さて、ここまでタイムアライメント(TA)の概念と、セッティングに対する基本的な考え方について述べてきて、左右のスピーカーユニットの音量(音圧)が大事だというところで議論が終わっていた。本日は、左右の音圧について議論しよう。
昨日までと同様に、左右に配置されたスピーカーの間、やや右側にオフセットされた位置にリスニングポイントがあり(点C)、左スピーカーは中心線に対して60°、右スピーカーは30°の位置にあるものとする。この角度であれば三角比は1:2:√3となるので便利だ。
スピーカーからの音圧は距離の2乗に反比例する。左スピーカーからの音源の強さを
P L、右スピーカーからの音源の強さを
P Rとする。左スピーカーからリスニングポイントまでの距離を2√3とすると、右スピーカーからリスニングポイントまでの距離は三角比を用いて簡単に計算できて2となる(ここでは具体的な長さは与えていません)。この距離から、左側と右側のスピーカーによるリスニングポイントの位置での音圧
F L、
F R はそれぞれ、
F L =
P L /(2√3)^2 =
P L /12,
F R =
P R / 2^2 =
P R /4
となる(図の青矢印と緑矢印が
F Lと
F Rである)。これら2つのベクトルを合成したものが、合成された音圧ベクトルであり、音の方向を決める。いま、左右のユニットからモノラルの信号を入力し、タイムアライメントを適切に設定したとして、それらの2つの音の合成ベクトルが下向きとなるようにしたい。つまり、ボーカルが「真正面」から聞こえてくるようにするには、
F L と
F R のベクトル和が真下を向くように
P L と
P R を決めればよい、ということになる。計算の途中経過は省略するが、最終的に
P L と
P R すなわち、左右のスピーカーユニットにおける音圧の関係は以下のようになる。
すみません,12/8に書いた以下の議論には計算間違いがありました.どうも解せないので,先日の書き込みを削除させて頂いて,もう一度よく考えてから書き直します.ほんとうにごめんなさい.
Posted at 2011/12/08 00:33:28 |
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