春燕のブログ一覧

太田愛の作品は全て読んでいますが、今回の『未明の砦』も熱かった。

派遣法の違法性、労働組合に対する攻撃、共謀罪の恣意的運用の危険性…。




労働者自身が何も疑わず、権力に従うことだけを考えるように教育されてしまったこの国に希望はあるのか。誰もが自ら考えることを放棄せずに、人間らしく働く社会を取り戻せるのか。重い宿題を突き付けられた様な気分です。

評価：★★★★★　読むことを強く推奨。

ぶっ通しで読み進めて、全5巻読破しました。

本家の那須きのこ氏に比べて、かなり設定が甘く、伏線回収も上手くいかないながら、何とか纏めたってところですかね。

文章自体もあまりこなれない、というかクセが強いというか、人を選びそうな感じです。
難読漢字も多いかも。
『仮令』て言い回しが多様(異様に多い)されてるんですが、これで『たとい』と読みます。ずっと慣れませんでした。

でもとにかく作者の熱意みたいなのは尋常じゃなく伝わりますので、そこは好感が持てます。

まだGW始まったばかりですから、読書する時間はありそうです。

仮面病棟の舞台となった病院で、映画監督が変死。第一発見者は映画監督とリアル脱出ゲームを企画していた医師であった。しかし、三流ジャーナリストの元には、その医師が犯人であることを匂わす情報が。一転して犯罪者扱いをされることになった医師は自ら命を断った。
廃屋と化した病院に拉致されたのは、その医師と繋がりのある者ばかりであった。命懸けの脱出ゲームが幕を開ける。果たしてゲームの主催者(拉致した犯人)の狙いとは？

読みやすい文章でサラッと読めます。犯人はすぐにわかるので、ミステリーとしてはイマイチですが、仮面病棟が気に入った方にはオススメです。

映画公開前に原作を読んでみました。
視点人物は、バイトの当直医。彼が先輩医師に頼まれ、急遽向かった療養型病院。そこにコンビニ強盗をした際に、近くにいた女子大生を撃ったピエロが侵入。スタッフと患者は一瞬にして人質となる。
しかし、ピエロの本当の目的は金ではなかった...。
本格ミステリの力作です。クローズドサークル内で二転三転するストーリー。最後のほろ苦さも悪くないです。
作者の文章は無駄がなく非常に軽快に読むことができます。必要時間120分程度。

映画版のキャストで読み進めていくと、当直医の坂口健太郎はなかなかイメージに合っていますね。しかし、拉致されてきた女子大生・永野芽郁は違うかなぁ。ちょっと難しい役所なんですが、美しさと可憐さ、そしてしたたかさを兼ね備えていないとダメなんですよね。私の中では小松菜奈がしっくりきますが。


ただ、映画は失敗作になりそうな気がします。『屍人荘の殺人』と同じ監督なんで。

今日の夕食後に読み始めて、先程読了。単行本300ページ強なので、本を読み慣れている方なら3時間以内で読める内容です。
『屍人荘の殺人』の続編に当たる本書ですが、クローズドサークルという設定は変わらず、題材がゾンビから予知能力や呪いという、更にオカルト臭満載の現象にレベルアップしており、初めは大丈夫かな？と心配してました。しかし、そんな心配は杞憂に終わり、どんどん読まされました。難しい言葉を連ねなくとも、良い文章が書けてこそプロなんだと思います。大衆への迎合と捉える方もいらっしゃるでしょうが、要は面白く読ませることが大切だと私は思います。

どうしても映画のキャストに引きづられて、神木&浜辺コンビが脳内再生されてくるのですが、当て書きしたのかな、と思わせる位に違和感がありません。
最後にどんでん返しがあり、探偵役剣崎が相手に引導を渡すところなんか、浜辺美波なら、こんな表情で、そしてこんなトーンで話すだろうな。と納得してました。前作より映画化しやすいと思うので、別の監督で制作希望です。