルを踏む。
日の出前、ライトを点けたまま6速へ放り込む。
小牧ジャンクションを左へ入り、中央自動車道へ。
上り坂のきつい内津峠、多治見、虎渓山を4速で抜けてゆく。
この頃になると、東の空に太陽が昇ってくる。
土岐ジャンクションで左車線に戻り、東海環状自動車道へ。
ここから豊田ジャンクションまでは、6速のままエンジン全開。
気持ちよく7つあるインターチェンジを後方へと追いやってゆく。
ところどころトンネルが並ぶ、まだ比較的新しいこの道。
タイヤの四隅に気を配り、エンジン音を聴きながら、遥か前方に視線を向ける。
ホーンという排気音が反響し、音に包まれるように突き進む。
豊田ジャンクションで東名高速に入ると、クルマの量が一気に増える。
S&Bカレーで有名な上郷サービスエリアに入り、一服。
大きく伸びをして酸素を身体に入れる。
ここから先は、クルマの流れに任せて左車線をのんびりと走る。
豊田、東名三好を過ぎて、日進ジャンクションから名古屋瀬戸道路へ。
すぐ次の長久手インターで降りると、そこにトヨタ博物館がある。
そのまま環状を西へ進むと、出発点の名古屋インターはすぐそこだ。
幹線から少し入ったところに、私の家がある。
そろそろ、妻と娘が起きてくる時間だろう。
週一度、小1時間ほどの散歩は、飼い主である私の日課というか義務のようなもの。
妻は絶対に乗らないし、娘はポルシェの存在すら知らない。
家に書斎がない代わりに、私だけの趣味の時間があってもいい。
問題は、今のところこの散歩以外に使い道がないと言うことだろうか。
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Posted at
2011/07/09 13:25:55