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無伴奏チェロのブログ一覧

2011年10月21日 イイね!

アルファロメオ って どうよ

アルファロメオ って どうよ











「すいません、高速が事故渋滞で遅れてしまいまして」
「いいから座りなさい」

課長の言葉で、新人の土屋君が慌てて席に着く。


彼が朝礼に遅れるのは、これで2回目。
今年入社の新人が遅刻、それも理由がクルマ通勤ってどういうこと?
それを叱らない課長って、どうよ。


彼がクルマ通勤してるなんて、初めて知った。
と言うか、この近くに月極借りるとかコインパーキングだなんて大丈夫か。
大卒1年目の安月給で、都心のパーキングはかなり負担なはずだ。



昼食の社員食堂で、今朝のことが話題になった。

「あの土屋君、クルマ通勤とか、あり?」
「入社してからずっとクルマで通っていたのかしらね」
「確か家は隣りのT市でしょ? 地下鉄で1本なのに」

「それより課長の態度、気にならない?」
「他の社員だったら大目玉のはずなのに。知り合いの息子さんとか」
「クルマで通勤なんて、もしかしてお坊っちゃんかもよ」

「でも自分で運転して来てるなら、よほどクルマ好きなんじゃない?」
「マニアってことなら高級車かも」
「ペチャンコに車高低くして、タイヤをハの字にしてるVIPだったり」
「そっちかよ」

「土屋君、どんなクルマ乗ってるのかな」
「大学出たばかりでしょ。古い軽なんじゃないの」
「入社祝いに親に買ってもらったレクサスとか」
「祝ってもらうほどの会社じゃないし」

「彼、見た目も可愛いから、ヴィッツとかじゃないの」
「クルマ好きなら、ホンダじゃない? CR-Zとか」
「オートマ限定免許だとしたら、スポーツカーとか無いっしょ」

「案外、痛車とかだったりして」
「涼宮ハルヒとか描いてあったら、もう最悪」
「そう? 綾波レイとかもイイと思うけど」
「ポルシェにハルヒなら許されるかも」

「彼と痛車って、イメージ合いそうよね」
「似合ってもフクザツだけど」
「仕事できないアニメおたくだったら、救いようが無いし」
「せめて軽に『しずかちゃん』じゃないことを祈るわ」


ちょうど通りがかった土屋君に、皆で微笑みながら声をかける。

「ねえ、土屋君ってどんなクルマに乗ってるの?」
「いや、たいしたことないっす。小さなクルマなんで」

「どこのクルマ? 車種教えて下さらない?」
「言うほどのもんじゃないっす。イタ車なんですけど」

「え~、やっぱり・・・。ちなみに、どんな絵なの?」
「絵ですか? 竜とかヘビみたいな感じで」
「ドラゴンズファンなのね」
「もちろんです。地元ですから」

「あー、もういいわ。仕事がんばってね」
「はい。失礼します」



やっぱ言いにくいよな、アルファロメオとか。
外車ってだけで目立っちゃうし、うちの親父の会社ここの取引先だし。
修行に出されてるなんてこと言わないほうが長く付き合ってもらえそうだもんな。












Posted at 2011/10/21 19:53:16 | コメント(8) | トラックバック(0) | ビジネス/学習
2011年10月14日 イイね!

Volkswagen Golf って どうよ

Volkswagen Golf って どうよ










一瞬、ヤバイなとは思った。
この日サークルの飲み会で、滅多に顔を出さない香織と話し込んでいた俺。
帰りも同じ方向だからと、一緒のクルマに乗り込んだ。


同級のタケルの運転に、後輩のヒロが前に乗り、後ろに智美、俺、香織の順に座る。
乗り込んだ瞬間、智美に腕を組まれた。
狭い後部座席で隠すに隠せず、乗ってる間ずっと手を握られたままだった。


アルコールを受け付けないタケルは、いつも愛車のゴルフで送迎してくれる。
呑めないことがクルマ好きにはメリットと言えるゴルフの魅力って何だろ。
真面目なイメージがあるし、結構遊んでるのに肉食系に見えず、賢い選択かも。



後輩のヒロが最初に降りた。
次に香織を降ろし、ゴルフが走り出した瞬間、智美が首に抱きついて来た。
まだ香織が後ろで見送っているってのに。


しばらくそのまま唇を合わせる俺と智美。
キスでときめくほどウブじゃないが、舌を入れられドキリとする。
運転するタケルが、見て見ぬ振りをしてくれる。


つきあう気も無いくせに、こんな戯れをする智美。

「誘ってるわけ?」と尋ねると、

「ううん。あたし、その気ないから」

わかってるよ、そんなこと。
だったらなぜかって聞いてるんだって。

「その気になったからキスしたんだろ?」

「一瞬ね。でも君との恋はもうし終わったって気分なの。
 突然始まったけど、一瞬で終わっちゃったって感じかな」


違うだろ、それ。
香織に見せるためだけに仕組んだストーリー。
俺と香織が接近しそうだったから、引き離したってことだろ。


智美の性格はわかってる。
自分がモテてる間はいいが、他人の幸せは許せないんだよな。
美人で、オトコなんて簡単に落とせると思ってる自信家だし。



今日はイイ感じだったから、香織を口説くつもりでいた俺。
気付いた智美は、一瞬香織に嫉妬し獲物を奪い、あとは放置プレイ。
女って物語が大切で、妄想に男は必要だがリアルな関係は不要らしい。


「智美、可愛いけどあの性格だから近付くと危険じゃん。
ルームミラーでキスしてるの見た時、思わず『ファー』って叫びそうになったよ」

智美を降ろした後、タケルに言われ爆笑。
智美に腕掴まれた時、既にOBだったのかもな。
トリプルボギー叩いても、女に勝って得することは絶対無いし。


こっちはリスクだけ背負わされた挙句、噛ませ犬ってこと。
損な役回りだよな、俺って。
冷めるのは、せめて1回でも抱いてからにしてもらいたいね。












Posted at 2011/10/14 15:28:21 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2011年10月08日 イイね!

BENTLEY Continental GT って どうよ

BENTLEY Continental GT って どうよ









「ご一緒に乗って行かれませんか?」

駅のタクシー待ちの列で、前に並んでいた女性に声をかけられた。

「どちら方面ですか?」

僕が地名をいうと、彼女は

「だったら通り道ですからご一緒にいかがですか」と誘ってくれたのだ。



終電まであと少し。
駅に着いたら走って改札を抜け、タクシー乗り場に並ぶ人々が列をなす。
ベッドタウンでもあり、多くの人が利用する駅にしては待ちタクシーが少ない。


この日も並んでいる人数からして待っているより歩いたほうが早いかと思った。
家まで歩けば20分ちょっとの距離。
あいにく小雨が降っていて、濡れるのをためらっていたところだった。


彼女の家を尋ねると、確かに駅と僕の家の延長上にある。
お言葉に甘えてと、相乗りすることにした。
見知らぬ者同士タクシーに乗るなんて考えもしなかったが、彼女とは話が弾み楽しかった。



それ以来、僕はタクシーに乗る時は後ろの人に声をかけるようになった。
前の人には図々しいような気になるが、後ろの人なら利点は多い。

1台でも早くタクシーに乗れること。
近いほうの目的地までの料金分だけ安くなること。
後ろの人たちの順番が少しでも早まること。



この日、同じ車両に初めて同乗させてもらった時の女性がいることに気付いた。
向こうも気付き、離れた場所でお互いに会釈をした。
改札を抜けた通路で、前にいた彼女から声をかけられた。

「宜しければ乗っていかれませんか?」

今日は自分のクルマで来ているってことか。
女性に顔を覚えてもらっていたことだけでも嬉しいもの。
「ありがとうございます」と、先にお礼を伝える。


普段、雨でもない日は歩いて帰るところ。
駅近くの月極かコインパーキングに駐車してあると思い、彼女に付いて歩く。
独身かなとか、どんなクルマかと想像するのも楽しい。



ロータリーを右へ出て待車場レーン横を通り過ぎようとした時、そのクルマが目についた。
異彩を放つボディに翼の生えたBの文字、これってベントレーだよね。
それも2ドアクーペのコンチネンタルGTってやつだ。


滅多に拝めない超高級車のベントレー。
有名人かプロスポーツ選手が乗ってると言う噂なら聞いたことがある。
このまちにもそんな有名人が住んでいるのか、それともアブナイ人だろうか。


と、目の前で白いコンチネンタルGTの左ドアが大きく開かれた。
慌てて右に迂回し避けた僕と、立ち止まった彼女。
そこで彼女が僕のほうを振り向いて言った。

「私、後ろに乗りますから、助手席にどうぞ」

長いドアを開けて降りてきたのは、背の高い上下スウェット姿の男性。
彼女の夫なのか彼氏なのか、はたまた兄か弟なのか。
無言でシートを前に倒し、彼女を迎え入れる。



以前、夜の繁華街で見かけたことがあったけれど、乗るなんてありえないです。
例え助手席でも近距離でも、何かしでかしたらと思うと怖いです。
人は見かけによらないとは言え、僕には無理です。


ごめんなさいって言葉しか頭に浮かんでこなくて。
丁重にお断りをし、とにかくこの場からすぐにも逃げたい気持ちなんです。
でも、足がすくんで動けないんです。













Posted at 2011/10/08 11:05:46 | コメント(9) | トラックバック(0) | 暮らし/家族
2011年09月29日 イイね!

LOTUS ELISE って どうよ

LOTUS ELISE って どうよ









何度登校拒否、いや職場放棄しようと思ったことか。
いやだいやだと思いながら、学校へ出かける毎日。
私がいなくたって、誰も心配しないし困らないのに。


いや、困る人と言えば、吹奏楽部の生徒たち。
朝練は7時半からだけれど、7時15分には講堂前で準備をする。
開門まで腹式呼吸の練習をする生徒に、鍵を渡すのも顧問の務め。


音を出して良いのは、近所の騒音対策から7時30分と決められている。
ホームルームの予鈴が鳴る8時10分までが朝練。
私がいないと始められないことになっている。



うちの高校の吹奏楽部は、進学校なのに評価が高い。
前任の先生が長く専門的に指導し、全国大会にも行った。
評判が評判を呼び、部活志望の新入生が入り、高いレベルを維持していた。


後任で吹奏楽部を任された私。
確かに今もアマチュアオケでクラリネットを吹いてるけれど、所詮は趣味の領域。
音大を出た訳でもなく、音楽の教師でもない。


私の担当は英語だし、まだ新任で担任も持たせてもらえない。
そんな私がやれるのかではなく、やらなくてはならない状態になって2年目。
私の指導を生徒は無視する訳でもないけれど、結果が出せずジリ貧の状態に。



高校生は大人で、好き嫌いで教師を無視したり蔑視したりはしない。
が、能力の劣った人間に対する気持ちをベールで覆い隠す術が足りない。
新任の時の私でさえ生徒の態度や表情でみてとれてしまう。


新入りの1年生に先輩生徒が指導するが、結果が出せず学業の成績までもダウン。
真面目な生徒たちはひたすら努力するせいで、精神的なストレス過多に陥ってしまう。
苦悩スパイラルに気付いていても、私はアドバイスできるほどのスキルも自信もない。



「先生さようなら」

下校する生徒たちに駐車場で声をかけられる時、輝く目と興味深げな表情が嬉しい。
まなざしは私の愛車、ロータスエリーゼに向けられている。


そう、この眼、この瞳なの、私が求めているのは。
刺激的なものを見つめる時、人は興味で輝く。
刺激が高揚感を生み、気分まで盛り上がる感覚を、エリーゼに乗る私は知っている。


エリーゼについて語り始めたら、1時間でも2時間でも話す自信のある私。
音楽もオーケストラも好きだけれど、エリーゼのようには語れないでいる自分が歯痒い。
顧問でありながら見透かしたような生徒たちの目に、輝きを与えられないでいる教師の私。


すぐにでも逃げ出したい衝動。
でも、エリーゼに乗って逃げてはいけない気がしている。














Posted at 2011/09/29 14:39:38 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2011年09月23日 イイね!

ダイハツ ムーヴ って どうよ

ダイハツ ムーヴ って どうよ









まるで音のない映像を見ているように、静かだった。
ブーメランのような「く」の字をした柄が、逃げるように転がってゆく。
それがつい先ほどまで彼が手に握っていた鎌と頭の中で結びつくまでにタイムラグがあった。



この夏は暑いだけでなく雨が多い。
雑草が例年の2倍のスピードで延びてしまう。
役所で働く幸太郎は、今朝も日の出から畑の草刈りに来ていた。


すぐに泥まみれになり、湿った軍手が重い。
強い日差しに、厚手の軍手から綿の白手袋に換えたところだった。
持っていた鎌がすっぽ抜け、振り向いたが後ろに落ちていない。


視線の先に、クルクルと縦に円を描きながら転がってゆく鎌。
花壇を仕切る煉瓦で跳ね、大きな玉石を蹴り、道端の石積みで一瞬見えなくなる。
カンカンと音を立てて転がり落ちた先は道路。


普段滅多に通ることのないクルマが、ちょうどそこへ通りがかり、落ちた鎌を轢いた。
弾みで跳ね上がった鎌が、クルマのドアに傷をつけるという離れ業。
まさにウルトラC級の偶然を目の当たりにし、幸太郎は茫然自失。


何にせよ傷の原因が彼の鎌であることは、火を見るより明らかなこと。
幸太郎は停まったクルマに慌てて駆け寄り、ドライバーに丁寧に謝る。
運転に支障がなければ、近々空いた時にディーラーへ持ち込んでもらうよう話す。



修理見積りの確認作業で、初めて入ったダイハツのディーラー。
明るい雰囲気に白いテーブルがいくつも並び、子供の遊び場もある。
何になさいますかと飲み物を尋ねられ、喫茶ラウンジかと思い驚く。


待ち時間に、展示車のムーヴに乗ってみる。
まず運転席と助手席の足元の広さに驚いた。
シートレールいっぱいまで下げてあるのかと思い、後ろを振り向くが、後部座席も広い。


手の届く範囲には、コンソール以外にも収納が沢山。
特にペットボトルを置くアイデアが目立つ。
エコアイドルも付いてこの値段なら、先日買い替えた新型洗濯機と思えばお値打ち感あり。



お店の人に聞いてみる。
「これ、安全ですか」と。

「それなりです」との返事。
好感が持てる営業だと思った。


飾ってあるぶんには室内も広く、使い勝手も良さそうなこの軽自動車。
クルマは道路を安全に速く走る為のものと決め付けていたのは、幸太郎自身だったのかも。
ゆっくりとしたスピードで短い距離を移動するだけに使うのなら、とても便利に違いない。


これで中央高速に乗るとか、ワインディングのある山へ出かけるなんて想定はしない。
カーブでこのベンチシートでは、シートベルトできつく固定しないと曲がれないだろう。
でもサイドウォークスルーは解放感があり、乗り降りは楽だろうなと思う。


クロックスかビーサン代わりにいいな。
事故に遭うかどうかなんて、今回みたいに滅多にない状況を考えるかどうかに似てる。
あとは運転するドライバーの自覚に頼ることに。


想定外。
地震も、津波も、土砂崩れも、堤防の決壊も、降水量も、何度も耳にした言葉だったっけ。
草刈りをしていただけで偶然が重なり、何万円も支払う羽目になっている自分の事を考えると、
僕は乗らないほうがいいかもと思う幸太郎であった。










Posted at 2011/09/23 13:56:06 | コメント(6) | トラックバック(0) | クルマ

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