日本充電サービス(NCS)の充電ネットワークを利用できる充電カードには以下のものがあり、それぞれ料金設定が異なっています。
・NCS自身が発行するカード
・日産が発行するカード(ZESPスタンダード)
・三菱が発行するカード(電動車両サポート)
・トヨタが発行するカード(PDSプラス)
以前のブログで私は、日産カードの急速充電の料金設定(使い放題)の問題点について書きました。また、三菱カードの急速充電の料金(非公式情報)については、高額すぎるとの批判が一部にあるようです。(私は妥当な金額だと感じますが)
しかし今、私が感じている一番の問題は普通充電の料金設定についてです。
クルマは多くの場合、どこかしらの目的地に行くために乗るもので、目的地には一定の時間滞在することになります。
その滞在中に普通充電ができれば、わざわざ経路の途中で急速充電のために寄り道をしたり、急速充電のための時間を使わずに済むケースが増え、EVでの移動はとても便利なものとなります。
トヨタのプレスリリースによれば、NCSネットワークの普通充電器は2015年度中に5500基程度まで拡大が見込まれるとのことですので、日ごろの生活の中で、目的地にNCSの普通充電器が設置されているというケースも多くなってくることでしょう。
しかし、今のままではこの普通充電器は、誰も使うことがない無駄な存在になってしまうのではないかと危惧しています。
その理由は、各充電カードの料金設定にあります。
●日産カードの場合:急速充電は無料、普通充電は1.5円/分(税抜)です。
この金額設定では、目的地に普通充電器があったとしても使用することに抵抗を感じさせてしまいます。充電が必要な状況であっても、経路で急速充電器を利用することを選択してしまうのが人情です。しかしこれは、自らが選択した結果とは言え、不便な生活であることは事実です。
普通充電が1.5円/分(税抜)という金額自体は妥当だと思います。1時間あたり97円(税込)というのは昼間に家で充電するのとほぼ同じ金額ですから。
原因は明らかに、急速充電と普通充電の料金設定のバランスを欠いていることです。急速充電を無料などにせず課金し、その分の収益で普通充電の料金を下げることで、どちらの充電器も心理的に抵抗なく利用できるバランスの良い料金設定であるべきだったのではないでしょうか。
LEAFユーザーとしては、そのようなプランを用意してもらえることを切に期待します。
●トヨタカードの場合:日産と同じく、普通充電は1.5円/分(税抜)です。
プリウスPHVの充電時間は1.5時間、EV航続距離は26.4kmですので、26.4km走行するのに146円(税込)必要ということになります。
しかしプリウスPHVのHV燃費は31.6km/ℓです。26.4km走行するのにガソリンは0.8ℓしか必要としません。
つまり、ガソリンで走行した方が安くなってしまうのです。ガソリンが130円/ℓであったと仮定しますと、普通充電は1円/分(税抜)程度でなければ、コストが下回ることはありません。
もっとも、この問題の解決は困難です。実際に電気代は発生しているのであり、それをトヨタに負担させるというのは、おかしな話ですから。
(電気代を自動車メーカーが負担しなければならないとなれば、ガソリン車に対してはガソリン代を自動車メーカーが払わなければならないことになってしまいます。)
プリウスPHVは、夜間の安い単価での充電が前提ということになってしまうのでしょうか。本来であれば、行く先々で充電することで少しでもHV走行を減らし、石油依存度の低減とCO2排出量の抑制につなげたいところなのですが。
さて、残るは三菱充電カードです。普通充電の料金は現時点まだ不明です。急速充電と普通充電の料金バランスが取れたプランであることを期待しています。
Posted at 2015/01/23 03:41:38 | |
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