私のラッキーカラーは、ブルー。
いつも青い色の物を、身につけるようにしている。
大卒で働き始めた頃からの、おまじないのようなもの。
一番多いのは、スカーフ。
ネイルの色であったり、ピアスやネックレスの石であったり。
下着も青をあしらったのものが一番多い。
私らしい色、それが青だと思う。
彼にもそう伝えてあるから、プレゼントは青のものが多い。
洋服や指輪も、さりげなく青が入っているものを選んでくれる。
大切にされているようで、安心して一緒にいられた。
そう、私がそれに気付かなければ。
彼のクルマは、レクサスIS。
レクサスでは比較的小型で、目立たず落ち着いた外観。
ほどよく高級な雰囲気が、私達の年代にはちょうどいい。
深みのある美しいエクシードブルーに、ライトグレーの内装。
メイプルの木目もシックで、質感のある素材と思う。
エクステリア以上に、内装のインテリアが私は好き。
彼も同じことを言っていた。
偉ぶらないところが気に入っていると。
このシートが、私だけの指定席だったら良かったのに。
彼のクルマに乗った時、助手席のドアポケットにハンカチが入っていた。
彼は、気付いていないのだろう。
狭いその隙間に、でもそこにあるはずのない赤い布が少しだけ見える。
ひと目でわかる女性ブランドのもの。
その次に乗った時も、そのハンカチはそこに入ったままだった。
運転席からは見えないし、掃除の際、取り出して拭くような場所でもない。
最初に気付いた時、彼に聞けば良かったのかも。
私は彼に言わず、そっと自分のものと差し替えた。
水色のレースのハンカチだった。
その翌週、入れ替えた私のハンカチは、違うものに替えられていた。
薄いピンクの花柄をあしらった、真新しいハンカチ。
明らかに意図的な意思表示だった。
そういえば、彼は最近趣味が変わったように感じる。
ネクタイやワイシャツが派手になった気がする。
派手とはつまり、赤系が多くなったのかも。
その日、私は彼におねだりをした。
ハンカチを買うので、つきあってほしいと。
全く気にかけない様子から、やはり彼は気付いていないようだ。
デパートのハンカチ売り場で、私は彼に聞いた。
この2枚、どちらが良いかと。
彼の前で、青を基調としたものと、赤を基調としたものを広げて見せた。
私の趣味を、つい忘れていたのだと思う。
彼は赤いほうを選んだ。
すぐに使うからと店員に伝え、私はその赤いハンカチをバッグにしまった。
別れ際、彼のクルマのサイドポケットに、私はそっとそのハンカチを入れた。
Posted at 2011/04/01 12:59:30 | |
トラックバック(0) | 日記