昔ばなし

むかし〜、むかし〜

ある田舎に「ガテン系」という若者がおったそうな

ガテン系は、村娘と結婚して、子供と家族仲良く暮らしとった

ある日、ガテン系の嫁の親父が訪ねてきよった

嫁の親父は、地元の不動産業をしておったが家は、ボロボロ、身なりも汚く

けっして儲かっておらんように思えた

訪ねた嫁の親父が

「ガテンどん、仕事やめて、おらの仕事てつだってくれ」

「給料は、安いが、実働は、短い」

ガテンドンは、最近、職長になって給料が若干あがったが、

田舎の慣わしにしたがって、親方にやめることを伝え退職しました。

ガテンドンの仕事は、管理する物件の管理

ゴミ拾いに設備の修理、時には、タケノコ狩りまで手伝い

毎日、半日働く、ぬるま湯の生活にどっぷり浸かっておった

そんなガテンドンも数年働くと、

管理物件の農家から、米、野菜、はたまた、牧場からは、肉など、

食事には、困らん、お金からの解放される生活になっておった

それどころか、親父から

「ガテンドン、安く貸してくれる家があるから、引っ越せ」

と言われれば、引っ越し

ガテンドン「実印持ってこい、印鑑証明とってこい」

と言われれば、持って行き

なんでも言うことを聞いておった

１０年もすると、給料もガテン系では、絶対稼げない金額になり

一抹ヤバさを感じながらも、普通に暮らしておったガテンドン

それぐらいヌルい生活にどっぷりじゃった

お金は、あっても使うことがないガテンドン

持ってても使うことのないお金

稼ぐ意味を失ったガテンドン

車も高級車を何台も買えるくらいの預貯金は、あったものの

貧しく暮らす親父や物件の借りての生活状況から

それを見せることが「ダメだ」と感じ、普通の生活に徹した

そんなガテンドンの楽しみは、

年に一回行く家族旅行が何よりもの生きがいじゃった



それからも２０年も経った頃

親父が倒れ、そのままこの世をさった



家族のこともあるが、ヌルい生活が終わった瞬間でもあった



葬儀が終わったときじゃった、書類をいっぱいを持った男がやってきて、

今までの管理物件や自分が借りている家、その周りの土地

すべてが親父の資産で自分が相続するようになっておると

男に言われた

実は、家族もそのことを知っておったが、親父からの口止めで

誰も、言わず、ガテンドンが土地を守って、次の世代に渡せるか

時間をかけ、親父は、見とった

高い給料や実印なども、親父が少しずつ、資産をガテンドンに移しとった

その後のガテンドンの子供も同じ道をあゆみながらも

公務員になり観光協会で私と遊んでいます。

おわり