正月が苦手な理由のひとつに、親戚が集まることがある。
人が来れば必ず言われる言葉が、これ。
「まだ結婚しないの?」だ。
別に、モテないから独身を通してる訳じゃないよ。
はっきり言えば、面倒なだけだ。
自分の親でさえ鬱陶しいのに、他人と暮らすなんて想像を絶する苦痛に違いない。
知人からも結婚を勧められた親の世代と、今は明らかに時代が違うよね。
2組に1組が別れる時代に、仲人なんて意味なさないでしょ。
2人でいれば楽しさも2倍とか言われても、趣味の仲間は別にいるし。
女性が嫌いな訳じゃない。
特定の女性と定期的に会い、週1回はデートするよう前もって予定を組む。
ひとりの時間もとれるし、相手を拘束せずに済むし、理想的だと思う。
でも、結婚すれば親戚付き合いも2倍になるんだよね。
掃除は? 洗濯は? 食事の用意は? ゴミの分別は?
自分のことだけでも面倒なのに、相手を気遣うなんて無理だと思う。
他人とは距離を置くことで、触れられたくないことに深く入り込まれずに済む。
自分の過去や、趣味といったプライバシーも護られる。
子供が特別好きでもないし、今の生活で不自由ないし。
もちろん、親の老後には応分の費用負担をしなければならないだろう。
自分の老後の貯蓄もしなければならないし。
でも、楽しまないと人生じゃないから、趣味にお金も使いたい。
好きなものと永く一緒にいたいと選んだクルマ、BMW6シリーズ。
BMW独特のクーペスタイル。
滅多に出会うことのない希少性。
華はあるが派手さは無く、落ち着いた雰囲気が良い。
ドライバーだけが味わうことのできる高級感。
コクピットは、趣味の空間とも言える。
30代も後半になり、付き合っている女性の年齢もそれなりに上がるに連れ、
さらに結婚が遠ざかって行く気がする。
そんな時、新入社員のミキからのアプローチは、久し振りにときめいた。
口が大きく、中谷美紀を幼くしたような美形の彼女。
僕とはひとまわり以上の歳の差に、これまでにない新鮮さを感じた。
彼女の積極性が、これまで身近にいた女性とは明らかに違う点も気を引く。
初回は無難にと食事に誘ったら、ルームサービスがいいと言う。
もう半年も彼氏がいないので、お泊まりデートが理想だと。
若いほど女の子が積極的なのは理解しているが、これほどとは思わなかった。
いきなりとは思いつつも、彼女の同意を得てホテルへ。
気遣いのつもりで奮発してスイートルームを予約。
BMWはドアマンの誘導に従い、エントランス横の車寄せへ駐車させた。
チェックインして部屋に入ると、早速彼女からキス。
ルームサービスを食べながらキス。
シャンパンを飲みながらキス。
プレゼントがあるのと、小さな包みを僕にくれる彼女。
お礼にと僕からキスし、抱きしめたところで彼女がつぶやいた。
「うーん、何か違う気がする」と。
「あたし、今日オンナノコだし、送ってくれますか」
急転直下のこの展開、信じられないと思いつつも、
ここで怒ったりするとDVとか傲慢なオトコとか言われるのだろう。
オトナはこんな状況であっても、歯止めが効く状態でいなくてはならない。
彼女を叱ったり、たしなめたりなんてのは論外で、文句ひとつ言えやしない。
「呑んだから、クルマでは送れない」と言うのがやっと。
常に相手の気持ちになって考えるなんて、無理な話。
常識や共通の見識といった感覚は、妄想でしかないと悟り始めたこの頃。
他人に合わせるのは疲れるし、結局無駄の積み重ねなのだと。
自分以外の誰かが加わった時点で、自分の希望や理想からはどんどん外れてゆく。
一緒に何かを築き上げてゆく作業は、仕事であれば取り組むけれど、好きではない。
夫婦生活は共同作業と言われるし、やはり僕には無理。
草食系男子って言葉、言われてもその通りだと思うもの。
肉食動物が喰うか喰われるかで争いあう姿なんて、低能としか思えない。
刺激も足りてるし、今が満足なら身の丈に合ってるってことで。
草でも食べていたほうが、穏やかな気持ちでいられることは間違いない。
Posted at 2011/01/07 16:54:16 | |
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