引退した「番長」こと清原和博のテーマ曲が、長渕剛の「とんぼ」であったこと。
大リーガー、イチローの選んだテーマ曲が石川さゆりの「天城越え」だってこと。
これ、どちらも凄いインパクトだと思わないか。
遥か彼方に光り輝く星、野球をやってた俺にとっては奇跡のような存在のふたり。
そのふたりが選んだテーマ曲ってのが、これ。
本人らしさが表れてるし、知性すら漂わせる。
社歌ってのは、そもそもこういうものなんじゃないか。
自社を顧客にアピールできて、尚且つ社員のボルテージも上がる。
この会社に入って良かった、今日も一日頑張るぞと意気揚々と昂ぶるリズムと歌詞。
俺が望んでるのは、それなんだ。
父が興したこの会社、俺が修行に出ている時に急死して跡を継いだ。
まだ若造だったせいか、古くからの社員をまとめるのに苦労している。
新卒の大卒入社を採用するようになって、今年でようやく5年。
若手の育成もしながら、規模の拡大と新商品の開発を進めてきた。
景気に左右される食品業界にあり、製品管理上の事故は避けられないが、
新旧の社員が一丸となり、一致団結して苦難を乗り越えてゆくから明日がある。
安定なんてのは大企業だけに許された言葉であり、
俺達のような小規模の会社は毎日を真剣に取り組むことで明日がある。
気を抜いてはいけない。
弱気ではいけない。
過去の実績に胡坐をかいていてはいけない。
ヤル気だけは誰にも負けない意気込みが必要だ。
俺の代から社訓をつくって額に入れ、毎朝全員で唱和している。
だが、もっと楽しく明るく声を合わせるものはないかと考え、社歌を思いついた。
アイデアを思いついたが、実現する術がない。
何からどうしたらよいかがわからない。
人伝にプロの作曲家に伺ったところ、イメージを教えて欲しいと言われた。
俺が社員達に伝えたいイメージや取引先に伝えたいメッセージは文書にしてある。
毎年作成する経営指針書と、銀行へ提出する中長期の目標だ。
だが、これを作曲家にどう伝えたらよいか、イメージが湧いてこない。
俺が伝えたいのは、言葉じゃなく動きのあるイメージ。
躍動するイメージから、湧き上がる元気。
社訓や指針書では、言葉や文章の限界を感じている。
今日はこれから大阪の商社へ売り込みをかける。
俺にとってスーツとクルマは人格を決めるアイテムだ。
気合いが必要な出張は、御幸のスーツとアメ車に決めている。
俺のクルマ、コルベット。
真っ白なボディに排気量7リットル、500馬力オーバーのエンジンを積む。
にもかかわらず、乗車定員はたった2人。
これほどの無駄が許されていいのかと思うほどの贅沢さ。
これに加え、スポーツカーの性能とクルマ本来の優雅さがある。
アメ車以外には考えられない非常識がここには詰まっている。
運転中、俺は滅多に音楽を聴かない。
が、HDDにはヴァン・ヘイレンともう1曲、俺の選んだコルベットの曲が入っている。
俺のテーマ曲、それは超人バロムワンの主題歌「ぼくらのバロムワン」だ。
マッハロッドで ブロロロ ロー ブロロロ ロー ブロロロロー
ぶっ飛ばすんだ ギュンギュンギュン
魔人ドルゲを ルーロ ルロロ
やっつけるんだ ズバババ バーン
バロムクロスで キューン キュン
ふたりがひとり バロローム
みんなで呼ぼう バロムワン
必ずくるぞ バロムワン
超人 超人 ぼくらの バロムワン
これほどコルベット乗りをその気にさせる曲があるだろうか。
速いだけじゃない、他のスポーツカーとの違いがはっきりわかる差別化。
簡単な言葉と単調なリズムでありながら、独自の魅力をより引き立たせている。
2番、3番はこうだ。
ジェットボップは ブロロロ ロー ブロロロ ロー ブロロロロー
友情の武器だ ギュンギュンギュン
地底の悪魔を ルーロ ルロロ
やっつけるんだ ズバババ バーン
バロムフライで キューン キュン
バロムスィングで バロローム
みんなで呼ぼう バロムワン
必ず来るぞ バロムワン
超人 超人 ぼくらの バロムワン
バロムクロスは ブロロロ ロー ブロロロ ロー ブロロロロー
友情クロス ギュンギュンギュン
海底魔人を ルーロ ルロロ
やっつけるんだ ズバババ バーン
バロムカットで キューン キュン
ゆくぞふたりで バロローム
みんなで呼ぼう バロムワン
必ず来るぞ バロムワン
超人 超人 ぼくらの バロムワン
これなんだよ、これ。
視覚、聴覚、触覚までも刺激する歌詞。
スピードを出さなくても、威風堂々と感じられるメロディと歌詞のマッチング。
自然と口ずさむし、歌えば勇気が湧いてくる。
うちの商品は、特別超高級でもないし、高い広告費もかけられない。
だが、価格以上の質とボリューム感を楽しんでもらえるはず。
誤魔化しのないホンモノの食材と、中身に見合った価格で勝負。
小振りなステアリングを握りながら、俺のこの熱い思いをどう表現して良いのか悩んでいる。
Posted at 2010/08/04 21:12:00 | |
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