小回りがきく。
自動車の評価項目にこんな言葉がありますよね。これって何?
カタログには最小回転半径という言葉が載っています。これか?
答えは違うようです。
小回りがきくというのは、最小回転半径だけでは決まりません。
実はカタログに載っていない、載せられない要素が重要です。
それは、回転軌跡。
この回転軌跡が小さいほど小回りがきくということになります。
回転軌跡は作図によって求めることができます。
さて、その書き方ですが、その前に最小回転半径の他に調べないといけないことがあります。
それは、「全長」、「トレッド」、「ホイールベース」、「フロントまたはリアのオーバーハング」の4項目。どれも諸元表に出てますね。
実際に、作図するなら、これに全幅が必要になります。
では、実際に作図の過程を解説していきます。
1.外側の前タイヤの位置を作図します。
(全幅とトレッド(前輪)から前タイヤの中心を決めます)
2.1で描いた直線上にタイヤ位置関係を横線で作図
(全長とホイールベース、オーバーハングで位置は決まります)
3.前タイヤの中心から最小回転半径で円を描き、後輪との交点を求めます
(クルマはここで作図した点を中心に回転します)
これで直線で囲まれた三角形が作図できます。
お気づきとは思いますが、最小回転半径とは、実際の道路の幅とは無関係です。
つまり、この場合、5.3mの回転半径なので、×2で10.6mの幅があればUターン
できるかと言うと、じつはそうではありません。
もうちょっと、必要です。(笑)
上で描いた、各線の上に実際のクルマをのせるとこうなります。
このとき、タイヤの角度は図のように、2で描いた斜めの線に直角になります。
そして、○で示した点を中心に円を描くと、これが、外側前輪も移動する線になるわけです。
何となく、動きが想像できるようになりました。
さて、実際に回転させてみましょう。
Uターンしてみます。
クルマのいろんな部分が円を描いて行きます。
一番内側と一番外側の各部分をつないでいくと・・・
はい、これで、回転軌跡が作図できました。
実際に、外側の円は5610mmありますので、
最小回転半径とは違うことがご理解いただけたと思います。
国によっては、この一番外の線を表示している場合もあると
聞いたことがあります。(確か、ヨーロッパだった記憶が・・)
回転軌跡。ご理解頂けたでしょうか?
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Posted at
2010/01/09 18:18:24