
YouTubeで「car crash」などと検索すると、昨今のドライブレコーダブームもあり、非常に沢山の交通事故動画を閲覧することができます。
ついつい寝ることも忘れて一晩中ひたすら見てしまったこともあるくらい、不謹慎な話ですが1コンテンツとして見入ってしまいます。これだけ沢山見ると、事故にはおおよその傾向があることがわかります。
投稿された動画は大抵が被害車両側の視点の動画であるのですが、「いつ事故を起こしてもおかしくないような運転」をしているものが多く含まれていました。つまり一見被害車両に見える車は実は事故を誘発するような運転をしているケースが多いのではないかということです。
具体的な例で言います。
・3車線の中央車線で渋滞車列中の加害車両Aは右折車両に車線変更した。
すると右折専用線をかけぬける右折を急ぐ被害車両Bの側面に接触した。
視点は被害車両Bのドライブレコーダのものですが、被害車両Bからすると突然左車線から避けられそうもないタイミングで車線変更をしてくる車に避ける暇もなくぶつかられた、という事になると思います。おそらく保険の割合も事故の結果として見ればA:B=80:20 くらいになるのではないかと思います。
しかし、私は被害車両の視点を見ているときに、「なんと恐ろしい運転をしているのだろう」と身震いしてしまいました。私だったら渋滞車列の横の車線をスピードを出して走行ことなんて恐ろしくてできない、と感じました。こういうニョキッと車線変更をしてくる車が出現したときに対処ができないということを感覚的に理解していたのかもしれません。
交通事故は起きないに越したことはありません。
起こす起こされるどちらにしても貴重な「人生の工数」を浪費します。
杓子定規に道路交通法をかざし、青信号だから赤信号なのに飛び出してくるのは悪い、だから事故が起こっても俺が正義!という性格の方は特に注意です。そういう方に限り事故が起きてしまった後の正義・悪にこだわり、事故が起こる直前の不測の事態に柔軟に対応しようとしないのです。つまり事故を未然に防ごうとする危険予測意識の欠如に繋がりやすいのです。
起きてしまった事故に対しては、どちらがどれだけ悪いかの落とし前をつけることに努力することは勿論必要ですし、金銭に絡む為、その割合を決めるロジックが決められていますので大いに活用するべきです。
それでは起きていないときに起きる・起こされる確率を推定する方法や、事故を起こす確率を減らすシステムはあるのでしょうか。
その1つに危険予測意識向上の為の経験則を知る方法があります。
まず自分の運転時間を「時間」単位で計測します。1週間運転して合計が20時間だとしましょう。運転をしている時に「自分がしてしまいそうになった」、「他人にされそうになった」を区別しないで、ヒヤッとした経験(ヒヤリハット)が少なからずあると思います。その回数をカウントします。
例えば3回あったとします。
これに「ハインリッヒの法則 (※脚注参照)」を適用すると、この方が70時間(約1ヶ月間)運転すると1件の軽い事故に巻き込まれる可能性があり、2000時間(2年5ヶ月間)運転すると大きな事故1件に関わる可能性がある、という統計経験則が導き出せます。
(1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、300件のヒヤリハットが存在している統計法則)
こう考えるとヒヤリを感じる機会が多い方はゾクッとしますよね。
逆にいうとヒヤリハットの機会をできるだけ少なくしようと意識することで、重大事故を起こす確率を減らすことができるのです。すると自ずと自責・他責関係なく、危険予測重視の運転になり、全ドライバーの統計的な事故数を減らすことに繋がるのではないでしょうか。
私はこの危険予測を勉強する一番手っ取り早く長続きしやすい方法として、YouTubeで「ドライブレコーダー 交通事故」で検索し、その検索結果動画をかたっぱしから見ることをオススメいたします。
このハインリッヒの法則の考え方を自動車教習の一貫として取り入れるだけでも全国の交通事故数が変わるのではないかと淡い期待を思わずしてしまいます。
以上、またうんちくでした。。
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■ハインリッヒの法則:
労働災害における統計的な経験則の1つであり、1つの重大事故の背景には、29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するという法則。
これは工場の労働災害の法則であるため交通事故にも同じ比率かどうかは不明です。ただし重大事故の背景には多くのヒヤリハットが積み重なっているという関連性は共通事項です。
Posted at 2013/02/28 01:15:51 | |
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