
最初にお断りしておきますが、100%独断と偏見に基づいていますので、「そういうテキトーなセッティングの出し方をしてるアホな人もいるんだな~」くらいの気持ちでお読み下さい。みん友さん限定公開なので、私も好き勝手に書いています(^^;
サスセッティングに最終的な正解はなく、サーキットで速いセッティングが公道でも使いやすいかは別問題です。さらにライダーの体重・乗り方・好みによっても「その時の正解」が変わります。それでも、自分にとって乗りやすいと思えるセッティングにしておいて損はありませんので、「サスセッティングと言われても何が何だかよくわからない」とか「純正指定のまま特に何もやったことがない」という方は、試しに以下の方法を試してみましょう。少なくとも、セッティングを変えるとバイクの挙動が変わる事が理解できるという事だけは保証します(当たり前)
①ツーリングに行く時の装備重量でバイクに跨りましょう
ハンドルを握り、両足は軽く地面に付けるだけで、体重はお尻に掛けながら上半身だけで良いのでライディングっぽい姿勢を取ります。
この時に「フロントとリアのどちらの方が沈み幅が大きいか?」を感じてみましょう。
意外にも停車状態でのMT-07の前後重量配分はほぼ50:50なのですが、シートに座ったら明らかにリアヘビーになるので、リアサスの方が沈み幅が大きいと感じると思います。なので、フロントフォークの突き出し量を少し増やしましょう。
よくわからなければ2.5mm。明確な違いを感じたければ5mmがお勧めですが、わかるようになったら後は好みですし、後でプリロードも少し触りますので気にしすぎなくてOKです。フォークを突き出し、ちょっとだけ前掲気味にすると、跨った時にフロントフォークもリアと一緒に沈むのがわかるようになります。
②フロントブレーキを掛けながら、バイクを前後にユッサユッサしましょう
本気でユサユサしてみましょう。100km/hからのフルブレーキなどではもっと荷重が掛かるでしょうから、遠慮なく大袈裟にユサユサします。そして、「ユサユサした時の前後の振れ幅の違い」を感じて下さい。
私の中での目安は、この前後の振れ幅が同じくらいになるところをプリロード等で調整します。
純正サスの場合は明らかにフロントの振れ幅が大きくなるでしょう。その場合の対処法は2つです。「リアのプリロードを抜く」または「フォークオイルの油面を上げる」です。バネ交換等は「かんたん」の趣旨に反するのでここでは書きません。
フロントにインナーカートリッジを入れたりしてフロントのプリロードが触れる方は、「フロントのプリロードを掛ける」でも振れ幅のコントロールが出来ます。
前後共プリロードが弄れるとして、プリロード強めが良いか弱めが良いかは体重と好み次第です。プリロード強めの方が軽めの荷重では沈み込みが少ないのでバンク角が稼げます。私は弱めで低重心気味に感じる方が安心して乗れます。
純正サスで出来る事はここまでです。リアプリ最弱でもフロントの方が振れ幅が大きいなら、フォークオイルの油面を上げるくらいしか出来る事がありません。③を飛ばして④に進みましょう。
③ユサユサした時の前後サスの戻り方を確認しましょう
社外サスやカートリッジで減衰調整も出来るなら、次はサスの戻り具合を見てみましょう。中高速コーナーで踏ん張って欲しいなら「沈んだサスが初期位置に戻って止まる」状態を目指して伸び側減衰を調整します。推奨設定くらいだと大抵は「一旦戻り過ぎてからリバウンドして初期位置に戻る」と思います。
OHLINSでもリアサスは伸び方減衰しか触れませんから、カチカチやってリバウンドがないくらいの所で止めます。
フロントフォークは社外を入れたら圧側も触れると思いますが、基本的に圧側は触らずに、伸び側メインで調整します。私が圧側を触るのは、走行距離と比例するフォークオイルの劣化に合わせて徐々に強める場合のみです。伸び側か圧側どちらかの減衰を最強にしてもフォークが動きすぎるようになったらフォークオイルの交換時期です。
とはいえ、「初期位置に戻って止まる」レベルのセッティングだと、高速道路と中高速コーナーは非常に気持ちよく走れますが、狭い峠などではバイクが重くなったように感じて軽快感が損なわれるでしょう。そこから先は1クリックずつ弱めながら、自分にとって一番安心して走れるポイントを探しましょう。街乗りやバンピーな峠では私も少し弱めて乗っています。
④下りのヘアピンで底突きしないセッティングにしておく
これも単なるお勧めであって異論が多々あると思いますが、公道ツーリングで最も大切なのは「バイクの限界を超えてしまって制御不能になって転倒しないこと」だと思っています。
峠には登りも下りもありますから、普通に考えれば平地でベストのセッティングにしておいて、登り下りに合わせて乗れば良いと考えてしまいますが、登りでリアが底突きして多少暴れても、リアの破綻はリカバリー出来る事が多いです。しかも07のパワーだと登りで全開にしてもハイサイドなんて起こりませんw
逆に下りのヘアピンへのツッコミでフロントが破綻してしまうとまず助かりません。だから公道におけるセッティングの目安は「下りでフルブレーキしてもフロントが破綻しないこと」だと考えています。
このあたりにセッティングを合わせると、登りのヘアピンが苦手になったりしますし、ジムカーナとかをやる方にとっては非常に走りにくいセッティングになるかと思いますが、「下りでもフルブレーキ出来る安心感」の方を優先しています。
とまあ、色々書いてみましたが、100%独断と偏見ですし、方向性やセッティング方法が違っても要は「乗っている本人が一番安心して扱いやすいと思えるセッティング」にするのが一番です。
購入以来07を色々と弄ってきましたが、私の基本路線は「安心して乗れるバイクにしたい」です。気付いてみたらMT-07の軽快感はどこへやらというようなバイクになってきていますが、安定感だけは出てきましたので、膝を擦りながら「膝擦りは楽しいけど、ここは膝擦らない方が速く走れるな…」と思える程度の余裕は持てるようになってきました。
Posted at 2019/11/03 23:25:21 | |
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バイク論 | 日記