
さて,RCAケーブルを自作してみましょう,という話までしたところです.RCAケーブル(ピンケーブル)を自作しているサイトはたくさんあって,初心者の方はどのようなケーブルを使えば良いのか,どのような端子を使えば良いのか大いに迷うことでしょう.今日のところは比較的廉価に,かつ基本的性能の高いRCAケーブルを作ることを目標にしてみましょう.
1. ケーブルの選択
極端な場合を除けば,一般的にはシールドケーブルを使うことになります.シールドケーブルには大きく分けて,(1)同軸単芯,(2)同軸2芯,(3)同軸4芯などがありますが,入門版としては単純に(1)の同軸単芯のケーブルから選ぶのがよいでしょう.二芯以上のケーブルを使い,シールドの外皮を別途機器のアースに接続するのが中上級なのですが,この方法でもノイズが取れない場合が多い(効果があまり出ない)ことを考えて,今日は単芯のケーブルを使う場合について書くことにします.入手しやすい同軸ケーブルとして,以下の4種類を挙げておきます.
・ モガミ 2524 単芯シールド 外径6mm
・ モガミ 2473 平行タイプ,単芯シールド 外径5mm×2
・ カナレ GS-6 単芯シールド 外径5.8mm
・ カナレ GS-4 単芯シールド 外径4.0mm
有名なベルデンで単芯のケーブルは知らないので(あったらごめんなさい),モガミとカナレを挙げました.それ以外のメーカーにも単芯のケーブルはありますが,高周波用だと外皮が固く,取り回しが極端に難しいケーブルがあるので注意してください.ちなみに上に挙げた4種類のケーブルはマイク用(もしくは楽器用)のケーブルです.
カナレを使うか,モガミを使うか・・・ これはもう好みでしょう.私はなんとなくシールドが網線のほうが耐久性に優れるような気がしたので,カナレGS-6を購入しました。太いのが好みならGS-6を,車のフロア下を通しやすく細めがお好みならGS-4がいいでしょう.また,平行ケーブルでプラスマイナスをいっしょに作りたいのならモガミ2473がよいと思います.
2. RCAコネクタ
コネクタはケーブルよりももっと悩むと思います.よほど拘りがある場合を別とすれば,高級品は必要ないと思います.一部の商品はオカルトの域に達している商品もあり,非科学的な宣伝文句がついて,極めて高い値段で売られています.高額の商品を買いあさることが趣味な人は別として,普通の価値観を持つ方々はそんな眉つばの商品に手をだしてはいけません.それではお勧めのプラグを挙げておきましょう.まず,カナレから.
・ カナレ F-09
・ カナレ F-10
どちらも定評のある業務用の製品です.かなり極端な論調でF-10のほうが音がいいと述べている方がいるようですが,常識的には音に差はないと考えるべきでしょう.アンプなどによっては大型のプラグは互いに干渉して付けられない場合がありますから,カーオーディオ用には小型のF-09のほうがよろしいかと思います.なお,F-10は,マイナス側端子のシールドを接続する部分にケーブルを通す穴がないため,金具の表面に直接シールドをはんだ付けしなければならず,ちょっと慣れが必要です.その点でもF-09のほうが使いやすいです.性能面では申し分ないのですが、色分けのラベリングが施されていないので、L-chとR-chの区別をつけるためには、赤・白の熱収縮テープをかぶせるなどの工夫が必要です.これらの理由から,私個人としてはトモカ電機(Tomoca)製のRCAプラグJS-65をお勧めしておきます.
・トモカ(Tomoca) JS-65W(白), JS-65R(赤) (写真上)
http://tomoca-shop.jp/shopdetail/001008000029/061/004/product/
このプラグ,赤(R)と白(L)のラベルが付けられているので,L-chとR-chを色分けできるので便利です.コネクタ部分も丈夫な構造で,端子のはめ込みもしっかりとしています.シールドをはんだ付けする部分の金具には穴が空いているので作業がしやすいうえに,プラスの端子と距離を十分とってある(写真ではわかりにくいかもしれません)ため,ショートの心配が少ないです.私にとっては,ベストに近いRCA端子として挙げておきます.
当初,すべての自作プラグにはトモカJS-65を使っていたのですが,Audiocontrol社のプロセッサとの相性が若干悪く,はめ込みがかなりキツめでした.使い続けるとプロセッサ側のRCAメス端子を壊しそうだったので,それに代わるRCAプラグを秋葉原と大須(名古屋)で探しました.結果,
写真(下)にある金色のRCAプラグを大須の第2アメ横ビルで購入して使っています.値段は確か200円前後だったと思います.はめ込みはトモカのプラグよりも若干緩めで,ノーブランド品ながら,質感も思ったほど悪くありませんし,赤と白のラベルも付いています.音もまったく問題ありません.シールドを通す穴がプラスの端子に少々近いことがちょっと気になりましたが,ショート防止のためプラス端子をチューブで絶縁処理して対応しました.
ほかにもノイトリックをはじめとして,よく自作に使われているRCAプラグはたくさんあるわけですが,
1. 端子部分のはんだ付けがしやすいこと
2. 色分けのラベルが施されていること
3. 端子のはめ込みが極端に固すぎないこと
を基準に選んでみました.
とりあえず,今日はここまでとさせて頂きます.また続きを書きますので.
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Posted at
2010/03/22 01:12:40