
例によってどこにもニーズの無い身勝手なバイク論になります。読む価値が無い上に人によっては気分を害する可能性がありますので戻るボタンをクリック!
ツーリングやサーキット走行が何よりも楽しいバイク活動ですが、月に20日は通勤で都内街乗りをしているため、私の中ではどうしても通勤性能が高いバイクに対する評価が高まってしまいます。
20代の頃もCB400SF・CBR600F4i・CBR954RRなどで通勤をしていましたが、若かったこともあり姿勢も雨も積載性も何も気になりませんでした。
40代になってから復活し、その後通勤に使った3台のバイクを独断と偏見で比較し、最速の通勤バイクは何なのかを考えてみたいと思います。
バイク仲間の中にもツーリング用にSSを所有しながら、通勤は原2スクーターやグロムみたいなのを使う2台持ちの人が結構います。燃費や積載性を考えるとそういう選択肢もアリだと思いますし、私もRSV4Rで通勤している時は「原2と2台持ちにしようかな~」と本気で悩みました。
さて、RSV4Rは「オマタが冬でも汗だくになるほど熱い上にすぐ壊れる」ので通勤バイクとしてはダメダメでした。よって、それ以外で半年以上所有して通勤で使った以下の3台を比較してみます。
1. スズキ アドレスV125S 2016
2. ヤマハ MT-07 2017
3. ヤマハ YZF-R1 2003
この3台から「通勤バイクはどれにしますか?」と言われたら、多くの人はアドレスV125SかMT-07にしますよね。では、通勤で必要とされるスペックや性能について冷静に比較してみましょう。
①加速力
シグナルダッシュという言葉があるように、街乗り通勤では信号待ちからの加速力が問われます。まだ赤なのにフライングする命知らずがいますが、仮にフライングされても次の車群に追い付くまでに抜き返せるだけの加速力がないと、その勇敢すぎるライダーのスリ抜けが自分より遅かった時にずっと前を塞がれる事になります。これがダルイ!
加速力はトルクウェイトレシオで比較してみましょう。
トルクウェイトレシオは単純な計算ではなく、比較サイトの「車両重量÷1速ギヤの最大駆動力(最大トルク×1速のギヤ比×ファイナルギヤ比÷タイヤの有効半径)」にて算出しています。この数値の方が実際の発進加速がよくわかると思います。
1. アドレスV125 0.82kg/kgm(101kg/123.0kgm)
2. MT-07 0.57kg/kgm(183kg/322.5kgm)
3. YZF-R1 0.51kg/kgm(199kg/390.7kgm)
参考までにトヨタの2019年式のスープラのTWRが0.6、GT-Rが0.61くらいです。
125ccのアドレスでも一部のスポーツカーにベタ踏みされない限りはシグナルダッシュでは四輪をリード出来ます。86でベタ踏みしても1.13とかですからね。
排気量や馬力の違いの割には、ツインでトルクの太いMT-07が健闘していることがわかるかと思います。今乗っているR1と比較してもシグナルダッシュではMT-07で不満を感じた事はありません。
ただし、MT-07は1速でレブまで引っ張っても75km/h程度であるのに対して、R1は130km/hくらいまで引っ張れるので並んでよーいドン!ってやったらやはりリッター勢の方が有利でしょう。
まあ、街乗り通勤でそこまで開ける事はありませんが、MT-07かR1なら原2族はもちろん、250cc勢にフライングされても100mもあれば余裕で抜き返せます。てかフライングするなや…
というワケで、加速力に関しては「MT-07かYZF-R1が通勤向き」ということになります。
②スリ抜け能力
これ大事ですよね。
いくら先頭に躍り出ても、次の信号待ちでスリ抜け出来ずに先頭に出られなければ意味がありません。とりあえずはカタログ上の全幅で比較してみましょう。
1. アドレスV125S 全幅635mm
2. MT-07 全幅745mm
3. YZF-R1 全幅705mm
バイクで一番幅があるのはミラーの部分です。車種によってミラーの高さも異なりますが、大抵ミニバンやトラックのミラーの高さとビンゴで、ハンドル幅的には余裕でスリ抜け出来るのにミラーが邪魔で抜けられないという局面がよくあります。
従って、通勤勢はショートミラーに替えたりオフ車用のミラーを肩の上まで伸ばしたりするのですが、ショートミラーは後方が全く見えませんし、オフ車ミラーも肩上まで伸ばすと振動で走行中はロクに見えません。
そこで有利になるのが純正カウルミラーでよく採用されるワンタッチで畳める機構です。私の年式のR1は全幅705mmでそもそもスリ抜けしやすいですが、ミラーを畳むとハンドル幅は660mmくらいしかありません。両側畳んだ状態なら「肩幅さえ通ればいける」状態になります。
しかも、走行中に左手でパンパン!とやるだけで畳むも戻すも自由自在なので、妙に端に寄っていてスリ抜けしにくそうな車がいる場合は結構頻繁に畳んでいます。
MT-07も手動で角度が変えられるミラーに替えてからはそれなりにスリ抜け出来ましたが、フルカウル車のスリ抜け能力に慣れてしまうとやっぱり07は幅広だったんだなと思います。07の時はショートミラーの原2は通るのに私は通れない局面が稀にありましたが、R1になってからは原2が通れば私も通れます(笑)
というワケで、スリ抜け能力的には「アドレスかR1が通勤に向いている」となります。
③積載性
車載能力に関しては言うまでもなくシート下スペースが使えるアドレスの圧勝です。サイズによってはフルフェイスも入るパターンもありますしね。
私の場合はアドレスとMT-07にはキャリアとリアボックスを積んでいたため、通勤でも手ブラで乗れて非常に便利でした。
YZF-R1も2003年式の5PWはタンデムシート下に結構物が入るので、ドラレコ本体やETCを余裕で積め、キャリアやタンデムシート置換型のボックスステーも積もうと思えば積めます。
でも、今は敢えてリアボックスは積まずにナップザックを背負って通勤しています。その理由は…
ボックス積んでると「あまり飛ばさない人でしょ」とナメられてシグナルダッシュ時に無駄に前に出てくる原2族が多いんですよ…
これは気持ちはよくわかります。私もアドレスで通勤していた頃、排気量の大きいバイクと信号待ちで並んだら、先に行ってくれるだろうと読みから無理に前に出ずに先に行かせるようにしていたのですが、予想以上にスリ抜けが遅くてつっかえちゃう事がよくありました。
特にリアボックスを積んでいる中型以上の車両はまったりツーリングが好きな人が多いのか街中ではやたら遅い事がよくあります。別に何も悪くないですしむしろバイク乗りの鑑です。でも、つっかえたくはないので抜ける場面があればさっさと抜く事が多かったです。
なので今はボックスなしです。
利便性としてはボックスがあった方が絶対楽なので、「ボックスを積んだバイクが通勤向き」となるでしょう。
④総評
朝の通勤時間帯は大体いつものメンバー的な感じで私のペースを認識してくれる常連さんが多いようで、無茶なフライングダッシュはされにくくなりましたが、帰りの時間はマチマチなので今日もナンバーを手で曲げている原2に何度もフライングされながら帰ってきました(笑)
私は別に通勤バトルで最速を目指している訳ではないのです。R1通勤になってからはフルスロットルにすることは滅多になくなり、青信号が出来るだけ続くペースに抑えながら走っていますし、私より速いバイクはガンガン先に行ってくれて構いません。その代わりに、私よりペースが遅いなら先に行かせて欲しいだけなのです。原2族の一部はタバコを吸いながら乗っているので、後を走ってると冗談抜きで灰が飛んできますしね…
長々と無意味な文章を書き連ねてきましたが、現時点ではR1での通勤が一番快適かつ最速です。2000年代前半のSSはストリートメインでの開発ということもあり、セパハンながら乗車姿勢もキツくなく、燃費も街乗りで12km/L程度なのでブン回していたMT-07の13km/Lとほぼ変わりません。
もちろん、原2で30km/Lくらい走ってくれたら、長く乗れば元が取れるかもしれませんが、車両価格や保険代も計算に入れると、損益分岐点が4~5年先なんですよね。私の性格的に非力なバイクを買ったら少しでも速くするために余計なカネを使っちゃいそうですし(笑)
というワケで、今のR1が壊れるか飽きるまでは1台体制で通勤もR1で続けると思います。リアホイールを増やして通勤用のANGEL-STとツーリング用のハイグリップを30分程度で交換出来るようになったため、タイヤ代を気にすることもなくなりました。フロントはハイグリップのままですが、街乗りだとフロントは全然減りません。
ちなみに、通勤で毎日SSに乗っていても、ツーリングやサーキットのスキルや速さは全く身に付きません。経験値だけで運転が上手くなるなら、タクシードライバーが最速ということになりますが無関係ですよね。
でも、毎日乗っているとバッテリーは上がりにくいし愛車に対する愛着はやはり湧いてきます。今も週2くらいでメンテスタンド掛けて色々手入れしてますから、皆さんも試しにメインバイクで通勤してみたらいかがでしょうか?
とか言って、半年経ったら「通勤用にGSX-S125買いました♪」とか言ってるかもしれませんがw