
レース当日と翌日は、強烈な筋肉痛で、夜中に何度も目が覚めました。
筋肉痛って、寝ていてもわかるんですね。
何度経験しても新鮮な経験です。
さて、今年で3年連続3回目の完走。
5回完走で得られる永久ゼッケン「GMC(ギャラクシー・マスターズ・クラブ)」が見えてきた今回の備忘録です。
【前夜祭】
大会主催者による前夜祭は、1,000円の会費で弁当とドリンクのみ、というショボい、じゃなかったシンプルな内容なので、今年はパス。
昨年の大会で知り合ったFB上の友達との前夜祭を選択しました。
友達がチョイスしたのは、駅前の居酒屋で、17時スタートで予約してくれました。
彼が「飲み放題でいいですよね?」と嬉しそうに提案するのを、あまり深く考えずに(←精算楽だしね)了承しましたが、それはとても浅はかな考えだったことが後で分かりました。
楽しく酒を酌み交わしつつ談笑し、気づいたら21時!
飲み始めた頃は、何組かいたランナーグループも、もう誰もいません。
明日は4時号砲なので、遅くとも2時には起きていなければならないのですが…
そそくさと精算を済ませ、宿に戻りました。
【携行品・ドロップバッグ】
宿に戻るなり、まず始めたのは、ゼッケンの固定。これは慌ててやると反対側まで安全ピンで留めてしまい、エライ目にあうことを学習済なんですね。
次に、ドロップバッグに入れるスペシャルドリンクの制作。
薬局で買った無水クエン酸と粉飴をオレンジジュースに混ぜるだけですが、今回は容器に一工夫をしてみました。
焼酎の1合ワンカップは開口部が大きく、しかも本体もスクリューキャップもプラ製なので、衝撃に強く、実に使い勝手がいい。
ドロップバッグには、このドリンク以外にOS-1とジェル3個、テーピング、絆創膏、スパーク(エアサロンパスのようなもの)、予備のシューズ(asicsGT2000NY)、タオルに包んだ携帯を入れました。
レストでドロップバッグから取り出したのは、スペシャルドリンクとジェル2個だけでしたが。
携行品は、ちょっと迷いましたが、ジェル2個とベスパハイパー、そして普通のベスパにしました。
ベスパは、メーカーでは号砲30分前投与を推奨していますが、私の感覚では2kmくらい進み、身体が温まったところで使った方が効果があるように思います。
固形物は、当日朝に餅を5個食べるつもりなので、少なくとも前半は持参の必要なしと判断(パワーバーを大量に輸入したのにね)。
エイドに美味しそうなものがあったらつまもう、というスタンスです。
【当日朝】
酔っ払いながらも、なぜか目が冴えてしまい、結局一睡もできないまま1時半に布団から出ました。
「二日酔い」なのか単なる「酔い」なのか判然としないけど、これはいきなり大変なビハインドだと自覚しつつ、餅を温めながら太田胃散を投入、どうにか計画通り餅5個を胃袋に押し込むことができました。丈夫な胃腸に産んでくれた両親に感謝です。
テーピングを念入りに貼り、足爪のやばそうなところを絆創膏でガードし、トイレでしっかり産み落とし、と珍しくスムーズにコトが運び、駅前から会場行の送迎バスに乗り込みます。
【スタートまで】
会場にはあっさり到着し、せっせと荷造り。
とはいえ、事前に袋詰めしておいたので、もたもたすることなくゴール行とレスト行のトラックへ。
係の人は、相当荒っぽく荷物を放り投げていたので、携帯をタオルで包んでおいて良かった。
アップをするわけでもないので、現地には1時間前の3時に着けば、落ち着いて行動できるでしょう。
スタート10分前になんとなく並び、この手の大会でありがちな、政治家先生の冗長な挨拶もなく、あっさり号砲。
【作戦】
今回の最低目標は11時間切り。できれば昨年の記録の10時間半切り。
先月の飯能アルプスが、前年より30分余分にかかっているなど、練習量が足りない気がしていたのが、その根拠です。
ただ、前日の雨が止み、天候は回復しそうだし、去年のような猛暑はないだろうから、練習不足分は相殺できるかも。という淡い期待はありました。
11時間切りならキロ6で進み、なめとこ山と80kmのトンネル手前、それから90km過ぎの2本の登りを歩けばOKのはず。
私のウルトラのレース運びは「走りにこだわらない!」を旨としていて、走っても歩いてもスピードに大差ないところ(急坂)は無理せず歩くが、スピード差のつく平坦なところでは歩かないことにしていて、今回もこの方針で進めることにしていました。
【服装】
そんな割と前向きな目標もあって、上はサロモンのタンクトップ、下はパタゴニアの5インチ短パンと、攻めたスタイルで臨みました。
シューズは、防水スプレーをたっぷりかけたホカ・アラヒ。
ソックスは普通の5本指にしましたが、雨に降られたので、これは結果的にイトイの方が良かったのかもしれません。
また、雨で想定以上に冷えたので、私のペースならファイントラックを着ておくべきでした。
【レース運び】
私としては珍しく前の方からスタートしたので、序盤、周りの速いペースに合わせて走ってしまいました。
14kmでトイレピットインしたにも関わらず、20km通過が1時間50分カット(21kmのエイドでもトイレに寄ったけどね)。
号砲のときの晴天とは打って変わり、かなり風も強いし、雨もぱらついているし、ちょっとやり過ぎでは、とは思うも、気持ちよく走れるペースから落とすのには抵抗があって、100kmは7本目になるのに、また暴走してしまいました。
結果、35km以降57kmまでの登りは歩きまくり、体力の回復に努めることに。
57km時点での平均ペースはキロ6分2秒。
随分落ちましたが、この時点でこの平均ペースというのは、目標のサブ11達成は確実で、昨年の記録10時間半も更新できそうなポジティブな情報でもありました。
57kmからは66kmのレストまでは下り基調。
調子よく下っていき、レストに着いた時点では平均ペースはキロ5分58秒まで上げていました。
トンネルまでの登りで追い越した友達に抜き返されることもなかったので、自分としては望外の経過。
この勢いのまま、レストでの滞在時間を極力減らして、貯金を作りたいところ。
…なのですが、強い雨のせいか、風のせいかわかりませんが、レストに預けた荷物が全然出てきません。
ウルトラマラソンでは、ピットインの時間を短縮することこそが、走力を高めるより簡単なタイム短縮法です。平均5kmに1つエイドがあるとして、100kmなら20箇所。
1箇所で1分滞在するとしたら、全部で20分使うことになります。
これを30秒にすれば、単純に計算して10分短縮なので、バカにできません。
いつまで経っても出てこないマイドロップバッグに業を煮やし、もういいです、と言いたくなりましたが、彼らも一生懸命探しているし、こうしている間は休めるし、などとウダウダ考えているうちに荷物が出てきました。
とはいえ、雨が強く、何もできないので、手製のスペシャルドリンクを一気飲みし、ジェルを補給しただけで返却。
たったこれだけのために14分のピットストップ。。しかも、必要以上に長い休憩で脚が固まってしまい、動くのが苦痛。。
心を鬼にして、もういいです!と言い渡せば良かった。
このいわて銀河には、70km過ぎに盲腸のように飛び出した往復ルートがあります。
ここで、仲間とエールの交換をするのが楽しいのですが、今回は、友達との大きな差を確認するスライドになり、正直ガッカリしたのも事実。
この後は、当初予定どおり、走るべきところは走り、歩くべき(⁉︎)ところは歩き、淡々と進み、脚はひどく痛むものの、ココロがへし折れることもなく、予想以上のペースで無事にフィニッシュ。
先行した友達を追う気持ちが強かったのかもしれません。
長いような、短いような10時間17分でした。
【フィニッシュ後】
私の前でフィニッシュした方が、年代別3位の表彰状をもらっていて、ささやかながら、しかし私的には盛大に祝福して差し上げました。
彼は2年前にここでサブ10を達成していて、そのときは66kmエイドで10分の貯金を作る作戦がはまったそうです。
あんたの今日の成績なら狙えるよ、と(リップサービスで)励まされたので、単純な私は、来年その辺りを目標に、真面目にペース配分を考えようか、と思ってしまいましたね。ははは…
温泉から戻り、友達と寒さに震えながら吹きっさらしの芝生広場でビールの祝杯をあげ、盛岡駅でもビールを飲み、新幹線でも飲み…と、思い返せば酒浸りの2日間だったかもしれません。