
1940年代後半から1960年前半までは、世界の自動車デザインの基準はアメリカ車だったと言えると思います。あの合理性と秩序を重んじるメルセデスでさえ大量のクロームパーツやテールフィン(ハネベン)を採用したのですから!!
1960年も半ばを過ぎるとヨーロッパ勢が頭角を現してきます。ビック3も小型車の開発に着手していくわけです。
アメリカ車は、産業構造上大量生産の自動車文化が進行していくのですが、一方ヨーロッパでは小型大衆車の他にロールスやジャガー、アストンマーチン、フェラーリ等大量生産不可能なハンドメイドに近いプレミアム車の文化がありました。
当然アメリカの富裕層には魅力的な商品であり市場が形成されていったと類推されます。(第二次世界大戦後衰退していったアメリカ産プレミアムブランド「パッカード」とは本質的に違う市場と思われます。)
当時のGMデザイナーズ陣営にもこの市場に対応する商品の開発を模索していたようです。
その中で生まれたのが「1971 Pontiac Firebird Pegasus」です。
ベース車両は1971年型 Pontiac Firebirdでボディに関してはフロントセクション、リアクオーターパネル、リアセクション等が大幅に換装されヨーロッパ車的な佇まいとなっています。
リアガラスの造形やクオーターパネルは75年以降のデザインに類似しています。
インテリアに関しては、本革で覆われたダッシュボードやウッドステアリング、ゲージ類は全てフェラーリの物を使用していました。
パワートレインに関してはフェラーリ初代テスタロッサのエンジンを搭載しギアボックスもフェラーリの5速を搭載しているようです。
フロントヘッドライトの造形などはマイナーチェンジ後のCAMAROと近似しています。前出のリアガラスの造形等も後に採用された様子を見ると別の次元で生かされたプロタイプと言えるかも知れません。
実車はレストレーションされ現在も走行可能状態で保管されています。
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Posted at 2011/01/08 16:58:31 |
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