手持ちのカメラ、撮った写真のほとんどがデジタルになって久しい。一眼はかなりフィルムでがんばってきたのだが、3年前にNikon D40を買ってからはフィルムで写真をとる機会は激減してしまった。写真をとってフィルムをカメラ屋に出し、プリントしてもらってアルバムに入れて楽しむという時代から、いまはなんとなく撮って、それをなんとなくパソコンに入れて、パソコンのモニターで眺める・・・そんな楽しみ方に変わってしまった。
もちろん、デジタルになって便利になった部分はたくさんある。シャッターは切り放題。撮りミスした画像は瞬時に消せるし、加工だって思いのままだ。そういった部分ではフィルムの時代に比べてほんとうに便利になった。ただ、一枚一枚にかける思い入れというか、情熱というか、切り取った一瞬に関する感動は、少し薄くなってしまったように思う。
大学生の頃、貧乏学生で一眼レフを変えなかった私は、昔から憧れのコンパクトカメラだったOLYMPUS XAを手に入れた。バリア式の非常にコンパクトなフィルムカメラ。35mmF2.8の明るい短焦点。なんと絞り優先オートで、ファインダー内には針式のシャッター速度表示まである。合焦は二重像合致式のマニュアルフォーカス、まったくの小型レンジファインダーカメラである。感度設定もマニュアルなので、露出補正も思いのままだ。
とにかくどこへいくにも持って行って、大学生時代の写真という写真はXAで撮った。当時の恋人、つまりいまの家内はXAのセミマニュアルの操作を面倒がっていたが、少し絞って3mにピントを合わせてやれば、そこそこの写真が撮れたのである。はっきりいって解像度もそれなりで、ぼけも美しくない。それでも、よい写真は心で撮るものだと教えてくれたのがこのカメラである。自分が若い頃の写真のなかで気に入っているもののいくつかは、このXAで撮ったものだ。予備機もあわせると3台のXAを所有しているが、残念ながら付属のフラッシュユニットは結構壊れているのが多い。
このブログの写真を撮ろうと久しぶりにカメラを出してきて驚いた。フィルムが装填されている。記憶からすると、ここ4年ぐらいはフィルムを入れた記憶がない。既に8枚ぐらい撮影しているので、現像すると思いがけない写真が入っているかもしれない。
小さいカメラが好きでOLYMPUS XA, RICHO FF-1, KONICA Big-mini, CONTAX T2など、いろいろ使ったが、やはり自分はこのXAがいちばん好きだ。フィルムでの撮影はほとんどしなくなってしまったが、このXAだけはずっと手元においておこうと思う。
ちなみに、コンパクトデジタルカメラでXAのように私の感性にぴったり合うカメラにはまだ出会っていない。というわけで、いまだに私自身の「コンデジ探しの旅」は続いたままである。
Posted at 2013/01/20 03:40:54 |
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