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2012年09月30日 イイね!

ロードスター的幸福論

ロードスター的幸福論ロードスター的幸福論
最近読んだ本の紹介をしたいと思います。本の題名はロードスター的幸福論というもので、貴島孝雄さんが書いたものです。クルマ好きなら、説明の必要が無いと思いますが、貴島孝雄さんとは、歴代のマツダ・ロードスターの開発に携わった方で、初代ロードスターから現行の3代目ロードスターの開発責任者として勤められ、ミスターロードスターとして、海外にもその名を知られている人です。また、トヨタハチロクの開発責任者である多田哲哉さんが、開発初期に「スポーツカー作りを教えてください」と教えを乞いに行ったという、日本が世界に誇る自動車エンジニアによって書かれた本です。


市場が全く無い中での初代開発
初代ロードスターがデビューしたのは1989年ですが、今でこそロードスターというと、ああ、あの小さいFRのオープンカーかと多くの人がイメージできると思いますが、当時は、軽量オープン・スポーツカーという市場が全く無い状況でした。そのため、マツダ社内でも‘マツダにとって本当に、必要な車種なのか’とか、‘こうもり傘を差したようなクルマが、この時代に売れるはずが無い’というような反対意見もたくさん出る中、ぎりぎりの予算と開発人員もそれぞれ別の業務を抱えながら、車庫をプロジェクト室にあてがわれて開発が行われたということです。

そんな、限られた予算での開発状況下ですので、ロードスターのために専用の製造ラインを設けるということは、とんでもないことでした。もともとマツダの製造ラインは複数の車種を同時に流すという効率の良いラインとなっております。(今、デミオが1台流れた次にはMPVが2台流れてくるといったようなラインということです。)開発者達は、量産性を持たせるため知恵を絞り、デミオ、MPVなどを造るラインでロードスターが組み立てられるように、ロードスターをシンプルな構造にすることで、部品点数を少なくする。そして、それは同時に軽量化にもつなげていくことで、FFの製造ラインでFR車を組み立てることが出来るようにして、ロードスターを利益の出る量産品として成立させました。その結果、会社を動かすほどの影響力を持つまでになったということです。


円高
また、3代目ロードスターの開発では4ドア車のRX-8のシャシーをベースにすることが決まった中で開発がスタートされたため、最重要課題は軽量化であり、「グラム戦略」を展開しボルト一本から素材の見直しまで、あらゆるパートで軽量化を検討したということです。そんな中、円高が進行したことで、販売の大半を輸出で占めていたRX-8の「20%コスト削減」が課題として挙がったそうです。

普通の感覚でしたら困難な課題に対応しなければならないと、負担に感じるところだと思いますが、貴島孝雄さんは、これは神風が吹いたと受け止めてRX-8用の20%コスト削減部品の開発と称しながら、実はロードスターのための軽量化部品を開発したということです。コスト削減という課題の解決と同時にロードスター用にふさわしい軽量化部品の開発を行い、経営的に不利な円高をロードスターの開発にとって神風が吹いたと解釈するところには、なんともしたたかで、強い精神を持ったエンジニアであると感じました。

他にも、利益を出しながら、かつユーザーサイドに立った商品開発のエピソードが詰まっております。興味をもたれた人は読まれてみてはいかがでしょうか。読むとなんだか、元気が出てくる一冊です。
Posted at 2012/09/30 07:39:00 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマ

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何シテル?   01/15 10:37
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