2011年12月07日
さて、昨日の続き。タイムアライメントのセッティングについて書かせて頂くことにする。
カロッツェリアなどの最近のHUにはオートタイムアライメントなる機能があって、マイクを使った音場測定を行って、リスニングポイントからスピーカーユニットまでの距離を測定してくれる。ただ、なぜかうまくいかないこともあって、首を傾げたくなる距離をはじき出すこともしばしばだ。
ではどうしたらよいのか。結論から言うと、耳からスピーカーユニットまでの距離をメージャーで測って、その距離を入力すれば良いのである。アルパインなどではタイムディレイで入力する必要があるから、距離差を波動伝播速度(約340m/s)で割って、時間に換算して入力すればよい。耳からの距離・・・ あまり考えずに、左のユニットに対しては左耳から、右のユニットに対しては右耳からの距離でよいと思う。この考え方に納得できない方は両耳の中心を基準点にしてほしい。
「反射音があるから実際の距離を測って入力してもダメですよ」という方がいらっしゃるかもしれない。通常、ホームオーディオにおける直接音の比率は20%以下といわれており、耳に届く音のほとんどは間接音なのである。つまり、間接音の影響を考慮しなければタイムアライメントはうまくいかない、というわけだ。
しかし・・・ 実は間接音の問題は非常に奥が深くて難しい。間接音による位相の変化や発音タイミングのズレは、周波数帯域で一様でないのである。たとえば、比較的周波数の高い女性ボーカルで、音像が自分の正面にくるようにセッティングしたとする。しかし、そのセッティングでは、男性ボーカルの音像が左(もしくは右)に寄ってしまうといったケースがでてくるのである。そのため、人によって望ましいと考えるタイムディレイの値が変わってくるのである。経験のあるオーディオショップにセッティングしてもらっても、自分で聴くとしっくり来なかったりするのはこのためだ。
私の場合もさんざん悩んだ結果、オーディオソースによらず万能なTAセッティングというのは無く、ある程度妥協するほうが賢明のような気がしてきた。その結果、メージャーの測定値をそのまま叩き込むことにしたのである。悩むよりもそれがベターだと判断したのだ。ミッドに対しても、またツイーターに対しても、基本的にはそれで十分ではないかと思っている。基準点に関しては、カーオーディオの場合、どうしても助手席側の耳(左)が助手席側ユニット(左ch)の音を聞く割合が高くなるので、あくまで左ユニットに対しては左耳、右ユニットに対しては右耳からの距離でセッティングしている(くどいようだが、実際は個々のユニットの音が両耳に届くから、ほんとうはもっとややこしい議論になるのである)。
最後に、実はTAよりももっと重要な項目がある。個々のユニットの音量だ。なんとなく以前は、運転席に近い側のユニットの音量は下げて、遠い側の音量を上げるべきだと思っていた。実はこれは逆なのである。ボーカルなど、センターから聞こえるべき音を自分の正面にもってくるには、運転席側のユニットの音量を上げるようにセッティングすべきなのだ。ユニットの音量に関するセッティングと、サブウーハーのセッティングに関しては、また次回に述べることにしたい。
追伸 小生(のブログ)に対して共感して頂き、お友達のお誘いを多くの方々からいただいています。ありがとうございます。しかしながら、仕事の都合で長期間ブログの更新ができない場合があるため、基本的にお友達のお誘いには返答を控えさせて頂いております。また、個人的には第三者の方々からの評価を期待しながら一喜一憂してブログを作成し続けるのは苦痛と考えているため、本ブログはやや"一方通行的かつ自分勝手な(笑)"情報発信とさせていただいております。その点をどうかご了承ください。今後ともよろしくお願い致します。
Posted at 2011/12/07 03:21:54 |
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