
「ロングバケーション」をご存知だろうか。YESと答えた方々は、世代的にはおそらくもう30代後半から40代といったところの方々だろうか。社会現象にもなった1996年の月9ドラマである。ひょんなことから同居することになった葉山南31歳(山口智子)と瀬名秀俊24歳(木村拓哉)がしだいに友情を超えて恋愛に発展するといった典型的なラブストーリーである。
お盆の夏休みはなぜか「独身」だったので、以前、ハードディスクレコーダーに撮りためてあったロングバケーションを一気に見た。もう15年前のドラマだが、携帯電話が無いという点を除けばそれほど違和感はない。非常に良いドラマ、いや・・・間違いなく近年のトレンディドラマの中では不世出の傑作、間違いなく名作だろう。
何といっても山口智子である。すべての動作、しぐさ、振り返ったり、しゃがんだり、膝を抱えたり、何もかもが計算しつくされたような出来なのである。もちろん、私自身が以前から山口智子のファンだったということもあるのかもしれないが、とにかくすべての演技が絶妙かつ最高なのだ。特に木村拓哉とのアドリブとも思えるような "おふざけ" は完璧を超えている。加えて彼女のファッション。カジュアルからちょっとカチッとしたスーツまで考えつくされたセレクトがなされている。よっぽどセンスのいいスタイリストがいたのだろう。
台本は・・・あたりまえなのかもしれないが、まさに山口智子のために書かれている。というより、このドラマ自体が、山口智子のためにあるようなドラマである。"葉山南"の適役が、15年経った今もまったく見つからないのだ。
山口智子は「ロングバケーション」以来、ドラマから距離を置いているようである。もちろん、唐沢寿明と結婚したというのもあるのだろうが、彼女としても「ロングバケーション」で、何かをやり終えたというか、すべてを出し切った感があったのかもしれない。
山口智子は、間違いなく日本の女優のひとつの理想形である。
できるのなら・・・ 15年前に戻りたくなった。
Posted at 2011/08/16 03:45:03 |
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