
今日は「リア」のシステムの話である。
RAオデッセイはリアドアにもスピーカーが入っている。この場所にはしばらくのあいだ、KickerのミッドローユニットRMB6が入っていた。サブウーハーの代わりにしていたのである。しかしながら、このRMB6, あまり音がよくない上に故障しやすい。2度目の故障と相成って、持っていた2セット4個のうち残ったユニットをヤフオクで処分してしまった。満足のいく音が出ていなかったのは、デッドニングをマトモに行っていなかったというのもあるが、このRMB6, 本来は3Way/4Wayのローレンジ用なのだろう。なので、RMB6を外してからはドアにはぽっかり「穴」が空いていた。もちろん穴はアルミテープでふさいであったのだが。
カーオーディオは一般にフロント信仰が根強く、リアのユニットは不要と言う声が根強い。ミニバンの2列目、3列目でさえも、フロントユニットの音を聞ければそれで十分と言う意見が大勢だ。だが、どうだろうか。やはり2列目以降にもユニットはあったほうがドライブを楽しむ家族は幸せなのではなかろうか。
で、やっとのこと重い腰をあげてリアドアへのユニットインストールを開始した。ミッドウーハーは以前にフロントで使っていたTS-V07Aのミッドである。いまフロントで使っているTS-V171Aほどではないものの、このミッドも非常に優秀なユニットだ。音にスピードがあり、高解像度、細かな音が良く出る。低音はやさしく、パンチはあまりないが、決してゆるいわけではない。音の立下りがきれいなので、余韻がきれいに出る。カロのVシリーズはいいユニットである。ツイーターはKickerRS65.2のツイーターを選んだ。高解像度でニュートラル。ハイエンドまで無理なく伸びている。音のキャラクターが強くないので、TS-V07Aミッドとの音色のマッチングも良好だ。
当初、これをKicerR6用のパッシブクロスオーバーで鳴らしていた。-18dB/-12dBOctの非対称クロス、ツイーター用の可変式アッテネータとミッドのインピーダンス補償回路も備えた良質なクロスオーバーなのだが、どうしてもマルチアンプで鳴らしたくなってしまい、いまはAudiocontrol 2XSを介して3.6kHzの-18dB/Oct、ALPINE MRV-F300 4chアンプで鳴らしている。アクティブクロスオーバーでミッド・ツイーターのレベル調整が可能だ。これらのレベルはテストトーンとテスターを使ってしっかり追い込んでいる。
写真には写っていないが、ツイーターの位置はミッドの右下45°のあたり。ドア内張りの空いているスペースを選んだ。どちらかというと位置的にはキックインストールに近い。ドアの上部にツイーターを装着するのなら、ミッドに対してのアッテネートは-6dBぐらいでよいのだが、下部につけることになったため、-3dBに。好みでもう少し絞ってもよいかもしれない。
ツイーターの設置位置は、いろいろ悩んだ結果であるが、あとで考えてみれば、Bピラーの下部でもよかったかもしれない。ピラーカバーを外してチェックすればよかったのだが、カバー裏のクリアランスが十分かどうかわからなかったので、今回はドアに入れてしまった。ちなみにインナーバッフルのためか、音の抜けはもうひとつ。何れ純正グリルの音抜け改善対策が必要になるだろう。
デッドニングは写真のようにレアルシルト。完璧は求めてなくて、サービスホール他、穴をふさいで、ユニットのまわりを固めた程度。まぁ、このぐらいやっとけばいいかな?という感じ。ちなみに、アウターパネル側も同様にレアルシルトで必要十分な程度に制震処理を施した。
現状でも、デットニング後の音はなかなかのもの。制震処理前と比べると歴然。フロントの音を絞ってリアだけで聞いてもそれなりのクオリティで鳴る。通常は1列目と2列目に人が乗るときにはTAは左右均等セッティング(F,R)で、フロントに対してリアユニットが-4~5dB程度のレベルで鳴らすと良さそう。リアの乗員の耳元にもじゅうぶんに良質な音が届く。フロントとリアのユニットを同時に鳴らすと、前後の奥行き感が演出されるのでおもしろい。ちなみにその際、フロントの乗員にはリアの音がわずかに聞こえる程度で、車全体の間接音が少し増えるといった程度だ。リアのユニットを入れたことによる悪影響はほとんどない。
ちなみに、2列の3~5名乗車時は、サブウーハーのレベルを-3dB程度下げている。2列目の乗員にはどうしてもリアラゲッジに置いたウーハーのレベルが過剰に感じられてしまうから。現状では63Hzクロスでサブウーハーをつなげているので、もう少しウーハーの出力レベルを下げても極端な違和感はないようだ。
以上、今回はリアドアへのシステムインストールについて書かせて頂いた。リアドアにスピーカーを入れているなんて言ったら、価格.comや2chの住人に思いっきり笑われそうだが、自分ひとりで聞くときはリアのレベルを下げてTAをONにすればいいだけの話で、まったくの無問題。むしろ気分によっては、前後複数のユニットで鳴らすコンサート的な音も楽しめるので一粒で二度おいしい感じだ。リアのユニットはサブシステムとしても楽しめるので、ミニバンやワゴンに乗っている方々はチャレンジなさってみてはいかがだろうか。
追伸 フロントだけでなくリアも含めた複数のユニットで音作るという考え方は、横浜のKKM, 金成さんの流儀に相通じる。フロントの運転席だけがスイートスポットになるのでなく、乗員全体が楽しめる音を目指すこと自体は、カーオーディオが目指すひとつの方向性として間違ってはいないと思う。
Posted at 2017/06/01 22:22:16 |
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