
近所の酒屋を探し回った結果、やっと見つけた「ブラックニッカスペシャル」である。札幌のすすきのにいくと、薄野交差点の角のビルに"キングオブブレンダーズ"の広告が掲げられているのがすぐ目に入る。ニッカといえばこの「髭のおじさん」であり、ニッカウィスキーといえばブラックニッカなのである。ブラックニッカの正統派が、このスペシャルとなる。ブラックニッカには、現在のラインナップでクリアブレンド(700ml=700円程度), スペシャル(720ml=1300円程度), ブラックニッカ8年(700ml=1300円程度)の3種類がある。このうち、クリアブレンドはウィスキーとしてのクセをおさえた飲みやすい味に仕上げてある酒で、残念ながら古くからのウィスキーファン、ニッカファンには評判が悪い。つまり、本来のウィスキーとして楽しむのであれば、"スペシャル"もしくは"8年"が最低ラインとなる。で、今回買ってきたのは正統ブラックニッカの「スペシャル」である。1965年発売のブラックニッカ本来の味を楽しむなら、この酒をおいて他にない。
飲んでみた印象だが、確かにクリアブレンドよりはコクも香りもずっと上だ。とにかく、ウィスキーの味がする。ただ、無印余市や宮城峡を飲んだあとだと、ちょっと物足りない感じはするかもしれない。香りやコクは若干弱めの印象である。
とはいえ、無印宮城峡、クリアブレンド、ブラックニッカスペシャルの3本を前にすると、なぜかスペシャルに手が伸びるのである。つまり、値段に対するコストパフォーマンスが極めて高いのが「スペシャル」なのだ。クリアブレンドはどうしたって3杯目以降に飲もうかと考える味だが、スペシャルは1杯目でもいけるうえに、2杯目、3杯目でも手が伸びるウィスキーなのである。これには感心した。とにかく、濃い目の水割りがいける。どんどん飲みたくなる「ガツンとくる」味なのでである。
やはり、ニッカの価格帯の底辺を担うラインナップのひとつとはいえ、ブラックニッカ・スペシャルは、所謂「侮れない」ウィスキーであることがわかった。「俺は余市しか飲めない」、「いや最低でも宮城峡だ」という方も、家に一本はこの"ブラックニッカスペシャル"を置いて頂くとよいのではないかと思う。なんというか、ほんとうにうまい酒=高いから旨い酒だけでなく、安いけれど旨い酒を楽しむのも、ウィスキー党にとってはたまらない時間なのである。
ブラックニッカ・スペシャル、720ml=1300円のウィスキーを、心ゆくまで堪能していただきたい。
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お酒 | グルメ/料理
Posted at
2011/07/12 04:42:27