
ノークレームノーリターン号のエンジンを分解した・・・
R側の1室だけ圧縮が異常だったからサイドシールの破損だろうと予測はしていたが、ビンゴ

しかもバラバラ

不思議なことに破損してたサイドシール溝に割れてないサイドシールを入れてもスムーズに動く(シール溝に変形があまりない)し、ローターやハウジング、他のシールにも損傷はまるでない・・・
バラしてまずおかしいと感じたのは、一つはステーショナリギアメタル・・・当然目標クリアランスになるよう新品に交換して組んでたけど・・・さすがに4000rpmまでも一度も回してないぐらいだから異常な磨耗はないけど、回してないし、まだ負荷もかけてないのにアタリが悪い

チョイマモウ・・・
もう一つは、写真のようにローター・・・右側がF、左がR(シール破損してない一辺)で、見づらいかもしれないけど、F側の上方の両端の方にインジェクターから噴霧されたガソリンで洗浄されてスラッジが積もってない箇所がある(これが普通)、R側にはない

しかもカーボンスラッジの鬱積がスゴイ

ちなみにR側の上方が濡れてるけど、これはバラした後にオイルで濡れただけでバラしたときにはカラカラ状態・・・
昨日時点で補機類を外していったときに気づいてたのがインマニへの吹き返しと排気ポートへのカーボンスラッジの鬱積だった・・・
この状態はF、Rで燃焼状態に差があるから振動が発生するからメタルのアタリに症状が出たものと言える。燃焼状態の差はF側が湿気ているのに対してR側がカラカラのカーボンスラッジの鬱積が大きいことで容易に想像できる。
カーボンスラッジの鬱積は未燃焼ガスを再燃焼したときなどに多く見られる症状で、R側3室全部がこんな症状ということ、エンジンを組んでダイナパックに載せるまで数回コンプレッションチェックをやったけど、コンプレッションは6室のバラツキも大きくなく正常に出てたことから、インジェクターかデリバリーからの燃料漏れを一番に疑った・・・というのも単純に濃すぎて未燃焼ガスが多いという発想もできなくないけど、それならF側のように湿気てるはずだから・・・インマニへの吹き抜けは吸入工程以外のタイミングでバルブのないREにちょろちょろ燃料が漏れてたら当然燃焼室に一旦入って相当量吹き戻されるはずですね・・・
当然、外道先生&底なしライダーの悪党コンビ立会いのもと、エンジン分解のみならず、インジェクター&デリバリーの漏れ、インジェクターの噴霧状態、噴射量テストをやりました

結果は常温では異常は見当たりません

(リビルド品のインジェクターの噴霧状態にバラツキはあったが・・・

)
でも思い返してみても、当初このクルマの初期のデータ作成をやってる最中に、インジェクターの無効噴射量を増やしたり、850ccは以前にも書いたように異常なくらいアイドル付近の燃料を絞らないといけないはずなのに噴射マップの数値をそんなに減らさないように初期データを作った覚えがある・・・これらをつなぎ合わせると、燃料が吸入工程以外のタイミングで噴射されると、その気筒はクランク軸を回転させるトルクになりきらず、ブレーキになってしまうから他の気筒のトルクを上げてやらないと(=濃くしてやらないと)回転が安定しないの法則が当てはまるんじゃないかと考える次第です・・・
デリバリーはアルミ製だけど熱による膨張・収縮はあるだろうから、一定の条件で漏れが発生してるんじゃないかなぁっていうのが今の想像・・・
次はノーマルインジェクターに戻す(プライマリーノーマル&セカンダリー1000cc)から心配はいらんだろうけど、もう少しチェックをしてみたいと思ってる・・・
でも、だからってそういうことが原因でサイドシールが割れたと特定してるわけでもないし、正直分からないんです

損傷が他にないから異物が入ったってことも考えにくいし、エンジン組む最中のミスなら最初のエンジン始動直後から異常だったはずだし(大昔にそういう経験もあるんです

)、クリアランスの問題もあるかもしれんけど、シックネスゲージで測定して組んだのは間違いないし(僕はサイドシールはいつも12枚のところ18枚注文して狙ったクリアランス・バラツキになるように調整&組み込みしてる)、壊れてない箇所のクリアランスはちゃんと出てた(壊れてた箇所だけは確認する由もないけど

)
かといって、万タコ回したブリッジみたいにサイドハウジングにドッカンドッカンぶつかったような跡があるわけでもないし、???
いずれにしても痛み分け対応だけど、同じことが二度と起こらないよう、エキセンやハウジングなどもひっくるめてしっかり確認してみます

でも、プライマリーに850ccを突っ込むのは最悪ですねぇぇぇ・・・
Posted at 2010/08/08 01:28:09 | |
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