
遥か紀元前の昔、古代ミケーネ人は迫りくる敵国に対し、火を吹く巨人を用いて立ち向かったという。
ミケーネ伝説の残るバードス島の調査団の一人、ドイツの天才科学者ドクターヘルは、偶然にもミケーネ人のロボット群を発見する。するとあろう事か、ドクターヘルは同道した科学者達を皆殺しにしてしまう!彼は、ミケーネ人のロボットを利用し、世界を征服する野望を抱いたのだ!

↑ドクター・ヘル
しかし、一人だけ生き延びた者がいた。日本の天才科学者、兜十蔵である。一人生き延びた十蔵だが、その後彼は世紀の大発明「光子力エネルギー」と「超合金Z」の開発に成功する。しかし彼は、それらの成功を見届けるとその後の研究を弟子の弓教授に託し、突如引退してしまう。

↑兜十蔵博士
時は同じく、ヘルはミケーネ人のロボットを改良し、それを機械の獣「機械獣」と名付け、着々と世界征服の野望を募らせていた。

↑見よ!!あの機械獣軍団を!!
しかし唯一気になる事があった。一人生き延びた兜十蔵である。十蔵が生き残っていたのをヘルは知っており、しかも自分の秘密を公然にしない事を不気味に感じていた。十蔵の突然の引退・・その動向を不審に思ったヘルは、部下のあしゅら男爵に命じ、彼を屋敷ごと爆破してしまう。

↑あしゅら男爵
しかし彼はまだ息絶えてはいなかった。駆け付けた孫の兜甲児とシローの二人は、秘密の地下室で瀕死の十蔵を発見。十蔵は自分の暗殺を企てたのはドクターヘルであり、彼の企む世界征服の野望を甲児に打ち明けた。瀕死の十蔵が指差したその先には、まさに魔神とおぼしき巨大なロボットが・・。来るべきドクターヘルの機械獣軍団を迎え撃つべく、自らが発明した超合金Zで身を堅め、光子力エネルギーで動く機械の怪物!「マジンガーZ」である。

↑マジンガーZ
突如の引退は、このマジンガーZを秘かに作り上げるためのものだったのだ。マジンガーZ、そして平和の祈りを甲児に託し、十蔵は息を引き取った。
孤児となった兜兄弟だが、十蔵の弟子である弓教授の光子力研究所に身を寄せ、祖父の復讐と平和のため、ドクターヘルとの戦いを誓うのだった。

↑兜甲児
やがてドクターヘル率いる機械獣軍団と、マジンガーZ、光子力研究所とその仲間達の壮絶な戦いが始まる。次々に強力になっていく機械獣軍団・・。それに対しマジンガーZも改良を重ねられ、戦いは熾烈を極めていく。
激しい戦いは続いたが、ついにマジンガーZとその仲間達はドクターヘル一味を壊滅させた。甲児達は久しく忘れていた平和の時を噛み締めた。マジンガーZの修理もしないで・・。
しかし、新たな悪魔の魔の手は迫っていた。突如として、古代ミケーネ人率いる強力な戦闘獣が攻めてきたのだ。滅亡していたと思われていたミケーネ人だが、彼等は地中奥深くに潜み、秘かに再起の時を狙っていたのだ。
ヘルとの戦いで傷ついたままのマジンガー・・・。ミケーネの戦闘獣は、ドクターヘルの機械獣を遥かに凌ぐ強さだ。ドクターヘルがバードス島で発見したロボット群、それらは所詮ミケーネ人にとっては廃棄物にしか過ぎなかったのだ。強力な戦闘獣の前についにマジンガーZは力尽き、破壊されてしまう・・・。
もう世界を守る手段は尽きたのか・・。朦朧とする意識の中、甲児はマジンガーZによく似たロボットが飛来するのを見る。死んだと思っていた甲児の父、兜剣造が秘かに開発していたスーパーロボット「グレートマジンガー」である。それは、Zを完膚無きまでに破壊した戦闘獣を瞬殺し、瞬く間に飛び去って行ったのだった。
甲児とZの平和への願いはグレートマジンガーに委ねられ、甲児と弓教授の一人娘さやかは、留学のためアメリカに旅立って行くのだった。
マジンガーZは、1972年12月から1974年9月まで放送された長編アニメです。僕の最も大好きな、そして幼児期に多大なる影響を受けたアニメーションです。
このマジンガーZですが、実は日本に於ける(世界でもかも?)史上初の「人間乗り込み型ロボット」なんです。それまでのロボットアニメは「鉄腕アトム」や「鉄人28号」の様な、知能型や操縦型のロボットが主流でした。そんな中、人間操縦型のロボットとして登場したのは実に画期的な事だったと言えます。
原作者は永井豪さんですが、ある日車の運転中に渋滞に巻き込まれてしまったそうです。かなりイライラしてきて
「この車に足が生えて、前の車を飛び越えていけたら愉快だろうな」
と思ったそうです。それにインスピレーションを得た永井さんは、人間が乗り込んで操縦するロボット!を思いつき、紆余曲折しながらも、それが最終的に「マジンガーZ」の誕生へとなったわけです。因みに・・マジンガーZの「Z」の命名の理由は、
「アルファベット最後の文字で、強そうなイメージがあったから」
という、どこかで聞いた様な、何かのバイクの命名の理由に似たようなエピソードであります。
大塚製薬の提供で、日曜日の七時から放送されていたのですが、僕の住む福島県では二、三話放送された後に土曜日の七時に移行されました。当時の福島の民放局は二局しかなく、おそらくその兼ね合いだったのだと思います。しかし、その事は僕達にとっては思いがけない嬉しい出来事でした。当時の土曜日は現在の様に休日ではなく、学校も半日で終わる、所謂半ドン。翌日は日曜日という事で、何とも言えない解放感があり、ただでさえテンションが上がり気味。そこに夜七時からは「マジンガーZ」、その後ロート製薬提供のクイズ番組を挟んで、八時からはあの「8時だよ、全員集合!!」へ、と続いたものだから、もう土曜日が待ち遠しくて仕方がありませんでした。(≧▼≦)
先に述べた様に、マジンガーZは初の人間乗り込み型ロボットでした。その事によって、主人公の兜甲児はマジンガーZそのもの!という感覚になっていました。彼の奔放で明るい性格は、ちょっと近くにでもいそうなお兄ちゃん、を連想させてくれました。本当に身近な存在という感じで、結局僕達にとってはマジンガーイコール兜甲児だったのです。
マジンガーZの後番組は「グレートマジンガー」でしたが、その主人公の剣鉄也という人物には、どうにも感情移入出来なかったのです。しかもこの剣鉄也という男、何とマジンガーZを見下す!という、僕達の前では決してしてはいけない事をやってのけてしまうのです。グレートマジンガーの初登場はマジンガーZの最終回に於いてですが、その時に
「今までのマジンガーZとはちょいと出来が違うぜ」
というセリフを吐きます。はっきり言って、この時点でこの剣鉄也を嫌いになった子供達は多かったと思います。当時、テレビマガジンという子供雑誌にマジンガーの質問コーナーがありましたが、グレートマジンガーが始まった後も、質問はマジンガーZに関するものばかりだったと記憶しています。今思えば、当時のグレートマジンガーの制作者達は、マジンガーZの亡霊を振り払うのに苦労したのではなかったか、と想像するに堅くないのです。
グレートそっちのけで、マジンガーZの復活を熱望していた僕達でしたが、ついにその時はやってきたのです。グレートマジンガー終盤、ピンチに陥ったグレート達を救援すべくZが登場。最終回などは95パーセント以上マジンガーZのみの活躍で、大変血湧き肉踊る展開で拍車喝采したものでした。(≧▼≦)
玩具も流行りましたね!
プラモデルはバンダイから発売され、あの小松崎茂さんの箱絵がえもいわれぬ迫力がありました。パイルダーを頭にドッキング(パイルダーの下部に棒が付いており、そこに金属が巻き付けられていて、それが内部の金具と接触してスイッチが入る)するとガーガー歩きだす。あとは超合金!遊んでいてパンチを飛ばして無くしてしまった方々も多かったのでは?憧れだったジャンボマシンダー・・。(//∀//)

↑ほぼ同スケールのマジンガーZとグレートマジンガーの超合金。現在もこのような超合金シリーズが販売されている。当時を懐かしむ人たちが多いんでしょうなあ・・・。この写真は結構苦労したのよん。
初の人間乗り込み型ロボットとして登場し、「超合金」などの造語をメジャーにし、その後のアニメ界にも多大なる影響を与えたマジンガーZ。
永遠の憧れと夢には違いないのです。
ヽ(´▽`)/
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Posted at
2013/03/10 16:55:20