2年後、息子が高校に入ったら留学させるつもりで、ホームステイを受け入れた。
相互交流なので、まず私達がホスト側に。
初回はショートステイで、期間は1週間。
受け入れる留学生は、カナダからの高校生とのこと。
直前まで素性は知らされず、性別、肌の色、宗教等何もわからず不安を感じる。
1週間前になって、やっと生徒のプロフが届く。
白人、女子、食事制限が多い。
ホストファミリーの私から、きっと日本が好きになるよとメッセージを送った。
来てまず、慣れない食事が摂れないとのことから戦いだった。
いろいろな対策を考え、まず彼女専用の箸と茶碗を購入。
慣れてもらえるよう、家族の会話は全て英語にした。
学校以外の時間を、観光に費やしすことに。
一緒に買い物に行き、手伝ってもらいながら料理もさせてみる。
ガードの固かった彼女の表情が、日に日に可愛らしくなっていった。
自宅は地下鉄の駅まで歩いて10分程の、アップダウンの多い住宅地。
小さなマイホームに駐車場が2台分、庭と呼べるほど広いスペースは無い。
この辺り一帯は文教地区で、環境の良いことで知られている。
公立も小中学校共にレベルが高く、教育面でも人気のエリア。
金銭的に多少無理はしたけれど、子供のことを考えて2年前に新築で購入。
中学校のお付き合いの中でホストファミリーを知り、思い切って申し込んだ。
家を買った同時期に、マイカーとしてホンダのインサイトを購入。
このクルマは、ご近所に向けた表札のようなもの。
色はシルバー、目立つこともなく地味、でも新しいハイブリッド車。
周辺のガレージには欧州車も多いけれど、うちは堅実ですと暗黙のアピール。
車庫への出し入れも静かで、賢そうでしょ。
空いたスペースに草花を生け、カントリー風に植栽もしている。
帰国する日、彼女が日本語で言った。
「私にはカナダにママがいるけれど、あなたは日本のお母さんです」
彼女の言葉に、抱きしめて泣いてしまった。
文化の違いを肌で感じた1週間、初めてにしては当たりの生徒だったと思う。
中2の息子以外に娘が持てた喜びと感動、そして責任感。
僅かな期間だったけれど、母として出来る限りのことをしたつもりでいる。
「母性の愛でいっぱいだったの。 突然、娘ができるって凄い事よ」
ホテルのベッドで、カレに話す。
腕枕をされ抱き合ったまま、娘がいた1週間を振り返っている。
同年のカレとの付き合いは長く、お互いに不倫関係を続けている。
知的な会話が刺激的で、気付かされることが多い。
優しく穏やかで家庭的な夫、カレがいるから良さが引き立つのかも。
夫とは家族で良き妻でいる代わりに、カレの前ではオンナでいられる。
今回の件でひと月ほど逢っておらず、今日は思いっきりカレを欲している。
受け入れてくれるカレを愛おしく思うが、夫へ罪の意識は無い。
たぶん子育てという役を終えれば、この不倫も終焉。
カレとのことを、夫が気付くことはない。
夫がつき合いと言っては何処で何をしているか、私は全てお見通し。
ただインサイト(洞察、見抜く)と聞くと、
クルマに見透かされているようで少し心が痛む。
Posted at 2011/02/07 20:38:56 | |
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