
そのクルマは狂おしく身をよじるように加速する・・・
その男が造ったクルマはもはや誰にもコントロールできない暴力的なマシンとなり・・・
また1台コントロールを失い、クラッシュ・・・ (某湾岸系マンガより引用)
悲しい知らせでした

僕はユーザーカーやそのエンジンに感情移入することはない・・・けど、オーナーがどういう思いでこれまでそのクルマを仕上げてきたか、また、オーナーの状況や求めるものを僕自身オーナーの立場に置き換えてそのオーナーのクルマやエンジンを自分の持ち物のつもりで造りこみをするよう心がけてる。
だからそういうクルマがクラッシュすると、オーナーと同じ気持ちで悲しむことはできないけど、オーナーが今どういう気持ちかが分かるだけにそれが悲しい・・・
僕に出来るのはまず持ち帰って、パーツひとつひとつ現状把握して、今後のことを検討するための判断材料を揃えて、オーナーが前を向く日がくればそれを待つだけ・・・
どういう仕事でもそうだと思うけど、物質(クルマやエンジン)をみることが仕事じゃなく、依頼者をみて、その本心に沿った求めに応じられるかどうかが仕事ですから、楽しいことばかりじゃぁないし、こういう悲しいこともある・・・そういうことの中からしか信頼関係は構築できない・・・この先どうするかどういう結論になっても互いに誠実に対応していくだけですね。
続いて今日の仕事。まだやっとったんかい

って言われそうじゃけど、マニやサージの段付き修正、それらやハウジングの面だしや測定・洗浄、補機類自体もバラバラにして洗浄、ボルト・ナット類の磨き・洗浄・ネジ修正・・・
組む準備さえ出来れば、15分もあればテンションボルト締め付けまでのショートエンジン組み立ては出来るけど、それまでの道のりがとにかく長い

ボルト・ナット・ワッシャーまで数えると部品点数は数百点になるから、その1点1点をワイヤーブラシや例のステンタワシ・あと同じく台所用品のステンよりもうちょいやさしい金属磨きタワシでこすって、専用洗浄液(通称灯油)で洗って、各フランジ面などは全部のスタッドボルトを外してオイルストーンで面の確認、あるいは面だし・洗浄・・・
いつもエンジン組み立ての際のルーチンワークではあるけど、特に今回は気合が入ってる

スポーツ走行のためだけのクルマだから数年ぶりにやりたいようにさせてもらえるエンジン製作

ついでにキャッチタンクからのオイルリターン用のニップルを1/4PTで立てて加工して、洗浄に関してはやっと一段落

次はローターのシールクリアランス調整・組み込みに入れるけど、先日の理由でローターが1個見入荷・・・
まあ、明日はクラッシュの対応で連絡や手配に追われそうだからタイミング的にはキリは悪くない

Posted at 2010/05/30 23:38:03 | |
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ロータリー | 日記