
「ガソリン車は、400~500kmは走れるのに」
「たった160kmしか走れないんじゃ、実用にならない」
電気自動車を前にしたとき、非常に多くの方がおっしゃる意見です。
確かに、ガソリン車と比較したときに、ものたりなさを感じるのは分かります。しかし、では一体、電気自動車は何キロ走れるべきなのでしょうか。
この写真は、日本EVクラブの舘内氏が、東京大阪560kmを途中無充電で走破された際の写真です。
そう、電気自動車であっても、電池さえ多く積めば航続距離を伸ばすことは可能です。
しかし、これほどの距離を走ることなんて、多くの人にとっては滅多にありません。三菱自動車曰く、「日本国内での1日あたりの平均走行距離は平日で90%の人が40km未満、休日は80%の人が60km未満」とのこと。
また、この車両の電池容量は74kwh。i-MiEVの4.6倍です。しかし航続距離は、3.5倍(i-MiEVを160kmと仮定)。この計算が妥当かどうかは別として、電池の重量増加分、エネルギー効率は悪化します。また、電池の製造に関わる環境負荷も増加します。
地方に行けば、一家に数台のクルマがある家もめずらしくはありません。また、決まったエリアしか走らない営業用の車両なども非常に多く存在しています。
それを考えると、全てのクルマが400~500km走れる必要が本当にあるのか。電気自動車は、それが担える範囲のモビリティとして存在するだけでは許されないか。
航続距離を短くしてもいいからもっと安くしろ、という意見もある中、電気自動車の航続距離はどうあるべきなのか、非常に難しい命題です。
ちなみに、74kwhの電池を充電しようとすると、現在の日本の家庭用200Vコンセントからでは丸一日以上かかります。案外、MiEVやLEAFの容量も、一晩で充電できるってあたりから決まっていたりするのかもしれませんね。
Posted at 2010/06/08 01:26:41 | |
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