原子力発電は、火力発電のボイラーを原子炉におきかえたもので、
火力発電の場合は
ボイラーの中で石油などを燃し蒸気を発生させタービンを回して発電しているが、
原子力発電では原子炉の中でウランを核分裂させ、
このとき発生する熱によって水を蒸気にかえてタービンを回し発電している。
【火力発電の仕組み】
原子炉の中に核分裂をおこすウラン燃料のほか、水や制御棒が入っている。
水は中性子の速度を遅くして核分裂を起こしやすくする働きと
発生した熱を取り出す働きをかねている。
制御棒(燃料棒)は中性子を吸収して核分裂の量を少なくする働きがある。
原子炉の出力調整は原子炉の中を流れる再循環水量によるものと制御棒の出し入れで行うが、
停止状態ではすべての制御棒は差し込まれた状態となる。
起動時は徐々に引き抜き炉内の中性子数を増加させ
臨海から定格出力になるまで反応を上げていく。
冷却機能が失われると温度の上昇を制御できなくなり、
やがて800℃~900℃くらいから制御棒(燃料棒)が青白く輝きだす。
このまま放置すると俗にいう炉心溶融(融点2200℃の制御棒)が始まる。
軽水炉では溶けた燃料棒が(部分溶融で)冷却水に落ちると冷却水が激しく蒸発し、
水蒸気爆発が起きる可能性があり放射性物質を大量に放出する。
(1)原子炉圧力容器
燃料の核反応により蒸気を発生させる容器。
高い圧力に耐えることができる鋼鉄製の容器で、燃料や制御棒、ジェットポンプ、
気水分離器、蒸気乾燥器を内蔵しています。
(2)原子炉再循環ポンプ
原子炉圧力容器内の冷却水を循環させるポンプで、
ポンプの回転数を制御することにより冷却水の流量を変化させて、
原子炉の出力(核分裂の割合)を調節します。
(3)制御棒
中性子をよく吸収する物質でできており、原子炉の下から出し入れすることにより、
中性子の数を調整し、原子炉を起動、停止したり、原子炉の出力を調節します。
(4)原子炉格納容器
原子炉圧力容器や原子炉再循環ポンプを覆っている
寸胴形の容器と圧力抑制室で構成される気密性の高い容器。
万一の配管破断事故などにより、
原子炉設備から放出される放射性物質を閉じ込める役目を果たします。
(5)圧力抑制室
常時水を貯蔵している円環形の容器で、万一配管が破断した場合、
原子炉格納容器内に漏れた蒸気をプールに導き、大量の水で冷却凝縮し、
原子炉格納容器内の圧力上昇を抑制します。
(6)復水器
タービンを回した後の蒸気を冷やして、水に戻す設備。
復水器の中にある約3万本の細管には海水が通っており、蒸気を効率よく冷やします。
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東日本大震災(2011/03/11) | ニュース
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2011/05/05 21:42:13