[訃報]日本一速い男を作り上げた男

訃報：ホシノインパルの金子豊氏亡くなる
2015.05.06

　ホシノインパルの取締役副社長でホシノレーシング代表取締役の金子豊氏が今月3日（日）に亡くなった。享年72。

　金子氏は、1980年に“元祖日本一速い男”、星野一義と共に株式会社ホシノインパルを設立。また1983年には、レーシングチームであるホシノレーシングを立ち上げ、代表取締役としてチーム総監督の星野一義とともにホシノレーシングを日本のトップチームのひとつに育て上げた。

（オートスポーツweb）



オイラの金子さんに関する
エピソードを１つ。

確か97年の
名古屋パフォーマンスカーショー
インパルのブースに。
ＧＴ選手権GT300仕様エアロの
S14シルビアが展示
ここまで仕上げると
いくらかかるのかと
カウンターのおねーさんに伺う
と「しばらくお待ちください
詳しい者に代わります」と退席
しばらくすると出てきたのが
なんと金子監督(当時)。
うぅわっ、スゴい人出てきたよ
と思いながらも車の話を聞くと

「エアロパーツの他にも
フェンダーを切断したり
色々作業するとトータルで
150くらいかな」

…そ、そうですか(汗)。
でもそれでGT300で活躍する
マシンと同じ外観は
手に入るんですものね
と話すと

「いや～、まだセッティングも
出てないしエンジンのパワーが
全然ないのにあんなに速いのは
完全にドライバーの本山(哲)の
実力だよ。」

とここから会話が
レースモードに。
この頃から彼の才能を
高く買っていたんですね。
この後は商売っ気なしの
レースの話ばかりに。
微かな記憶ですが
会話を思い出すと

「星野は怒ると手が
つけられなくてね、
一度控室の窓から
電話器が飛んできた
事があったよ(苦笑)」

「フォーミュラ・ニッポンの
星野の最後のレースで
リタイアしてヘルメットを
地面に叩きつけたでしょ
TVにも映ったけど。あれで
アライさんが怒ってね
翌日星野と二人で出向いて
土下座したよ(苦笑)。」

片山右京の話になった時には

「右京は上手くはないんだよ
乗り方が１つしかないから。
でも体力と根性はすごいね。」

「今フォーミュラ・ニッポンで
本当に実力があると思うのは
本山とトラ(高木虎之介)と…
□◇？□◇くんはねぇ、
あきらめるのが結構早い。
トップに引き離されてくと
かなり早い段階で
２位狙いの走りに
切り替えちゃうんだよね。
△□選手？△□くんはねぇ、
速いし巧いけど体力が
ちょっと足りないかな。
△○選手？彼は
資金力だけだよ。」

こんな感じで
気がつけば１時間ほど
経っていましたが
その間オイラや友人達は
興味深く話を聞き入ってました。

ドライバーに対しての
確かな目と自信を
強く感じましたし
星野さんへのあらゆる面での
献身的なサポートで
日本一速い男を、そして
日本一強いチームを
作り上げてきたんだと
この時に思いました。

故人の冥福を
御祈り申し上げます。