2011年01月23日
昨日今日とチューニングについて語ることがあったので、ちょびっと・・・
チューニングって、パーツ付けて(交換して)「ハイ何馬力」とか「ハイ何秒」ってそんな感じで思われてるんだなぁと最近感じる・・・確かに昔に比べてアフターパーツがそれだけ親切で付けるだけでパフォーマンスがアップするように出来てる・・・でもメーカーはノーマル車両につけることを前提にしてるから、誰のクルマにその改造を施しても同じように同様の効果が得られるということはない・・・
僕はチューニングってまず最初に、改造(カスタマイズ)の前にベースが正常な状態かどうかを確認(メンテナンス)して、用途とクルマの特性とオーナーのドライブスタイルとに合致した改造かどうかを吟味してカスタマイズしたあと、クルマ全体のバランスが必ず崩れるからそれを再調律(セッティング)して一回のチューニングメニューが一時完成となるものだと思ってる・・・
だからパワーアップを施すことでコーナーリング特性にマイナスの影響が出ることだってあるし、当然パッドやデフ触れば激しく影響が出る・・・つまり現状より少し良くしようとして施したカスタマイズがプラス1になることなんて、殆どない・・・これを確実にプラス1かそれ以上にしようとすると、再調律が最も重要になるけど、これが難しい・・・
用途がレースやドリフト・ゼロヨン・ワインディングにクルージングなど多種だし、細分化するとドリフトの中にも審査基準が進入優先のコースもあれば、立ち上がり優先のコースもある。車種もブーストアップにハイパワーチューンドやNA・・・駆動方式がFF・FR・MR・4WD・・・もっと言えばフォーミュラやカートだってある・・・それらの組み合わせパターンなんて無数だし、パターンが違えば施すべき調律を真逆の方向に持っていく必要だってある・・・
一人のチューナーがありとあらゆるパターンの経験を持ってるわけがないし、得意分野が違えば判断基準にもバラツキがあって当然だろうと思う。
最終的にはトライ&評価を何度かやってみて、その状態のベターを探ることになると思うけど、重要なのは調律の方法(手順)がきちんと確立しているかどうかと、調律の為の判定基準がしっかりあるかどうかだと考えてる。
僕の場合は、知ってる人には改めて言う必要もないけど、判定基準は”僕がドライブしてみること”と”車載カメラ映像を確認すること”、”走行状態を外から確認すること”の3パターン・・・当然ドライブするのが一番確実だけど、ドリフトは慣性かブレーキングしか出来ないから、ドライブ以外の方法になる・・・調律の手順はとにかく、最後にサスセッティング・・・中でもダンパーやサスなんてのは最後の最後でオーナーの好みのアレンジ程度・・・エンジンとボディ決めてからブレーキ、デフを決めてスタビやジオメトリー&コーナーウェイト、その後にアライメント、最後にダンパーやサスって感じのパターン。当日に出来ることは減衰調整やプリロード調整、可能ならスタビ調整・・・ユーズドの古いタイヤだったら一時的にブレーキバランスなどもアリかもしれない。
僕自身、ドライブして判断するのは得意な方だけど、信頼できる横の繋がりもあるので、何が何でも自分ひとりで何とかしないといけないって発想もない。オーナーやそのクルマにとっていい選択肢をチョイスすればいいと思ってる・・・
オーナーさんとしては、こういったカスタマイズや再調律の手順や方法論まで指定しないでお店と相談して誰かが確実にアンバランスの状態を把握して、素早くバランスが出るよう再調律できるのが望ましいんじゃないかと思う。
一般的な話として、一つのカスタマイズの後のバランスが出ないまま、次のカスタマイズでどうにか帳尻合わせすべく、アンバランスの上塗りにならないことをただただ祈ります・・・とはいえ、一つのカスタマイズのメニューに欠落してるものがあったなら、やはりそれを補わなければバランスは出ないでしょうけどね・・・
Posted at 2011/01/24 00:42:35 | |
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