女性に自信が持てない僕がいる。
ダメなのは僕か、それともボクか。
朝、寝起きは無駄に元気なボク。
人見知りが激しく、不慣れな女性との対応は苦手だ。
かと思うと、突如組み直した女性の脚に反応したり。
いつもやさしく接してくれる、真美さんが大好きなボク。
スキンシップに敏感で、ていねいに扱われることを好むようだ。
綺麗な女性がいても無愛想なくせに、真美さんには狂ったように反応する。
真美さんのクルマ、スマートは2人乗り。
とっても狭くて、くっつくようにして乗り込む。
彼女を身近に感じて、僕も彼女を意識してしまう。
真剣に運転する真美さんの表情に反応するボク。
多少シフトがぎくしゃくしても、それはそれ。
白ナンバーのスマートは、リアフェンダーが格好良い。
真美さんから漂う甘い匂いが好き。
ふとした笑顔が色っぽくて好き。
さりげなく触れてくる、細く柔らかな指先が好き。
スキンシップの大切さを教えてくれるクルマ、スマート。
すぐ手が届く距離って、それだけで価値がある。
人妻の真美さんが大好きなボク、その前はコンパニオンのミクだった。
そそる。
そそられる。
そそり立つ。
どこか卑猥な表現に聞こえるけれど、どれも日頃のボクの態度そのもの。
実際ボクは、そそられるものにしか興味を示さない。
心に響く音楽や、しんみりと感じる物語には、無関心を決め込む。
綺麗だとか美しいに、あまり反応しない。
艶っぽいとか、ふとした瞬間に伝わる色気に対し、敏感に反応をしめす。
そう、ピンとくるって、わかりやすい表現かも。
僕のように頭を使っているとは思えず、反射に近い動物的感覚で動く。
善し悪しの判断は、行動すなわち結果が全て。
体質的に、アルコールは嫌いらしい。
条件反射から、僕はボクをパブロフと呼んでみる。
「オレがパブロフなら、おまえが犬だワン」
日頃はボケ役のくせに、こういうツッコミは速い。
新たな出会いを求める僕に、ボクは手厳しい。
男女のそのような状況で、できるかできないか。
その判断をにぎる鍵は、僕の場合ボクだ。
ボクと意思の疎通がはかれないとき、僕は僕の下半身にいるボクを説得する。
が、たいていの場合、無視かそっぽを向く。
僕に好意的な女性を前に、場の空気をどう収めるか、僕は頭を痛める。
立たないとき、女性はなぜかとても寛容だったりする。
責めたりせず、逆に僕が慰められたり。
優しい言葉より、ボクへの責めが有効だとは、僕からは言えない。
ボク好みの女性には、どうしても納得しかねる僕。
好みの違いがあり過ぎなのか、求めるものが違うのか。
せっかくその気になって臨んでも、ベッドでの言い訳は悲しい。
一心同体の僕とボク。
相手を大切にしようと思えば思うほど、ボクとの葛藤に悩む。
その挙句にフラれ、食事もできぬほど落ち込む。
可愛くても、清楚な女性なんていないんじゃないか。
女性とつきあって、フラれる度にそう思い悩む。
心のどこかに女性崇拝を捨てきれないでいた。
社内で、付き合い始めて1年になる典子。
近い将来、結婚するつもりで大切に思っていた。
が、典子はこの春転勤してきた後輩に、笑顔ひとつで乗り換えていった。
「今日でおしまいにしましょ」
ベッドで典子にそう言われた時、僕はショックで泣いた。
オンナなんて信じられないと思った。
でも、ボクが萎えることはなかった。
気持ちは離れてしまっても、できることに気付いた僕。
「おい、ブルータス」
ボクが呼びかける。
「ブルータス、おまえもか」
Posted at 2011/05/24 18:28:53 | |
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