![みんなで目指そう!セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝100km/2015年5月 みんなで目指そう!セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝100km/2015年5月](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/035/835/253/35835253/p1m.jpg?ct=9292624243aa)
去る5月24日、
毎年2回出場している日本で最も過酷なMTBレースに出場してきました。
セルフディスカバリーアドベンチャーin王滝
クロスマウンテンバイク100㎞
去年噴火して多数の犠牲者を出した御嶽山の周囲に広がる
長野県と岐阜県の県境にある山深い王滝林道がレースの舞台です。
オフロードの100㎞は想像を超える過酷さで、
ロードバイクで最も過酷なツールド沖縄210㎞でトップ5に入っている方いわく
「王滝100㎞の方が圧倒的にツラい・・・」と言わせるほど。
その過酷な100㎞を完走したライダーは
「勇者」
と言われるのも頷けます。
ボクは2度のリタイアを乗り越えて悲願の完走を果たしましたが、
それを果たしても自己ベストへの挑戦や夢の7時間切りに向けて
また新たな挑戦に挑んでしまうという魅力を持っているのがこのレースです。
まさにセルフディスカバリーアドベンチャー/自己発見の冒険です。
今回の目標は、
今年新たに組んだNEWバイクでの100㎞完走です。
フレーム:GT/フォースカーボンTEAM(150㎜ストローク)
Fサスペンション:SR SUNTOUR/AURON RC2(150㎜ストローク)
Rサスペンション:FOX/フロート CTD カシマコート
トランスミッション:SHIMANO/XT 2×10速(F:38・24T)(R:11-38T)
ブレーキ:FORMULA/THE ONE(F・R:160㎜)
ホイール:crankbrothers/アイオダイン3
タイヤ:Continental/X-KING プロテクション(27.5×2.2、チューブレスレディ)
ハンドル・ステム:crankbrothers/コバルト3
シートポスト:ROCK SHOX/リヴァーブ(ハイトアジャストシートポスト)
サドル:RITEWAY純正/マシュマロサドル
グリップ・バーエンド:SERFAS
ペダル:crankbrothers/キャンディー3(ユーロバイクショー限定カラー)
サイクルコンピューター:GARMIN/エッジ800J
前後150㎜のロングストロークのいわゆる下りが得意のオールマウンテンバイクで、
正直150㎜ストロークはSDA王滝では無用の長物・・・
なぜこのバイクを選んだかというと、
クルマを売ってしまったということもありダウンヒルバイクでダウンヒルに行くことは
今までのように頻繁に行くことは出来なくなることや、
手持ちの自転車のラインナップを整理したいため、
1台でダウンヒルもSDA王滝も行けるというコンセプトのフォースを選びました。
しかし150㎜ストロークもありロングライド向けでは無いこのバイクで
本当に完走できるのか?そうとうツラい目に遭うのではないのか?
そんな不安がいっぱいだったのが本音です。
果たしてこのバイクで100㎞を完走できるのでしょうか・・・?
王滝村までの移動はレンタカー、
HONDA/N-BOXをチョイス。
自転車がそのまま入るということで気になっていたのであえてのチョイスです。
結果としては、2台2名はFホイールを外す必要があったものの充分な積載量でした!
奥のオレンジ色のSUZUKI/ハスラーはみん友のば~ばらさんで、今回初王滝&初100㎞に挑戦です。
実は今回、ば~ばらさんのような初王滝の方が100㎞を完走できるようになるアドバイスをしたいなと思い、ボクの今までの経験を共有しつつみんなで頑張ろうというFacebookグループを作って、そのメンバーの方々と一緒に参加したのでありました。
Facebookグループ
みんなで目指そう!初めてのSDA王滝100㎞完走グループ
https://www.facebook.com/groups/350352008505456/
※完走したことがある方は入れません(笑)
そんなこともあって、ボクがリタイアするわけにもいかないというのが今回のもう1つの越えなくてはならないハードルでした。
噴火の影響もあって参加者減少・・・
かと思いきや、例年の5月と同じ100㎞クラス700人の42㎞クラス300人ほどの参加で前夜祭は大盛り上がり!
明日は頑張ろう。
そして当日の朝を迎えました。
御嶽山に向かって亡くなった方のご冥福を祈り、安全祈願をし、
朝6時、100㎞の冒険がスタートしました。
最後尾に近い場所からスタート!
5月ということでコースを時計回りするので急登坂があることと冬の間ほとんど乗れていなかったという身体のなまりもあるので、目標タイムは9時間30分ほどに設定しました。
完走できれば御の字ということです。
高低(行程)表は昨年の使い回しです(笑)
1か所だけモディファイしたのは、上段の左右端に猫を1匹ずつ奥さんに頼んで増やしてもらいました(=^・^=)
走っていて気が付いたのですが、
この工程表の第2CPの場所が1山手前に間違って書かれているため、
走っていて「アレっ?まだ着かない?」となったのは本当です。。。
1時間ほど走って1回目のストップ。
補給食と摂ります。
時計回りなので御嶽山に遠くから向かって走っていくのですが、
開けた場所ではこのように御嶽山の噴煙を見ながら走ることとなります。
走りの方はバイクのせいか体調のせいかいつもよりも好調で、
足の攣りも出ることなく急激な体温上昇も無く良いペースで走れていました。
小まめに水分(JUCOLA/クエン酸パワー)を摂って補給食も摂取していき体調をキープします。
20㎞過ぎたあたりになるとストップして休憩する方もちらほら出てきます。
そして難なく33㎞地点の第1CPに到着!
目標タイムは良くて3時間、悪くても3時間半としていたので、
2時間55分はかなり好調!
少し休んで次なる第2CPへ向かいます。
ボクが最も嫌いというか苦手なのが第1CP~第2CPまでの区間。
大きく登って降りていくとこのように開けた貯水池の区間に入ります。
この区間は王滝唯一の平地区間です。
ここでは無理せずかつペースを落とさず進み待ち構える登りの連続区間に突入します。
平地区間を終えると、いよいよ何度も登って降りてを繰り返す、最も嫌いな区間に突入します。
何度も同じような登って下ってを繰り返すので、体力だけでなく精神的にもダメージを多く食らいます。
この辺りになると周りのライダーもほぼペースが同じような人が集まるので、抜いて抜き返して一緒に走ってを繰り返しながら、お互い無言の励まし合い、時には声を掛けての励まし合いになってパワーをもらいます。
Facebookグループのメンバーのお1人ともこの辺りでお会いすることができ、お互いの健闘を誓いました。
こういった見ず知らず、あるいは前回のレースでも会って顔見知りでも名前は知らないようなライダー達と一緒に同じゴールを目指す。
これこそがSDA王滝の魅力であります。
1人では絶対に挫けてしまうことを一緒だったら乗り越えられる。
仕事も私生活でも本当はそのはずが、忘れてしまっている人間的な良さがここにはあります。
そしてやっと着きましたぜ第2CP!
このヤバさは眼を見ればわかります(苦笑)
目標時間は6時間半くらいかな~と思っていたのでかなり良いです!
このままイケるか!?
少し長めに休憩を取って、次のチェックポイントへ向かいます。
第2CP~第3CPまでの区間は距離も短いですが、
最後の下りは転んだら病院行きのヤバいガレ場が待っています。
そこでやっと今回の150㎜ストロークの出番です!
カーブを曲がるたびにと言って良いほどのライダー達がパンクしているなか、
フォースならば躊躇することなく、かつ身体への衝撃も軽減されながらひたすらコントロールに集中して下っていくことができます。
そして着きました!
第3CP!
眼がさらに死んでいます(笑)
タイム的にも目標よりまだ30分早くきているので、もしかしたら自己ベストを狙えるか!?
ということでココからさらにブーストオン!
第3CPを過ぎたこの辺りが御嶽山からも1番近いでしょうか。
噴煙を背にゴールを目指します。
写真に写るワークショップモンキー/今泉店長(右)と二輪工房佐藤/佐藤店長(左)ともご挨拶しつつ、先を急ぎます。
が、佐藤店長にはすぐに抜かれました(笑)。
ココでいつものあの人が満を持して登場!(誰?)
いつも心が折れそうになっているその時に、どこのどなたかは知らないけどいつも一緒に走るあの人が現れたのでした。
「自己ベスト狙えそうですね!行きますか!」
そう声を掛けられると、そこからは無我夢中、最後の最後の力を振り絞ってその方に食らいついていきます。
「これで最後の登り、頂点ですよ!」
登り切ったら休む間もなく一気に最後のダウンヒル区間へ。
砂利質で滑りやすく転びやすい路面を2人で勢いよく飛ばす。
富士見パノラマよりも長く下ってるんじゃないかと思うほどひたすら下っていったその先に、100㎞のゴールが待っていました。
やりきった!!
8時間50分13秒での完走!!
5月の王滝としては30分以上縮めたベストタイム、
かつ9月と合わせても5秒縮めた自己ベストタイムとなりました!!!
バイクが思ったよりも良かった、体調も良かった、天気もほどよい曇り、色々な要因がそうさせてくれました。
でも1番はやっぱり一緒に完走を目指した仲間がいたからこそ。
残念ながら1人だけ100㎞の第2CPで足切りリタイアとなってしまいました。
でもボクも2度のリタイアからの完走でしたし、
今回のメンバーの中でもそういう人がいました。
だからきっと完走できるから、次も頑張ってほしいです。
その決断がまたボクや仲間や知らない誰かを動かすのだと思います。
泥だらけになりながら、
8時間50分で4000kcalも消費して走った100㎞もの悪路。
こんな文字では書ききれないようなアドベンチャーがそこには待っているはずです。
マウンテンバイクを持っているなら、1度はそんな体験をしてみてはいかがでしょうか?
こんなの到底無理だよと思うかも知れませんが、
きっと大丈夫です。
ボクらが一緒にゴールまで走りますから!
Fin