
前回に引続き、MP4-12C その3です。
某所で行われた、マクラーレン・MP4-12Cの
お披露目会に行ってきました。
ゆったりとした会場に、ポツンと1台の
マクラーレン・MP4-12C。
あとは端っこにボディを剥がした
スケルトンな1台が展示されていました。
会場には、完成展示車とボディを剥がしたスケルトン展示車がありました。
このモデルでは、モノコックシャシーと前後のアルミフレームの関係や、サスペンションの
取り付けなどがよくわかり、正直なところ完成展示車よりも長い時間観察してました。
写真にあるように、モノコックはまさに「バスタブ」。
ぶっといサイドシルは手のひらを広げたくらいの幅がありました。
↓カーボンモノコックのシャシーは単体で80kg程度と、軽量に仕上がっているそうな。
前後サスペンションは、もちろんダブルウィッシュボーン。
剛性感たっぷりのアームが、前後のフレームに連結されていました、よくよく覗いてみたら、
ダンパーから管が2本出てました。
これは、プロアクティブシャシーコントロールなるもので、前後左右のダンパーをつないで
油圧で制御するものらしい。
AUDIのR8にも似たようなものがついていたような。
確かヤマハが技術を持っていた記憶があるけど、これはオリジナルなんでしょうね。
↓ダンパーからニョッキリとステンレスメッシュホースが出ています。
ステアリングは、ラックケースやタイロッドがハブキャリアより前方にある所謂「前引き」タイプ。
ロアアームとほぼ同じ高さに、長めのタイロッドが配置されているのが、印象的でした。
基本中の基本をおさえて、ナチュラルなハンドリングを目指したのでしょう。
ただ、思ったよりインターミディエイトシャフトの折れ角が大きいことに違和感を感じましたが、
ここら辺は、バスタブシャシーの制限か、衝突時の衝撃からコラム部を守るためかも知れませんね。
エンジンは、リアのトラス構造をもつフレームに、でっかいブッシュを介して取り付けられていました。
エンジン自体の大きさは意外と小さく、見た目以前に乗っていたVWゴルフR32のVR6の
バンク角を広げて一回り大きくしたくらいでした。
ちなみにエンジン自体は、日産R390に積まれていたVHR35をベースに開発されているらしい。
オイルパンの無いドライサンプ方式なので、エンジンの搭載位置がとっても低い。
ここまで低くできたら、重心位置も理想に近いのでしょうね。
エンジンのVバンク上にはインテークが乗っているのですが、立派なアルミ製かと思いきや、
軽量化のためプラスチックでした・・・。
↓リアセクションのアルミフレームも、無骨でありながら機能美も兼ね備えている。
排気系はターボ車なので、エンジンから出たところで4本の排気管は1本にまとめられて、
タービンにつながっています。
タービンから出た排気ガスは、あまりに短い排気管を通ると、リアバンパーの上、
ちょうど人の腰あたりの高さで排出されます。
正直、真後ろには立ちたくないですね、排圧はかなりのものでしょうから。
↓排気管の位置関係がよくわかりますね。
何よりも、キャタライザーやら消音装置は役に立っているのかと思うほどの排気系でした。
その消音装置の下には、縦置きのデュアルクラッチトランスミッションのケースが見えます。
ミッション自体は、イタリアのグラツィアノ社製7速ミッションです。
「イタリア」と聞いただけで、ガクガクブルブルしだすのは、悪い癖ですね(^_^)
このミッションも、変な音が出たり、へそを曲げたりするのでしょうか。
↓かなりのスペースをとっている、ミッションケース
会場では「エンジン音が聞きたいねぇ」という声があちこちから・・・。
でも、エンジンはかけられないとのことだったので、脳内(妄想)エンジンサウンドを聞きながら、
舐めるように見て回りました。
エンジンサウンド自体は、フェラーリほど官能的ではないとのこと。
サウンドチューニングはあまりしてないのかもねと、皆で話してました。
ともあれ、このご時世に本格的「スーパーカー」(この呼び方で世代がわかりますね(^_^))が、
登場するのは、本当にワクワクしますね。
エコも大切だけど、車メーカーには熱い想いも持ち続けてほしいと改めて思いました。
それにしても、よい目の保養でした。
誰が買うんだろ?と思ってたら初年度入荷分はすでに完売とのことでした。
いやぁ、諭吉君はいるところには大勢いるんですね。